• 2011年01月30日登録記事

千秋楽に行けないので、DVD「誰がために鐘は鳴る」を観ていました。

今回のカメラアングルは結構優秀でストレスなく楽しめています。舞台の広さがカメラで切り取られる分、演出の不備が緩和されて芝居の芯が浮かび上がってきて、なかなか面白いです。
アンドレスとルチアが、デュエットソングで銀橋を通らないことに驚きました。あれは東京公演後半になって演出を変えたのではなく、東京公演で一旦演出を変更したものの、やはり奇怪しいので戻したと言うことだったんですね!

観劇時から、アレハンドロ隊の伝令のことが気になっています。
潜入2日目の日中、ロバートが到着する前に「セゴビアに敵が集結してる」と言う情報がエル・ソルドに届けられます。同じ情報をパブロ隊にも伝えに行った者がいると語られますが、ロバートがパブロ隊のキャンプに戻った後、その話が出る下りは描かれません。
2日目の朝から敵の動きを警戒していたロバートですが、張り番だったアンセルモ老が「敵の動きは大した事はなかった」と告げたこともあり、総攻撃の計画が漏れている確信を得るのは3日目昼になります。
仮定の話ですが、アレハンドロ隊の伝令をロバートが知っていたら、もっと早く作戦本部へ伝令を出し、爆破実行は無事中止になっていた可能性もあるのでは、と思ってしまいます。
なぜ、伝令はロバートに伝わらなかったのでしょうか。
もしかすると、伝令はパブロが受けたのではないか、と考えています。アレハンドロ隊のメンバーは、パブロがリーダーを降ろされた事を知りませんし、前日のようにパブロが外で昼寝していたなら、アグスティン等に知られず一人で知らせを受けた可能性があります。
しかし、パブロが情報を隠匿したのだとしても、疑問は残ります。総攻撃の意味がなくなれば、パブロが反対している橋の爆破も中止されると、彼なら想像できた筈。その計算よりもロバートへの反発が勝ってしまったと言うことなのでしょうか。
まったく描かれていない想像の展開ですが、色々考えさせられます。

なお、原作にはアレハンドロ隊の伝令と言う存在はなかったと記憶していますが、舞台では、伝令と行き違ってしまったのがロバートの手相に現れていた不幸の一つ、として機能してるのかも知れませんね。