• 2008年06月14日登録記事

宝塚月組「ME AND MY GIRL」15:30回。
今日の客層は家族連れが多かった印象。
お話としては意外に短く感じる3時間でした。しかし話が破綻してない=突っ込みところがないと言うのは、日記的には良いのか悪いのか分かりませんね。

ビル@瀬奈じゅんは、帽子を一度落としたけれど、被り直しは手を使わずに成功していたので、上出来な方の回だったのではないでしょうか。アドリブもあり、ひとつひとつの言動が会場に無茶苦茶ウケるビルでした。会場全体の雰囲気が明るかったので、私もかなり笑いました。
ラストシーンの台詞は良かった! ただ、知らなかった方がもっと感動できたかも、と予習のし過ぎを少し反省しました。

サリー@彩乃かなみは予想通りの期待を裏切らない出来。
ただ、喉の調子が心配です。初めのデュエットで、歌声に何時ものような力がなく、マイクの調子なのかと思ってましたが、通してかなり擦れてましたよね。ランベスウォークは一オクターブ下げてドスの効いた声で、ある意味レアだけど、一回だけの観劇なので基本キーで聞きたかったような、少し残念な気持ちでした。
残りの半月、イベントもあったりして密なスケジュールですが、最後まで歌い切ってもらえるように願ってます。

ジョン卿@霧矢大夢は贅沢な霧矢大夢の使い方でした。……ソロもダンスもないのか! と虚脱したくらい。
ジョン卿の役の方がストーリー的比重が大きいことは分かるのですが、見せ場や舞台上にいる時間、そしてショーで組む相手等考えると、ジェラルドでも美味しかったと思います。
また、仕方のないことですが、演技でカバーしてもマリアとの年齢差は覆しようがなく、カップルとして見るのは辛いです。二人とも単体では素晴らしい出来だったのですが、一人芝居でない以上、相手との相性が影響するのは仕方がないかと。
――もしや、ジョン卿って本当は組長クラスの役なのか?
月組は嘉月絵里も最早いないし、出雲綾も退団してしまうので、おじさん・おばさん役をどう消化するか、これからが心配です。雪組も相当若いと思っていたけれど、トップが最年長なんて事態にはなっていませんものね。79期が組長を勤めるなんて、早過ぎる! 今後の月組体制が、主演娘役の扱いも含めてかなり特殊なのはファン暦の浅い私にも明らかなほど。はて、この先どうなるのでしょう。

で、その美味しい扱いだったジェラルド@遼河はるひは……頑張って欲しい。
あの無駄に高い身長や低い歌声は好みですが、全体にレベルアップを要求したいです。
本日のジャッキー(役替わり)は城咲あい。この人は芸達者なイメージがあります。自分の土俵に役を持って来て勝負してました。

マリア公爵夫人@出雲綾はさすが。
少しお茶目な気のある憎めない夫人でした。歌パートがもっとあると役者の味は更に堪能出来たんでしょうけれど、ないもの強請り過ぎかしら。
パーチェスター@未沙のえるは、歌い始めるだけでウケが取れる、美味し過ぎる役。のえるさんはこの手の役が最高に巧い事は分かり切っていたので、組の生徒に演らせてみたかった気もします。
大きく個人的評価を上げたのはヘザーセット@越乃リュウ。コアな人気があるのは知っていたけれど、こういう役者だったのか、と開眼した気分です。逆に課題を残したのはランベスキング@桐生園加。殆ど台詞のない役とは言え、存在感がないのはどうなのかしら。他でアルバイト(役の掛け持ち)をしている時もまったく気付きませんでした。
……なんだかんだで、月組のことだと役者に対して色々要求過ぎますね。

衣装は召使いたちが可愛かったです。そのため、召使い中心の2場「調理場」は見ていて楽しかったです。
「ランベスウォーク」は曲だけ聞いていても名曲だとは感じていなかったのですが、生で参加したらとても楽しかったです。
2幕は全体的にどこも名シーン。ジャッキーとジェラルドが元鞘に収まった下りだけは少々意味不明というか、意味深長というか、要するにエッチでした。
フィナーレは、いつもの歌い継ぎ階段降りではなく、全員合唱のメドレーで、まるで宝塚でない普通の劇団のカーテンコールのようでした。そのせいで拍手タイミングが難しく、階段がなくても良かったと思ってしまったのは、いけないことでしょうか。

前評判通り、明るくハッピーなミュージカルでした。良い演目だから、月組にはこれからも大事にしてもらいたいです。