• 2011年09月25日登録記事

劇団☆新感線「髑髏城の七人」12:30回@青山劇場。
http://www.dokuro2011.com/

面白かったです。
が、DVDで観た「アカドクロ」の完成度には及ばないとも思ってしまいました。
捨之介と天魔王の二役と言う最大のポイントを取り払い、影武者設定を消した意図はプログラムを読めばわかるのですが、やはりそこは作品の胆だったのだと思います。
捨之介の解放を説得で得て、天魔王の鎧兜と引き換えに褒賞を手にするのは、正直に言ってカタルシスに欠けました。
そもそも家康の立場になれば、「猜疑心の強い猿」相手なのだから、今回の展開ならば例え真実と違うと分かっていても、捨之介の首を獲らねばならなかったはず。沙霧たちに「2度と姿を現すな」と命じる理由も、ボヤけて良くわかりませんでした。

沙霧が捨之介に正気を取り戻させるため斬鎧剣を使い、贋鉄斎が研ぎ直しをすると言うエピソードも、下記の点から失敗していたと思います。

  • 斬鎧剣は研ぎ直せば使えることになり、一発勝負の緊張感が薄れた。
  • 百人斬りの相棒が兵庫になったため、贋鉄斎が明確に戦うシーンがない。
    結果、誰が「七人」なのか印象がぼやけた。

また、沙霧が最初から無界の里にいるのは過去の公演でもあったパターンのようですが、捨之介に助けられてから無界の里に行く方が好きです。
非常に短い期間の話なので、出会いにインパクトがあった方が、2人の関係としても巧く纏まるように思うためです。

と、色々言っても「いのうえ歌舞伎」の爆発力は確かなものなので、普通に面白かったので、細かいことに突っ込むのは野暮ですね。
時間が遅くなってしまったので、キャスト評はまた明日に持ち越します。