宝塚月組UCカード貸切公演「MAHOROBA/マジシャンの憂鬱」15:30回。
本日は初宝塚観劇のこたつきさんをお誘いしました。私自身、月組も貸切公演も初めてなので、ある意味初めて同士であります。
初めての月組ですが、一番馴染みのある雪組でも顔を見分けられるのは凰稀かなめくらいまでなので、組子に馴染みがないのは案外気になりませんでした。
目当ては大空祐飛。今回の席、Sにしてはやや後方で顔が遠いのは残念でしたが、その代わり舞台に立っているキャストと同じくらいの目線なので、銀橋で演技する祐飛と目が合う錯覚があり思わず頬が緩みました。
今回の舞台はショーが前半の変則構成。そんなわけで、感想はまず「MAHOROBA」から。
このショーでは、主役たちは通し役で、合間に台詞もあるなど、なんだかダイジェスト版ミュージカルという感じでした。
日本神話は、個人的に大変縁遠いジャンルなので、筋がほとんど把握できなかったのが残念です。踊りや演出は、宝塚と言うより京劇のイメージ。天女の衣装や色使いは綺麗でしたけれど、宝塚のレビューには見えませんでした。何より、娘役の出番があまりに短く報われないもので、デュエットダンスもないので(後でフォローされてましたが)ビックリ。
東国討伐で日本武尊たちが倒れるシーンは、まず最初にサダル@大空祐飛が倒されたことに凄く納得。贔屓目で見ても、一番弱そうでしたから。しかし剣を抜いたサルメ@霧矢大夢が余りに強く、隙がないので負けそうに見えないと思っていたら、なんと小碓@瀬奈じゅんの為に剣を投げ寄越し、自分は空手で戦うと言う……男前なサルメには思わず惚れました。
逆に、小碓に対しては剣をなくすな!と叱咤したい気持ちでいっぱいだったのですが、その後の訥々としたソロには、「帰りたい」と言う情感があり、胸に来ました。
あと、日本神話で強い敵を倒すときは、かならず酒で酔わせて寝首を掻くんだなぁと、なんだか納得。
さて、かすりもしない抽選会+休憩を経て、後半はミュージカル「マジシャンの憂鬱」。
キャッチーなタイトル&正塚脚本、と言うことで期待していた通り、面白かったです!
悪い評判も聞いていましたし、実際後半の畳み方はいかがなものかと思うのですが、初宝塚のこたつきさんを連れている自分としては、「普通に笑えるコメディで良かった」と言う評価になりました。
お話としては、後半超展開ですし、そもそもの前提が論理的でなかったり、時代考証が無茶苦茶、何よりご都合主義すぎるのですが、とりあえず初見では印象が大事なので、その意味では良かったと思うのです。
何より、キャラ立てが凄い。これこそ正に座付き脚本家ならではのアテ書き。
シャンドール@瀬奈じゅんは、自然にマジシャンらしい演技をしていて格好よかったです。役は少しヘタレなんですけれどね。一方の皇太子@霧矢大夢は実に「パッショネート」で、ヒートアップしていく過程が凄い良かったです。この人、自国を民主主義国家にする夢を抱いて正解ですよ。彼が国王になったら政治が破綻するもの。
突っ込みどころは多々あるのですが、恐らく既にご覧の方はもう突っ込み飽きてると思うので、その辺を避けて気になったところを。
・「コンゴから帰って来た甥」は本物なのか。
このくだり、ちょっと台詞がよく聞き取れなかったのです。
妙に挙動不審だったけどあの甥は本物なのか?と、こたつきさんと話し合った結果、あれはジグモンド作のロボットじゃないかと言う事になりました。
・「シャンドール」はいつマジックを仕込んでいるのか。
作中数回、シャンドールは純粋なマジック技を見せます。「瀬奈じゅん」は、勿論舞台に出る前に仕込んでいるんですが、では作中の「シャンドール」は、いつ仕込んでるの? ヴェロニカの涙を拭ったハンカチは、どういうつもりで用意していたんだろう、と思うと何だか面白いのでした。
- 2007年11月04日登録記事