• 2010年01月16日登録記事

宙組公演「カサブランカ」15時半回観劇。

先週同じ時間帯の回を見たばかりだと言うのに、深化した!と驚かされました。
勿論、今更演出の変更が入ったりしたわけではなく、具体的にどこがと言い表せるものでないのですが、演者の役解釈が一層進んで来たのか、それにより間や台詞の調子など細かい部分がかなり変わって来ていると感じました。
残り2回、しかも後方の席しかチケット確保してないんですが、もう少し良い所で見ておきたくなってきちゃったなぁ……。

大きく感じた変化は、まずリックとイルザが緊迫感のある関係に成長した事。一幕の夜の再会では、一歩どちらかが踏み込み間違えれば撃たれそうな緊張感を感じました。
ついでにリックの酔っ払い具合も凄く進んでました。あと、カフェの扉を開けてイルザが入って来た瞬間、リックがゆっくり振り向く時と、パッと振り向く時とあるんですが、この日は凄い勢いで、イルザが登場した途端リックの視野がぐーんと狭く、彼女しか見つめていない事が分かりました。
それから、ラズロのイルザへの愛が強くなった事。
「好きです」の言葉を、今までは優しく言っていたのが、この日は凄く語気が強かった。他ならぬリックから確かめられて、想いが溢れ出た感じがしました。

その他、すべてのキャラクターが「なぜこう受け答えするのか」と言う台詞の気持ちが凄く明確に伝わるようになってきました。
回数見てるからだけじゃなくて、演じる側が、凄く乗って来てるんだと思います。
こういう現場に遭遇すると、舞台は生物だなぁとつくづく感じるのでした。

前回から感じていたのですが、ルノー大尉はリックへの好意を隠さなくなって来てますね。
シュトラッサー少佐と同じテーブルに付いた時、リックの調書を覗き込む仕草が、以前はさり気なくだったのに、どんどんあからさまになってます。しかも、リックの手元を覗く段階に至ると、顔がもの凄く近い。
カフェの閉鎖を言い渡す時も、サッシャの振舞い酒をちゃっかり貰った後に、やれやれと嫌そうに警笛を取り出すんですよね。
大尉の役所としては、もうちょっと腹の内を隠してくれても良いんですが、初見の客にも分かり易くしてる辺り、エンターテイメントとしては正解かな。