• 2011年07月16日登録記事

今週も宝塚宙組「美しき生涯/ルナロッサ」11時回を観劇。

折角、寺嶋昌夫・御崎恵両氏が指揮を振っているのに、トランペットが酷過ぎて音楽に浸れません。
役者の方も、久し振りに「噛み」に遭遇しました。芝居15場の「近江井口村で」と言う台詞。言い直そうとして、同じところで引っ掛かった感じでした。
12日から休みなしで、三連休はすべて2公演。体力的に大変だと思いますが、栄養をとって頑張って欲しいものです。

芝居は、自分向きの「見かた」が分かってきて、少し楽しめました。
矛盾を感じるシーンは、前後と繋げずショーの一場面程度に思っておく、と言う観劇法です。そうやって観たいところだけ観ていると、和物ビジュアルを堪能できて楽しかったです。
あと、脳内創作でシーンを補完している点も、楽しめた理由でしょうか。
例えば女童コーラスが歌う間、秀吉が死の床に武将たちを並べ、秀頼を守り立てるよう頼むシーンを頭の中で作り上げていました。
正直、今からでも可能ならば、11場B(疾風が秀次の謀殺を進言するシーン)をカットして代わりに入れて欲しいです。このシーンがあれば、秀頼を出陣させることが豊臣譜代衆を大坂方に戻す策だと言う理屈が明確になります。「裏切り者は許さぬ」と言う三成の台詞も唐突感がなくなるでしょう。
脚本家は、そういった史実エピソードは観客が承知しているはず、と思って女童コーラスで済ませたのかも知れませんが、それは乱暴だと思います。
ちなみに、舞台に登場していない関白・秀次のことは、触れる必要がないと思います。現に、今日の同行者は「秀次って、誰?」状態でした。

今日は基本的に鳳樹いちを見ていました。
鳳樹はどの公演でも、気が付くと目が引き寄せられる存在です。決して一般的な美形ではない(※1)ですが、あの眼力(※2)が私の何かを刺激するようです。他の日でも、遠目に「格好良い」と思ってオペラを覗くと、彼だったことが多いです。
芝居、歌、踊りと破綻がないので、どんなシーンでも安心できますね。そんな鳳樹効果で、同じシーンに登場している蒼羽りく愛月ひかるもぐっと巧く観えたような……。さすがにそれは気のせいかな。

※1 縦長の楕円顔自体は、男役メイクが映える美形顔だと思うんですが……下膨れが原因?
※2 眼力が天玲美音レベルまでいくと、二度見しちゃう(笑)。

北ノ庄で疾風に斬られて死ぬのは、星吹彩翔ですよね。スローモーションの部分で、時々フラッシュバックの中に浮かび上がる武者振りが凛々しいなぁと思って見ていました。
同期の蒼羽、愛月がモブレベルとは言え要所で出番があるのに比べて、勿体ない使われ方ですよね。
前回「誰がために鐘は鳴る」ではピンで役が付いていたから、ここで差し引きと言うことなのかしら。

ショーは、相変わらず観ていて発散できて楽しいです。
特記するところがなくて、結果として観劇記事は芝居への不満ばかりになってしまってますが……。