ルシアン・ネイハム著「シャドー81」
ハイジャック小説。
と聞いて、乗客として搭乗した飛行機の内部からコクピットを制圧し……という光景を想像していたのですが、完全に裏切られる素晴らしい作品でした。
物語の展開は遅め。けれど、一体なにがどう繋がっているのか分からず、気が付くと延々読み進んでいました。
完全犯罪でも、最後にF4ファントムの件があえて挿入されているのがミソですね。読者が物語の未来に破綻を創造することも自由なのだと受け取りました。
この作品が、ネイハム氏のデビュー作にして最後の作品だという事実が本当に残念です。