• 2017年11月20日登録記事

柴田よしき著「風味さんのカメラ日和」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
実家に出戻った風味は、幼馴染の頼みで、市が開く1年間のカメラ講座に参加。写真に興味はなかった風味だが、ちょっと天然な知念先生の講座を通して、カメラの面白さを学ぶと共に、次第に老若男女の受講生の写真に現れる悩みが解決されていくーー

220ページという薄さですが、4章収録。主人公はタイトルロールの「風味さん」ですが、視点は固定されておらず、各生徒に順次スポットを当てていく作りなのでオムニバス風でもありました。
根本解決しない話が多くてスッキリはしない、というハンデがあるにも関わらず、読了後の印象は「面白かった」になりました。
ただ、一冊で完結しているのかと思いきや、続編を想定した作りだったので驚きました。この調子だと、全3巻くらいで一年間の講座を描き、生徒たちの問題を解決しつつ、最後に知念先生の謎に迫るのかしら。

「デジタルカメラはじめて教室」が舞台であり、写真を撮る行為や、撮った写真から話が発展するということもあって、カメラに関するハウツー本か?と思わされる記述もあります。読書のついでに知識も得られてお得といえば、そうかもしれません。私は、技術的なことは斜め読みしてしまいました。
しかし、カメラの話に直接興味がなくても、人間の機微に関してはなかなか勉強になります。
インスタグラムでフォロワーが増えない理由として、雑多な写真をアップしているからでないか、と先生が分析するくだりは、このブログのことだ!と思いました(笑)。
もちろん、このブログは自サイトの1コンテンツであり、単独でのアクセス増を目的としていないのですが、テーマが決まっている方が読者には良いですよね。いつも創作以外の雑多な記事で申し訳ありません。まあ、今はほとんどゲームブログ状態かしら?

主人公の職業設定は、3章で明かされるまで気付きませんでした。
「妄想なら外見は関係ない」というヒントで、官能小説作家と予想したのですが、もう一捻りされていました。ただ、一般図書で特殊性癖を事細かく説明しなくてもいいのでは、と思いましたけれどね。
書きたい物語のはずなのに書けない、というジレンマはよくわかるので、続刊があるならば、風味がその壁をどう乗り越えていくのか注目したいです。