• 2010年07月登録記事

 耳元に口を寄せ、餓えた心の亀裂を広げる毒を流す。
「仇を取る機会、逃すなよ」
 今や兄は大空を飛ぶ黄金の隼に魅せられるあまり、足元の危険に気付いていない。もし断崖から落ちたとしても、天を仰いだままでは、突き落とした相手を認識しないだろう。
 ――隼を打ち落とす必要があった。
 耳打ちした相手は、昏い視線でリュシアンを一瞥すると、慇懃に応えた。
「……言われるまでもないことです」
 男がその上着の内に隠し持つ狙撃銃は、隼狩りだけを目的に磨き続けたものである。標的を見付ければ、必ず仕留めるだろう。
 だが、飼い主――兄が暗殺を指示しないことを、リュシアンは知っていた。
 忠犬か、狂犬か、男が試される時が来る。
 その時リュシアンも、兄の弟か、一人の男か、世に試されるだろう。


宙組公演「トラファルガー」東京追加演出シーン、「オーレリーに耳打ちするリュシアン」より。

10場だけの印象で語ると、「ネルソンが負傷」と知って和平を申し出るナポレオンは、純粋にネルソン不在の英国と戦う意義を感じなかっただけで、それが罠になったのは結果論なのでは、と感じます。
そのあと悪役風の演出があるので、全体の印象は悩まされますが……
少なくとも、オーレリーに暗殺は命じる気は全くなかったように見えます。

リュシアンは、兄がネルソンに気を取られていた方が簒奪し易いと分かっているけれど、それでは意味がないと思っている。
野心家だけど、ブラザーコンプレックス。そんな勝手なイメージです。

先日紹介したブラウザゲーム「Arcuz」をクリアしました。

随分時間が掛かりましたが、実は、ラストダンジョンで行き詰まったことで育成の失敗を実感し、最初からやり直していました。
ステータスをラックに振り分けるのが要なのかな、と思います。アビリティ上昇の本を入手したので、実は使わなかったアビリティが2残っています。
また、一回目では殆どお目にかからなかった黄金宝箱を何度か手に入れることで、冒険がとても楽になりました。
ラスボス撃破の最終ステータスは、下記の通り。
Strength 83、Agility 88、Constiutution 86、Luck 99。
「剣聖ストーム」と「マジック属性放射」を主軸に戦いましたが、そこに至る前の戦いでは「究極のマジック属性放射」の方にお世話になりました。
装備は黄金または+2〜4で、合成効果てんこ盛り。
武器は剣ですが、ReqLv21の「+4 Sword of Curse」を結局最後まで愛用。と言うのもこれ、黄金アイテムなので、ReqLvが高い剣よりも攻撃力が高かったのでした。
逆に、鎧も黄金アイテムをしつこく使用していましたが、最後にそれより防御力の高い「+3 Armor of Knight」を入手したので、合成効果を付け加えて入れ替えました。
ちなみに、装備品で一番売値が高いのは「+4 Boot of Brave(特殊効果+30% SP Bonus、+30% HP Bonus、+9 Magic Resistance)」でした。黄金装備より高価なのは意外ですが、ReqLvが高い方が基礎販売値が高いということでしょうか。
自分ではかなりやりこんだけれど、本を入手しまくって、更にもっと性能の良い黄金アイテムを手に入れるまで遊べば、桁違いに強化できるんでしょうね。

エンディングはありましたが、〆が「To Be Continued」で、諸悪の根源も倒してないので、本当はもっと構想があったのでしょうか。
なお、ラスボス撃破後の暗転直前、中身が「Sword of Blood」の宝箱を拾ったのですが、続きからプレイを選んでも入手できていませんでした。他にラストバトルで入手したアイテムはちゃんと反映されていたので、ちょっと残念。どういう性能の武器か確認してみたかったです。

レベルが直ぐMaxになってしまうことや、ストーリーが未完のこと、敵の物量作戦で延々悩まされるあたりは少し残念ですが、それでも、良く出来ていてコレクター気質も物凄く刺激される、面白いゲームでした。

宙組公演「トラファルガー/ファンキーサンシャイン」11:30(セゾン・UCカード貸切)観劇。
東京初日から10日経って、やっとMy初日です。

1階SS席。
ショーで蘭寿とむ氏の目線が飛んで来たような気がしますが、そういう錯覚をしても奇怪しくない近さ。この席の問題は、センター以外のお芝居を観てると罪悪感があることですね(笑)。

まずミュージカル「トラファルガー」。
芝居の変更点は、既に多数のファンブログで報告されている通りでした。
宝塚での初日は継ぎ接ぎ感が強かったけれど、全体にアップテンポな展開はそのまま、各エピソードの繋がりが出て来たように感じます。
ジョサイアを庇うシーンなどは、凄く戦場の動きが分かり易くなったと思います。

不評も聞く「ぬくもり」と言う歌詞ですが、私はあまり違和感なく受け止めています。
主人公とヒロインの恋の歌にしては即物的過ぎるように感じられるのかと思いますが、少なくとも最初のシーンの「ぬくもり」は、握った手だけを言ってるのだと思います。
エマを5000ポンドで買い取った芸術品として愛でていたウィリアムは、エマに触れることはなかった。だから、ネルソンに儀礼と関係なく両手を取られたとき、凄く久し振りに人と触れて、その暖かさを思い出したのだと思います。大空祐飛は体温の低そうな役者なので、恐らくとても微かな温かさだけれど、それに吃驚するくらいエマは飢えていたんじゃないでしょうか。
史実とは関係なく、舞台のエマからはそんな印象を受けました。
しかし二回目の観劇なのに、「ネルソンとエマが好き合うの早過ぎない?」と思ったのは事実です。

先日「皇后ジョゼフィーヌのおいしい人生」を読んだので、フランスチームに注目しましたが、妹たちやジョゼッピーナに対して、表面上にっこり微笑みつつ、凄い怖い顔してるジョセフィーヌに大ウケしました。ナポレオン一家、怖過ぎます。

最期のシーン、ネルソンを包むユニオンジャックは、思った通り1階からの視点ではまったく分かりませんでした。しかし、同じ演出が、1階からはまるで波の中に消えていくように視えました。
席を変えて二度観ないと気付かないかも知れないけれど、二つのイメージを両立させる、心憎い演出だったんですね。

以下、前回観劇から印象が変わった役をちょっとだけ。
エマ@野々すみ花が痩せて、綺麗になってきていました。
「一目見たら忘れられないほどの美女」と言われるとやはり疑問符がつきますが、一層磨かれて綺麗になる事を期待します。
ヘンリー殿下@十輝いりす、初見はこれといった印象がなかったのですが、近くで拝見すると大変麗しい殿下でした。鷹揚な人柄が高貴な雰囲気に繋がっているのかな。
ネルソン父@風莉じんの「ホレイショが帰って来る」でまた泣かされました。それ以前の演技も、鬱陶しさが薄めになっていた感じです。

ショー「ファンキーサンシャイン」。
構成が分かって見ているので、初見のような戸惑いはなく、ちょっと緩い独自のノリを楽しめました。思った通り、リピートした方が楽しい作品ですね。
太陽族や、戦士のシーンは小芝居や個々人のチェックが楽しいです。今回観劇予定数があまり多くないので、どこまで観られるか、不安ですが頑張ります。
プラズマでも、男役は認識できました。動きがとても綺麗だなと思ったら、珠洲春希でした。鳳樹いちもこのメンバーに含まれていて、ダンサーなんだ、と知りました。
太陽の戦士は、銃撃戦になった瞬間、蘭寿とむが二人にマイクなしで「逃げろ」と言っているのが確認できました。先程まで奪い合っていたのに、どういう心境の変化なのか、次回はその辺を確認したいです。
第7場Aの若手4組のシーンは、蓮水ゆうやが先輩スターとしての経験値の差か、一番オーラがあるように感じました。

まだすべての落書きを収録したわけでないので、久し振りにたまごスクランブルです。
「たまごスクランブル」に関する基本事項はこちら


ダンジョンの上に広がっている、普通の人間の町。町にはダンジョン探索に役立つ諸施設が存在する。
町に入るとリストから行く場所を選択。選択した場所内ではダンジョン同様キャラを操作して動かす。

・宿泊所
止まるとHP、SP、状態異常(呪い以外)が回復。
仲間が多い場合、連れて行かない者はここで待機。
厨房のおばちゃんにたまごを渡すと、アイテム「ゆでたまご」を作成できる。
「門」設置可能。

・道具屋
物を売る兄と買い取る弟の兄弟経営。
有料のたまご保温器(アイテムクリエイト)があり、ここでクリエイトすると常に成功となり、失敗・大失敗・大成功が発生しない。

・交易所
オークションに参加できる(PCがダンジョンで盗まれる等したアイテムの救済)。
広場の情報と連動している。

・修繕屋
耐久値を超えるダメージを受けたり、トラップで破れたカードを修繕できる。
また、カードと合成したアイテムから、アイテムを壊さずにカードを抜き出してくれる。
この仕様はバランスを考えて悩んでいるところ。カードを抜くと能力が少し落ちる、と言うことも考えています。

・教会
サブイベント発生あり。
祈り系のスキル(未定)を習得できる。

・広場
町の人々の憩いの場。サブイベント発生あり。
中央の噴水からダンジョン1階に戻れる。

・預かり所
アイテムを預ける場所。使い勝手から考えると、たまご管理者のフロアに設置すべき?
無料・有料は未検討。

・住宅街
サブイベント発生あり。
頑張れば主人公も自宅を持てるかも……?

ダンジョン内たまご分布図
各エリアで、ランダム宝箱から入手できるたまごのランクは下記の確率から選ばれる。

1〜4階 C100%
5〜19階 C85% B15%
20〜35階 C70% B25% A5%
36〜59階 C50% B35% A15%
60〜69階 C40% B40% A19% S1%
70〜79階 C25% B50% A22% S3%
80〜99階 C15% B55% A25% S5%
クリア後ダンジョン B50%、A40%、S10%

少し確率がシビア?と言う気もしますが、職種「たまごマスター」になると上位ランクの入手率が倍になる、と言う仕様を考えていたので、その辺との釣り合いを考えていた模様。

矢口史靖著「スウィングガールズ」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
毎日怠けて過ごすダメ女子高生・友子は、届けた弁当で食中毒になった吹奏楽部の代わりとしてビッグバンドを組まされる。当初は嫌々で逃げ出す魂胆だったが、次第にジャズの楽しさに目覚め、自分の楽器を手に入れる為バイトまで始めることに。遂には音楽祭に出場し、一つのモノに打ち込む素晴らしさを知る。

文庫になっていたので、読んでみました。
爽やかで罪のない青春モノだと思うのですが……友子たちの駄目人間っぷりは苛々させられました。
極みは、音楽祭に落選したことを仲間に話せないと言うくだりで、衣装も作って、交通費も出して、人やお金が動いているのに、それを怒られたくないとかタイミングが見出せないとかで引き延ばして、結局取り返しのつかない状態にまでなってから言い出すと言うのは、酷い。
仲間の誰もエントリーの返信を確認しなかったのか?と言うことも疑問ですが、やはり友子の責任が一番重いと思います。
そして結局、物語上のご都合で出場できるようになったから追求されてないことが一層腹立たしいです。
他人に迷惑を掛けて平気、またはそれが問題視されないと言う世界は、どうも私の好みから外れてしまいます。

そう言う訳で、音楽の楽しさに目覚める辺りなどはテンポも良く面白かったのですが、最後に不愉快感が残ってしまったので、ご都合な展開にも少し引っ掛かってしまいました。
その辺をあまり気にしないで、勢いで楽しむのが正解かも知れません。