• 2008年06月登録記事

パーティ内の目に見えない火花が恐ろしいドルアーガ10話「夏の終わりに」。
今回でパズズが倒されなかった以上、この先の対ドルアーガ戦中にも、人間同士の刺しつ刺されつが起こる可能性がありますね。どちらにせよ、ここまでお互いの利益を押し出してしまったら誰も仲良しパーティではいられないか。本当に、ピクニックは終わってしまったのですね。
その上、今回もまだ裏切りがありませんでした。最終話で3回、と言う冗談が現実味を帯びてきました。

ファティナのニーバ非難は、8話の愛しくて仕方ない表情からは想像出来なかったので地味にショックでした。その上、宥めるニーバが大変ダークサイド。もっとも、こちらは目的のために手段を選ばない人だから、遂にやったという感です。
とは言え、その後のウトゥとのやり取りはとても良かったです。良い仲間関係ですね。ニーバが最後にジルとの会話を自嘲するのも、自分のパーティに対する信頼感のように感じました。

メルトは言っている事は間違ってないのですけれど、相変わらずなので「空気が読めないってこういう事か!」と勉強になります(笑)。
などと言いつつ、私は最後までにあと1回はあるだろうメルト活躍シーンを心待ちにしています。そう言う意味ではドルアーガ戦には期待大です。
パズズ戦はアクションが楽しかったです。ニーバが最後に出したホーミングミサイルは、弓ではなく手甲辺りに仕込んでいたような感じでしたが、あれは隠し球だったのではないのかな。あの絶壁で撃った弓は回収できないだろうし、彼としては結構な痛手だったかも。

毎話風呂シーンを入れる規定が本気で厳しくなってますね。今回はまだ何とか出来た感があるけれど、大詰めの次回・次々回はどうするんでしょうか。
サキュバスとカイが同じテーブルに付いて、まるで食事しつつゲームでもしているような風であることや、「天空の宮」の意味不明な人数制限など、考えても答えが出そうにない事は取り敢えず次回以降の謎解きに期待します。

23時、水道管の取り替え工事が部屋の真下で始まり、あまりの騒音に飛び起きました。
何でも良いから日誌を書いてから寝なさいと言う神のお告げなのか……。

花組「愛と死のアラビア」で、インシャラー(INCH ALLAH)と言う言葉が出て来るそうですが、再生の神子の心構えと言うのはこれに似ているような気がします。
その内「マーテル様の思し召しのままに」とコレットが言い出すかも知れません。

今日書いた部分。


 傾いだ柱の足下に僅かな影がある。子供たちと竜はその影に身を寄せて陽から隠れ、水の入った革袋に口を寄せた。
 まずコレットが一口、続いてジーニアスが頬張るようにして水を飲み込む。ロイドに渡った頃には、水袋は既に握った拳ほどの大きさになっていた。それを少しずつ口に含み、ゆっくりと嚥下する。心地よい冷たさなどない。代わりに、身の隅々まで染み渡るような感覚がロイドを満たし、疲れは長い息となって抜けていった。


はて、このペースで更新が間に合うのか?

今更ですが、砂漠の描写がちょっとウェットになっているなと反省しています。
私はエジプト系の砂漠に行った事がないので、遺跡のイメージと併せてカンボジアで過ごした時を思い出しながら書いているのですが、あそこは乾季と雨季があるので、ちょっとトリエットの気候とは違う筈。
でも私は知識だけでは小説に出来ないんですよねー、と開き直ったり。

最終封印35話の変化話3回目。
長々続けてきましたが、今回で終わりです。

まず、なかなか決まらなかったのが戦闘シーン。と言っても、アクション自体は二刀装備を生かしたものにしようと言う事がまず決まっていました。
問題は敵でした。トリエット付近に出る敵と言う事で、当初は蛇(サイドワインダー)のつもりだったのですが、本当にトリエット付近で出現したのか心配になってしまい、また蛇の動き自体あまり見栄えのするものが思い浮かばなかったので、取り敢えず置き換えることにしました。
シンフォニア攻略本はPS2版も含めて全部持っているのですから、確認すれば良かったのですけれどね。出すのを面倒がった為に、この後苦労する事になったのでした。
置き換えて書き出したのは、狼(ウルフ)。四つ足は犬の連想でアクションを組み立てやすいですし、実際スルスルと書き出せたので、一旦これで決着をつけたつもりでした。既にこの時点で、アップしたものとほとんど同じ文章が書けています。
が、不意に「ウルフはトリエット付近に出現したか?」と気になり思い返すと、ウルフと戦った記憶はイセリア付近か、次のオサ山道ではないかと心配に。それに、読み切り小説「海まであと」でもウルフとロイドは交戦している事を思い出し、ワンパターンに過ぎるので、一旦これを止めることにしました。
次に候補に上がったのは蠍(スコルピオン)。砂漠に出現した明確な記憶がありますので、今度こそ変えないぞ、と思って書き出したところ……なんと、ウルフ戦でしっかり頭に出来上がってしまったアクション動作が蠍に影響。うまい動きを見つけ出せず苦悩する事に。
色々パターンは変えて考えたものの、どれもウルフ戦と言う大元があってのアレンジにしかならず、それくらいなら思い切って砂漠でも狼で良いじゃないか、と思い切ってウルフに戻したのでした。

さて、コレットは自主的に動いてノイシュに乗ってくれた御陰で、35話の中に登場する事が出来ましたが、ここまででまったく文中に出て来ないキャラクターが一人いました。リフィル先生です。
実は、麻生はリフィルを動かすのが大の苦手。最大の理由は、彼女が知的なキャラクターであることです。
いくら地の文で「彼女は聡明である」と描写しても、誤ってアホな言動をさせてしまったら台無しです。書き手である自分に彼女のような知性がない以上、オリジナル展開でのリフィルの言動は最大限の気を遣う必要があるのです。
そんな訳ですから、リフィルをどう組み込むかは悩みどころで、竜を登場させることにしなかったら、最後の台詞しか出番がない所でした。

こんな形で、変化しながらなんとか出来上がったのが、皆さまにご覧頂いた35話となるわけです。
気になる次回の執筆状況は、本日更新致しました次回予告にてご確認下さい……今のところ、アップした部分しか書けてませんよ。

最終封印35話の変化話2回目。
昨日の日誌段階でも相当ですが、今日お話しする変化具合を読まれると「なんて適当な書き方をしているんだ」と呆れ果てられているのではないでしょうか。私もそう思います。

さて、まだ細かい所が詰まってませんが、話プロットが上がったこの時点で取り敢えず書き出します。
冒頭のロイドが暑くて眠くてたまらないと言う辺りは、比較的スムーズに早い段階で出来上がった下りです。書いている内に、眠りでこけそうなロイドを見かねて、コレットがプロットと無関係に自発的に声を掛けました。


「ね、ロイド。やっぱり交代しよ?」
もう一つの声は、まるで旅人を労る小雨のように頭上から聞こえた。


動いてしまったものは、取り敢えずプロットから大幅に外れない限り許容するつもりなので、なんとなく状況を考えていきます。ちなみに最初に書いたのはこんな感じでした。


振り仰いだコレットは、ノイシュの背に身体を預け白い靴を揺らしていた。
「平気だって。コレットこそ、まだ足痛むんじゃないのか」
それは旅立ちの為に揃えた靴であったが、長い道程を歩く若き神子に合わせて踵を低く誂えている。当初一行と共に砂上を歩いていたコレットだが、足裏を焼かれた彼女の異変は大人達に気付かれ、


と、ここまで書いてアウト。そんな装備ではこの前後の旅路に問題が有るだろう、と言う事で、体力のない子供たち(コレットとジーニアス)が交代でノイシュに乗っていることに変更しました。

ロイドが鼻水を付けられて服で拭い、ジーニアスに突っ込まれると言うエピソードは当初ノイシュで考えていました。が、個人的にノイシュが鼻水や涎を垂らしてるのはどうかなと躊躇ったのと、ロイドは共に育っているのだから、もしその危険性があるなら最初から鼻付近は避けるのでないかな、と予想。一旦白紙に戻しました。

その後、トリエットから旧トリエット跡までの距離の表現として、今回登場したオリジナル要素「竜」が小道具として浮かび上がりました。
ノイシュが5人同時に背に乗せられるなら、移動距離の問題は解決するのですが、それではギャグになってしまうので、乗り物として竜が候補にあがりました。

  • トリエットにはノイシュが泊まれる大きさの舎がある。
    TOSでは馬を見掛けない為、竜舎だと考えられる。
  • ノヴァの竜車は世界中を周っていて、図鑑イベントの事からトリエット付近を通った事もあると考えられる。
    つまり竜は砂漠の上を歩ける。

上記の点から、砂漠の移動で竜を使ってもおかしくない、と考え、この時点で一旦冒頭部分を竜を入れた文章に変更。更に、前述のエピソードも、竜に置き換えて取り入れ直しました。
……がしかし、この時点では巧く竜が物語の展開に溶け込みませんでした。そこで、竜を出すのは大型動物が好きな自己満足にしかならないのでは、と考え直し。なんと、一回また竜が出て来ないバージョンに書き直したのでした。

竜が再度登場したのは、実に更新3日前の事です。
勿論、一度取り止めた竜の存在を復活させたのには理由があります。前回よりも、「竜」と言う小道具を使ったエピソードを思い付いたためでした。
……と言うのは、36話前半に関する事なので、詳しい事は36話が出来上がってから是非ご確認下さい。
一応、35話だけでも、竜がいることで戦闘から逃げ出すノイシュと自然な対比になる、と言う効果も狙っています。狙いだけなら他にもありますが、細かいので割愛します。
とにかく色々思惑だけはあり、竜は無事、最終封印に登場することが出来たのでした。

前半が二転三転している内に、後半の戦闘以降のやり取りもごっそり変わってます。長くなったので、後半の変化具合はまた明日お話し致しましょう。