• 2010年08月登録記事

PSPソフト「タクティクスオウガ 運命の環」発売日11月11日(ポッキー&プリッツの日)に決定。
UMD版5980円、DL版4980円。
http://www.square-enix.co.jp/tacticsogre/

思ったより早い発売日ですね! 来年かと思っていたので、驚きました。
もし通信対戦機能があるならば、シンフォニアのテセアラ編OVA鑑賞会が同時に通信対戦会になりそうな予感。
残念ながら同梱版は出なそうなので、PSPを買って何か事前に遊んでおこうかなと検討中です。しかし種類が色々あって、どれを買えば良いのか良く分からないのが、昨今の携帯ゲーム機の困るところです。

なお、UMD版につく予約特典は「タロットカード」セットとの事ですが、「本作のゲーム中でも大きな役割を果たす」と言う部分に首を捻りました。
「伝説のオウガバトル」では確かにお世話になって、ワールドのカードがなければクリア不能だったと思っていますが、タクティクスオウガにはタロットカードって存在しませんでしたよね。
新システム要素なのかしら。なんにせよ楽しみです。

宙組公演「トラファルガー」に数多く隠された謎の一つについて。

第13場の海戦で狙撃手オーレリーは、ネルソンを撃った後、ハーディが撃った銃弾に倒れる……と思っていたわけですが、思い違いがあることに気付きました。
ポイントは、オーレリーが撃たれて落ちる場面で吹き上がる煙です。
吹き上がる白煙は、初見ではオーレリーが海に落ちた事で上がる水飛沫だと思われていましたが、その後各種媒体で、船の配水管が破裂したことを示していることが判明しました。
銃声は1回。
その一発で、オーレリーと配水管の両方を打ち抜いたと言うのは、ちょっと考え難いです。
そして物事の順番は配水管→オーレリー落下です。ついでに、立ち位置もハーディ→配水管→オーレリーです。
つまり、実はハーディの銃はオーレリーの直ぐ傍の配水管に命中し、そこから吹き上がった水の勢いでオーレリーは落下した、のではないか?と思い付きました。
DVDを観ると、オーレリーが銃声に合わせて撃たれたような動作をしているのが難ですが、演出と状況から考えるとこれが一番しっくり来るのではないでしょうか。
狙撃兵ではないハーディの、ごく普通の銃で向かいの船に乗っている一人を狙い撃てるのだとしたら、「本物のマスケティア」と鳴り物入りでナポレオンに仕えたオーレリーの存在意義が薄くなるので、惜しくも配水管に当たった、と言うのも良い案配だと思うのですが、如何でしょうか。

初となる蜷川幸雄演出作品・音楽劇「ガラスの仮面~二人のヘレン~」を観劇しました。
http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2010/glass/index.html

2008年の初演は未見です。とは言え、ほぼ忠実に原作をなぞった内容のため、問題なくついていけました。
脚本は、劇中劇をふんだんに入れつつ、「嵐が丘」出演からヘレン役での助演女優賞受賞まで。私は原作の流れが頭に入っていて、シーンの繋がりを補完できるので問題なかったけれど、未読の方が付いていくのは大変かも知れませんね。こうして観ると意外と視点が幾つもあって、エピソードの継ぎ接ぎ感が強かったですが、軽井沢の別荘から教会の稽古を回想し、再び視点が軽井沢に戻る、の下りなど、白眉の構成もありました。また、全体に笑わされるところが多かったです。
二幕の劇中劇「奇跡の人」の後は、残念ながら少しだらけてしまったように思います。一番盛り上がる「奇跡」のシーンの後の本筋が、全部蛇足に感じてしまったと言う……。
演出は、通路や客席をフルに使って、客を飽きさせないようにしていました。盆やセリがないため、舞台転換が心情の歌をピンスポ、その間に次の場面のセット準備、の繰り返しが多く観られましたが、許容範囲かなと。設備関係はフル機能を使用して欲しいと思っているので、奇跡のシーンでの水を実際に流したのは嬉しかったですが、松明の存在は意味があったのか疑問です。
ステージ裏まで開いてステージとして使用するシーンが多々あり、舞台って広いなぁと吃驚しました。

以下、主立った役者の話をしますが、全体に厳しめです。
マヤ役、亜弓役は初演でオーディション選出された二人が続投。
北島マヤ@大和田美帆は、さすがに演劇界のホープとして現在引っ張りだこの人材だけあって、力を感じました。ちょっと突っ走り気味なとこが如何にもマヤでしたが、あれも演技なんでしょうね。かなり小柄なため、将来的には役の幅に影響しそうですが、代わりに今後続編があってもマヤ役をこなせそうですね。
一方の姫川亜弓@奥村佳恵は、意外と線の太さがあり舞台栄えしました。あと、亜弓さんのナンバー「どんな役でも」で歌う「ママには負けない、あの子にも負けない」と言うフレーズで見せてくれた目力に惹かれました。オーディションシーンの演技は亜弓さんと言う感じで、素敵でした。
ただ、バレエ経験者のためか外股気味なのが気になりました。亜弓さんはお嬢様なので、足は揃えて欲しいなぁと。動作も意外とガサツな印象。また、歌や台詞が「押し」の一本調子に感じました。劇中劇としてこじき役と、更に原作にない「テンペスト」の怪獣キャリバン役を演じるシーンを入れたのは、彼女のニンに合ってるのがそれだから、と言うことなんじゃないかなと勘繰ってしまいます。ダンスシーン自体は圧巻でした。

ニンでないのは、速水真澄@新納慎也も同様でしたが、「異端児」として活躍できるだけの実力ある役者さんだけあるかなと。七頭身以上に見えるあの身長とスーツの着こなしにも感心させられました。
とは言え、速水氏は大人の二枚目俳優にやらせるべき役だと思います。
桜小路優@細田よしひこは、脚本的に良い所がなく、へたれ全開。原作の桜小路くんの印象からすると「これで良いのか?」と思いますが、これは脚本の問題ですし、出番が少ないため文句もありません。
しかし、将来は一真役候補に選ばれる実力派俳優がこの扱いで良いのかな。今回は桜小路くんの出番自体なしでも良かったのでは?

月影千草@夏木マリは、ビジュアルの圧倒的勝利。見た目が完全に月影先生ですし、台詞回しも良い。歌うと「夏木マリ」だなと言う感じでしたが、このキャスティングは大成功だと思います。
そして姫川歌子@香寿たつきも、歌子さんと劇中劇タリバン役共に素晴らしい演技だったと思います。二人のヘレンとの休憩なしの稽古シーンの後に、ソロ曲がある鬼構成。原作の歌子さんも凄いタフな人だと思っていましたが、生で観ると一層驚嘆します。
もう一人、役者だと感嘆したのはマヤの母&原田菊子@立石涼子でした。違和感のない二役でしたし、病院のシーンでがらりと空気が変わったのは、この方の力だと思います。
ビジュアルで美味しかったのは、小野寺@原康義ですね。

男装の麗人青木麗@月川悠貴は、男性俳優。蜷川芝居で女役を演じている方のようで、女性を演じていても違和感はありませんでしたが、私の麗像とは違いました。原作を敢えて読んでいないとインタビューに回答していたので、その違いは原作から想像する麗と脚本から想像する麗の違いなんでしょうけれど、「女」であることを意識しすぎだと思いました。麗って、もっとサバサバしたキャラだと思うんですよね。
劇団一角獣の二ノ宮恵子@黒木マリナは、格好良かったです。偶然ですが、演劇をやってた頃の北海道出身の仲間に雰囲気が似ていて、妙にリアリティを感じましたが、変な話ですが美人なのと胸が豊かな点が恵子さんには見えない別キャラに感じました。
後はアンサンブルで色々こなしていましたが、気になったのは水無月さやか&金谷英美@深谷美歩でしょうか。さやかはかなり合っていたと思います。金谷さんは、もっと大柄で線が太い人のイメージなので、この二役はちょっと残念でした。
一角獣のその他の面々は、役としては「誰が団長?」と首を捻る感じで原作のキャライメージは踏襲していませんでしたが、アクロバット集団らしい感じが十分出ていました。彼らの芝居が見てみたかった気がするので、劇中劇「真夏の夜の夢」の回に期待します。

生胡椒のふわふわ杏仁豆腐@胡椒饅頭PAOPAO
http://r.gnavi.co.jp/a424601/

店名の通り、胡椒をふんだんに効かせた料理がメインの中華。
駅から少し外れている為か、客はあまり多くありませんでしたが、気軽に食べられるお値段にボリュームも味も充分な内容と、満足のいくものでした。
しかしデザートにまで胡椒とはどういうことなのか?と期待半分恐怖半分で食する事に。

色味がやや黄色く、揺らすとプリンのようにぷるぷるしていましたが、味はしっかりとした滑らか系の杏仁豆腐。
上に生クリーム、黒い生胡椒、ピンクペッパーが乗せられていて、甘いのに胡椒の辛さと塩っぱさがあり、後味がピリリとするのが強烈でした。
塩チョコレートだとか、塩キャラメルが流行った時期がありましたので、その系統だと思えば許容範囲でしょうか?
私は、正直なところ杏仁豆腐だけ食べたいな〜と思ってしまいましたが、「甘党だけど途中で口をすっきりさせたい」と言うタイプの方なら病み付きになる一品かも知れませんね。

三浦しをん著「人生激場」「仏果を得ず」「まほろ駅前多田便利軒」の三連発。

良い意味でも悪い意味でも、すべて大変軽くて読み易い作品でした。
記載の順で読みましたが、順番は失敗だったかも知れません。
と言うのも、最初に読んだエッセイ「人生激場」のせいで、肝心の小説作品の方を「BLっぽい……」と思いながら読む羽目になってしまいました。
取り上げているエピソードの半数程は共感するところが分からなかったのは、年代の違いでしょうか。

「仏果を得ず」は文楽に青春を捧げる若者の物語。かなり下調べをされたのでしょうが、文楽の世界の裏側が覗けて面白かったです。
現代の日常生活から、文楽の表現のアプローチを学ぶと言う展開は、演劇物などで良くある展開だと言う事もあり、あまり馴染みのない文楽の世界にすっと入っていけました。
文楽の名作が多々紹介される点も、勉強になりました。実際に観てみたくなる読了感も、演劇物と似てるかな。

「まほろ駅前多田便利軒」は、男二人の友情と再生の物語。直木賞を穫ったのはこの作品で、漫画にもなっているんですね。むさ苦しい同居生活を描きながらリアル感が薄く、ファンタジーになってるあたり、漫画的なので良いメディアミックスではないかと思います。
過去の事情から生じた感情を描写しながら事情には触れず、後から明らかにすると言う手法が、読み手の苛立ちでなく想像を掻き立てて先へ読み進めさせる動機になっている辺りは、見習いたい点でした。
裏稼業の人物を肯定的に描写されているのは、キャラとしては好感が持てても、多少疑問を感じる部分でした。が、ルルとハイシー(って、今気付いたけれど市販薬の名前?)のキャラは結構好きです。