• 2015年10月03日登録記事

原田マハ著「キネマの神様」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
歩は、父ゴウをギャンブルから遠ざけるため、映画ブログを始めさせた。ゴウの素朴で優しい評に対し、ある日H.N.ローズウッドなる人物が切れ味鋭い批評を書き込んだことから、ブログは2人の公開討議場になって大評判となる。やがて2人の力は閉鎖しかけていた名画座を救うが、ローズウッドは病死してしまう。気落ちしたゴウを誘った名画座は、タイトル前に2人の名をクレジット(The Name above the Title)して2人の愛する映画を上映する。

最後まで読んで「The Name above the Title」という副題に納得し、映画が観たくなる一冊。
作中、キーとなる映画が幾つかあるので、その内の1つでも見ていると、その記憶が刺激されて感動が蘇って来て、より楽しめると思います。

最初は非常に遅々とした話で、どんな展開になるのか見えませんでしたが、ブログが始まったところから一気に面白くなり惹き込まれました。
トントン拍子に事が進むので「そう巧くはいかないぞ」と思うけれど、物語なんだから構いません。
唯一、時系列が前後する箇所があるの、必要もないように感じて、あまり好ませんでした。