• 2016年08月19日登録記事

高橋由太著「ちょんまげ、ちょうだい ぽんぽこもののけ江戸語り」

気軽に読めるラノベ風時代劇。
個人的には、時代劇ファンタジーを期待していたのですが、剣客ものとしても、妖怪変化ものとしても中途半端でした。
タイトルにある「もののけ」は、ほとんど感じられません。妖狸のぽんぽこが作中ずっと存在していますし、その他の姿に変化もしてみせますが、本人に「自分は化け狸である」という意識があるのか否かあやしい上、基本的に少女の姿を保っているせいで、少し変わった娘という雰囲気に留まっていました。
私は会話が成り立たない相手を可愛く感じないので、ぽんぽこに対して可愛さより面倒臭さを感じてしまったのも敗因でしょうか。
妖術は出てくるけれど、こちらは強力で都合が良過ぎる存在になっていました。

主役二人が恋愛関係になく、ベタベタしていないのはとても良かったと思います。