• 2017年05月登録記事

現在地:Chapter09・首脳会談(強くてニューゲーム)
シリーズ記事「FF15 物語を見直す旅」の趣旨は、2017年2月1日記事参照。

首脳会談1

注意:ゲーム本編・映画・アニメネタバレ満載です。
現在FF15プレイ中でネタバレを気にされる方は、進行状況を確認の上、ご自身の判断でお読みください。

首脳会談での台詞は分岐が多いので、逐一取り上げることはしません。
しかし、市民の避難に協力を約束させられた後、会談の終了時に言われる

カメリア
市民の避難に必要な人員は3名
人選は任せる

という、突っ込みどころ満載な宣言は、変更案を考えてみましょう。

「避難に必要な人員」と聞くと、我々はその人員が行う仕事は「避難誘導」や「引率」だろうと想像します。そのため、3人で何人を避難させられるのか不思議に思ってしまいます。また、メルダシオ協会のハンター等に助力を頼めば済む話だとも思ってしまいます。
しかし、途中のやりとりを聞いていると、カメリアがこんなことを語る場合があります(選択肢次第)。

  • 飛空挺に立ち向かえる兵なんて 世界を見回してもなかなかいないわ
  • そんな騒ぎの中 動けるような兵は このアコルドにはいないの

ここから推測するに、カメリアが要求している人員とは、帝国軍の攻撃から市民を守る「護衛役」だとわかります。
つまり、飛空挺に立ち向かえるノクトの側近を貸して欲しい、と言っているわけです。コル将軍ならともかく、ハンターでは意味がありません。
人選と言いつつ人数のせいで選ぶ余地がない点は、カメリアはノクトが連れている3人しか人員がいないとは思わず、この場にいるルシス人の数から、最低限用意できるだろう人数を言ってみたのかもしれません。
そういう考察のニュアンスを加味すると、こんな感じでしょうか。

【変更案】

カメリア
それでは 市民の避難時には護衛として
そちらの3名を貸していただくわ

締結後の台詞なので、この後ノクト1人になると分かれば十分でしょう。

首脳会談

私は首脳会談のイベント自体は、何度も選択を迫られ、どう転ぶのか先が見えない交渉を非常に楽しんだのですが、選んだ選択肢によっては、プレイヤーに認識してもらうべき重要なキーワードが落ちている可能性もあるのでないかなと残念に思います。

なお、会談でノクトが敬語を使わないことを指摘する声もありましたが、私はその点は気にならなかった派です。
この時点では一国の王として外交に臨んでいるので、あまりへりくだる必要はないでしょう。そもそも、王子であるノクトに対し、臣下であるコルや国民のシドニー、ディーノ等が敬語で話さないのだから、なんとも言えません。
「です」「ます」の丁寧語を使うノクトも、見てみたかったですけれどね。実際に目の当たりにしたら笑うかもしれません。

それよりも、もっと重要な赤ペンポイントがあります。

カメリア
若いなと思ってね 王様も 神凪も
レギスが死んで クリスタルも盗られて
神凪の前任がやられてからーー もう何年になる?
帝国は この十数年で どんどんおかしくなってる

なぜこんな言い回しにしたのか、非常に疑問です。

首脳会談3

以前の記事でも「時系列順に語る」ことの重要性は書いたと思います。プレイヤーは、物事は「時系列」で語られると思っています。その大前提に従ってカメリアの台詞を読むと、レギス国王が死んだ後に神凪の前任が死に、その上このシーンまでに何年も経過したと誤解してしまいます。
一番簡単な対処は、カメリアが語る出来事を時系列順に直すことです。

【変更案】

カメリア
若いなと思ってね 王様も 神凪も
神凪の前任がやられてから十数年ーー
レギスが死んで クリスタルも盗られた
帝国は どんどんおかしくなってる

単純に2行目と3行目を入れ替えると4行目の繋がりが悪かったので、「何年になる?」という質問形式のひとりごとは削除しました。
これなら、レギスの死(調印式)からプレイヤーが知らないうちに何年も経過していた!という誤解を避けられるでしょう。


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参考記事

増田俊也著「七帝柔道記」

【あらすじ】
増田俊也は、旧帝大で行われるという寝技至上の特殊な柔道「七帝柔道」に惹かれ、二浪の末、北海道大学柔道部に入部した。だが「練習量が全てを決定する」と言われる七帝柔道の世界では、人としての尊厳を失うような過酷な練習が繰り広げられていた。

文庫で600ページ強という、かなり分厚い一冊。その密度で、入学から2回生の夏までが描かれています。

解説で語られているように、私も「こんな世界が実在するのか!?」と思いつつ読んだのですが、作者の実体験に基づくお話だそうです。
部活モノですが、表紙イラストに描かれているような、明るく爽やかな日々は待っていません。壮絶です。そして進むほど、重苦しく辛い日々になっていく感があります。意識を失ったり、大怪我をするほどの練習を積んでも、試合で奇跡が起こることはなく、結末ですら沢田征次が退部するだろう暗い未来が暗示されています。

しかし苦しみ続けても主人公が退部しなかったのと同じように、強い吸引力があり、一気に読みました。報われることもないのに、爽やかさと達成感もあり、読後感が良かったのは不思議です。

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PSP「幻想水滸伝I&II」の続きで「幻想水滸伝2」を開始。

現在地:ミューズ市陥落
過去にPS版で途中までプレイしたことがあるので、サクサク進めようと思ったのですが、なぜか無駄に歩き回ったりして、早くも7時間経過しました。まあ、ピリカのおつかいでミューズ市に行く段階で、ちょっと頑張って森の村まで行ってみるとか、無駄なことをしていたためです。
幻水2は、プレイ時間が一定以下でないと見られない「時間制限イベント」があったと記憶していますが、108星を集めることには影響しないし、そもそも完璧プレイを目指していないので、気にしないことにします。

冒頭の身を投げるシーンは、もっと劇的だった印象があるのですが、拍子抜けするほどあっさりしていたので、後からイメージで上書きされていたようです。
砦でのお使いイベントなどは、結構覚えていて懐かしかったです。

それにしても、幻水1をプレイする前は気にならなかったけれど、三年前の戦争では一切見せ場のない子供だったアップルが、幻水2になると随分偉そうに振る舞っていたんだなぁとビックリしました。正直、三年前の彼女はマッシュ先生の追っ掛けにしか見えませんでした。それなのにちゃんと意見を聞くんだから、ビクトールもフリックも大人です。
印象が変わったといえば、以前より大人になったせいか、現時点ではジェスをそんなに嫌な奴とは思いませんでした。戦時中ですし、彼の立場からすれば正しいですよね。まあ、ジェスはこの後の行動の方が問題視されているんでしたっけ? 前は再会しないまま終わったので、今後を楽しみしておきます。

戦争時の能力を見ると、シードとクルガンの将才は平凡ですね。フリックやビクトールの方が数値的には強いあたりが面白いと思いました。
しかし防御8及び9という数値が意外と硬いのか、なかなか倒れず、ミューズ市防衛戦で逆にマイクロトフが退却前に撃破されていたのは笑いました(笑)。

「銀河英雄伝説」新アニメプロジェクトがようやく本始動のようです。
http://gineiden-anime.com/index.html

初報は舞台「銀河英雄伝説 第四章後篇」なので、2014年2月。3年3ヶ月も待たされるとは、田中先生の遅筆っぷりがアニメにも影響を……(笑)。

リニューアルされた公式サイトのビジュアルを見る限り、藤崎竜版を踏襲する訳ではなさそうですね。個人的には、安心しました。藤崎竜版の感想は頓挫していますが、良くも悪くもあの「封神演義」を描いた作者のコミカライズという印象があります。
とはいえ、過去にも語っている通り、原作に忠実なアニメは既にあるのだから、違うアプローチをしても構わないとは思います。そもそも田中芳樹先生の作品は、長編構成であるために、導入部は退屈な部分もあると思います。となると、なるべく早期に視聴者を引き付けねば打ち切られてしまうアニメや漫画の場合、やはり展開を独自に考えないといけない部分はあるのでしょう。
でも、2年前も指摘した「あらすじ」が直っていない点は、まさか本当にこの設定でいくのか?と思わされて危惧しています。

「戦争の天才」ラインハルト・フォン・ローエングラムと、「黒髪の魔術師」と呼ばれるヤン・ウェンリーである。 

「常勝」「不敗」という矛と盾のキーワードを入れないなら、単に「魔術師」でもいいのに、なぜ別ベクトルの単語が入るのか不思議です。
らいとすたっふ様、監修をお願いします!

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荒川弘版 漫画「アルスラーン戦記」7巻

これまでの表紙絵に比べると、塗りが明るく感じるアルフリードの表紙です。
特に、暗い色合いのダリューン(2巻)やエラム(4巻)に比べると、光源を背負っているような眩しさを感じます。

7巻は41章から46章まで収録。
ページ数は前巻と変わらないのですが、少し薄く感じました。紙が変わったのかな。
おまけがなかったのは残念でした。

今回は完全にシンドゥラ編ということで、ラジェンドラ王子の、軽薄で信用ならないけれど憎めない感じが生き生きと描かれていて、王子が一層好きになりました。
ナルサスの絵を覗いたジャスワントが放心するなどのオリジナル要素も含めて、結構ギャグが多め。ペシャワールの奇襲で、前進か後退かで右往左往するシンドゥラ軍に揉まれるラジェンドラなんて、コントみたいでした。
基本的な展開は原作通りですが、プラダーラタとの一戦という消化試合にバハードゥルの伏線を織り込むなど、先への展開へ引っ張るのが、連載マンガならではの手法だなと思いました。新年の儀で将兵の代表をバフマンに務めさせるところも、アルスラーンとバフマンの微妙な距離感と、バフマンの矜持や人柄がよく現れていて、原作より濃い描写が多いと思います。
サリーマが早々に登場して、キャラクターを立てて来ているところも、次巻の一騎打ち後の展開に色々加味されそうで楽しみです。

なお、折り返しコメントによると、田中先生が最終巻執筆中とのこと!
「タイタニア」が完結した時に「完結したということ自体が素晴らしい」と思ったのですが、「アルスラーン戦記」第2部も無事完結するなんて、田中先生、どこかで心を入れ替えた模様です。
私も諦めずに、連載を進めねばなりませんね……。