• 2015年07月25日登録記事

宝塚月組公演「1789」も、明日が千秋楽。
観たいけれど、もちろんチケットなんか持っていないし用事もあるので行けませんが、悔しいのでせめてジョルジュ・ジャック・ダントン氏と革命家たちのことくらい語ろうと思います。

革命家チームは、3人1組で見分けが付かないと言われることもあるようですが、ロベスピエールとデムーランの青さに比べると、ダントンはもう少し世間が見えている気がします。
第9場・脱獄後のロナンが、革命家たちに「しょせんあんたらは金持ちのボンボンで〜」と食って掛かったシーンで、デムーランやロベスピエールはロナンの言に真っ向から反論するのに対し、ダントンはただ全員に落ち着こうと諭しているように見えました。だから最終的には激昂するロナンを抑えて、握手の手前まで持っていけたのでないでしょうか。
実のところ、史実でも劇中でも、あの3人の中で本当に金持ちなのはダントンだけだと思うし、台詞も一番享楽的なのですが、その分、人の感情が見えて、懐に巧く入っていけるタイプなのだろうと思います。
デムーランは素直で良い奴だけれど、それは自分の発言で傷付く人がいる可能性なんて考えたこともない無頓着な屈託のなさでもあり、ロベスピエールはどこか正論第一っぽい生真面目さがあって、付き合いやすくはない。そんな印象です。

それだけに、あの人がモテないという設定は変だと思います。
あれだけ人の気持ちがわかって、優しくて、でもどこか庇護欲を擽り、学はあるけれどジョークも飛ばすし、兄の革命かぶれを嘲笑ったソレーヌが思い直すくらい情熱もあり、金持ちで、好きな女に貢ぐことを厭わない男が、なぜ振られちゃうんですかねぇ。
やっぱり、本当は妻がいるからか?(笑)