- 分類読書感想
菊間千乃著「私が弁護士になるまで」「私がアナウンサー」
元フジテレビアナウンサーの手記。
発行順は「私がアナウンサー」→「私が弁護士になるまで」ですが、私が読んだ順番が逆なので、本記事でも読んだ順番通りに語りたいと思います。
2冊とも、本人写真が大きく掲載された表紙ですが、元フジテレビアナウンサー・菊間千乃という存在をまったく記憶していなかったので、有名人本という意識はありませんでした。
「私が弁護士になるまで」の未成年タレントとの飲酒問題を語るくだりで、「そういえばそんな報道があった」と思い出したくらいです。その前に起こった転落事故に関しては、まったく知りませんでした。
「私が弁護士になるまで」は、32歳でロースクールに入学し、退職して司法試験に挑み、2度目に合格。弁護士事務所で勤め始めるまでの経緯を語る内容。
将来は見えないまま、とにかく勉強する受験者たちの姿に圧倒されました。いかに効率良く猛勉強するか、を語っているだけなのに、面白かったです。ここまで本気で勉強できるというところに感心します。
最後は努力が報われる上、友達と支え合う姿、理想とする弁護士像についてなど、美しくまとまった一冊だと思います。
「私がアナウンサー」は、女子アナウンサー時代に起きた生放送中の転落事故と、復帰までを語る内容。当時の報道、医療記録、証言、自身の日記、インタビュー等から再検証して語っているので、ややルポルタージュ風と言えます。
下手な医者で不快な思いをした話なども赤裸々に書かれていて、「弁護士」よりも一段若い素顔が覗けます。
悪気は一切ないけれど、負けん気と我が強い女性なのだろうな、と感じさせる“地”が滲み出る2冊で、なかなか面白かったです。