• 2013年02月登録記事

五十音順キャラクター・ショートショート【ま】
→ルールは2012年12月17日記事参照


「まったく、あなたという人は」

 彼がそう言うのを、何回も聞いた。
 声の調子は、呆れていたり、怒っていたり、その時々で違っていたけれど、なんにせよ言われて嬉しい言葉じゃない。
 だから大抵の場合、彼がそう言った後はあたしもムッとして喧嘩になる。お勉強はできても人の気持ちは学習しない彼と、意地っ張りなあたしの、いつものパターン。
 でも――

「まったく、あなたという人は……」

 彼はそう呟き、少し顔を背けて眼鏡を押さえた。それは顔を隠すためのポーズだと分かっていたけれど、あたしは何も言わなかった。
 お互いに真っ赤な顔を、見られたくなかったから。

 こんなに優しく言われるなら、何回聞いても良いかもしれない。

まったく、あなたという人は!
……マルローネ(ゲーム「マリーのアトリエ」)


クライスとマリーが纏まるとしたら、結局はマリーの方が自覚してアタックしない限り無理だと思っています。だって、クライスはもう自覚してるし充分行動もしていて、彼の性格的にはあれ以上できないわけです。

でもって、個人的には、マリーにはもっと包容力のある男性の方がお似合いかも、とも思ったりします。ごめん、クライス。

「フロンティアゲート ブーストプラス」(以下「FGB+」)体験版を遊びました。
http://www.konami.jp/gs/game/frontiergate/
※評価対象はソロプレイ限定です。

アクション音痴万歳! コマンド式戦略狩りゲー

アクションが苦手なので、マルチプレイ対応の狩りゲーはなかなか購入に至らないのですが、本作はなんとマルチ対応なのにコマンド方式のRPG。
「戦意」という要素がコマンドの手数に直結していて、パーティの戦意を高く、敵の戦意を低くすることを意識する戦略要素があり、更に技同士の繋がりもあるなど、色々要素は深そうなのですが、ある程度適当でもなんとかなる難易度が良い感じです。
体験版では、エミリオだけフロンティアLv.3になり、基礎APが1増えました。そうすると、繋げる技のバリエーションが広がって、戦闘が面白くなりました。
パネル登録できる技自体の数がもっと多ければ、色々戦闘ごとに違う技を楽しめそうでした。

世界観に合ったビジュアル調整

キャラクター作成時に、顔や髪型で好みのパーツが揃っていて良いな、と思いました。世界観から浮かない、品のあるビジュアルです。
但し、PSPo2iほど痒いところに手が届かないのが残念。眼の色や肌の色はそれぞれのパーツと連動しているため、変更できないのです。装備も分類が細かく、色々な種類があって楽しいのですが、こちらも色合いが固定のため、似合う組み合わせは決まっている感じでした。
良いと感じたのは、ボイス選択で、その声の性格設定が明記されている点。声質で選んだ後に台詞を聞いてミスった!と思う事があるので、他のゲームでもこれは参考にして欲しいです。

素材貧乏暮らしに泣く

FGB+の武器や防具は、ほとんど性能差がなく、鍛冶屋で好きなモノを鍛えていく方式。PSPo2iとはまた違う形で、装備のビジュアルと数値を別扱いしている訳ですね。
鍛冶屋の利用には、モンスターから手に入る素材が必要。その上、仲間の装備もプレイヤーが整えてやらねばならないので、あっという間に素材がなくなります。お金だけでなく素材まで考えて依頼をこなしていく必要があり、貧乏暮らしに泣けました。
仲間たちの着せ替えも楽しめるといえばそうなのだけれど、1人の冒険者なのだから、仲間たちの装備品くらい自分で整えて欲しいものです。

フロンティアを開拓していく、というタイトル通りの冒険への期待感。
時々マップをうろついている、異常に強い敵に襲われた時のヒヤっとした気持ち。
前述の素材や金策、更に仲間のレベルを上げる為に同じ依頼を何度も繰り返すことや、敵がタフで1回の戦闘に時間が掛かる面倒さ。
そういった冒険の楽しさと緊張感と退屈さを全部ひっくるめて、冒険している感のあるゲームだと感じました。

ちなみにこの体験版、終わりがハッキリしません。
依頼を特定回数こなすことがイベント進行のキーになっているようなので、何度か行ったり来たりして、新しい依頼や町中のイベントが発生しないので、エミリオだけフロンティアLv.3になる所までかな?と判断しましたが、実はもっと遊べるのかも……。

今日はこの舞台を観に行くつもりでした。

MOZART

フィリップ・マッキンリー自身の演出で、モーツァルトとサリエリを山本耕史と中川晃教が二人が交互に演じるという、尖ったものを感じる公演。
去年から楽しみにしていました。
……まさかの、インフルエンザ欠席です。
2013年一番の見逃して悔しい公演は、チケットが取れなかった1月の「ダディ・ロング・レッグス」と思っていたけれど、チケットがあったのに行けなくなった本作で決定です!

五十音順キャラクター・ショートショート【ほ】
→ルールは2012年12月17日記事参照


 本気か?
 ホークはまずそう疑い、その瞳に決意の輝きがあることを確認すると、次に正気を疑った。
 小さく華奢な少女だった。
 場違いなフリル付きの衣装に身を包み、ミスマッチな乗馬鞭を手にしている。
 その少女が、戦闘班に志願するだけでなく、長の座を賭けてホークに挑むというのだ。とんでもない馬鹿か、頭がイカれているかに違いない。いかに人材不足とは言え、そんな少女を部下にしなければならないのか。
 ホークは緩く頭を振った。
 工作班に振り分けられた連れの男は、多少剣を使うようだから、せめて二人を入れ替えて欲しいところだ。
 そう思ったホークがふと視線を向けると、その男は巨大な応援旗を掲げて声をあげたところだった。
「アリスちゃん!君の王子、デクスが付いてるからね!」
 旗に書かれたLOVEの字が翻る。
 可愛い、最高だ、と狂ったラッパのように言葉を続ける彼の様子に、ホークと少女の考えは初めて一致した。
「うざーい」
 やはり、二人とも戦闘班には入らないで欲しい。
 そう思いを改めると、ホークは遂に剣を手にした。
 少女だって、血生臭い戦いの場に出るより、色仕掛けでもしている方が、余程似合うだろう。つまりこれは親切というものだ。
 ホークが戦うつもりになったのを察したか、少女も目を細めた。
「さぁ、かかってらっしゃい♥」

 結果――負けました。

本気の彼女はマジ強い
……ホーク(ゲーム「テイルズオブシンフォニア ラタトスクの騎士」)


ヴァンガードは、ブルート総帥とアリス&デクスの印象が強過ぎて、ホークの存在感がなかったなぁと思います。

五十音順キャラクター・ショートショート【へ】
→ルールは2012年12月17日記事参照


「陛下」
 弟をそう呼び、膝を着き、頭を垂れた。
 それが国に帰るにあたり、俺が下した決断だった。
 元々、王位なぞ欲しくはない。王は国民の奴隷だ。俺はあの日、樽の中から這い出て自由を手に入れたあの時、もう二度と誰かの奴隷にはなるまいと決めていた。
 だが、王位に手をつけてそれを捨てる行為は、余人には理解し難いらしい。ことに、兄が弟を殺し、弟が兄を害すこの国の歴史を知る者や、誰にも敬意を見せなかった俺の子供時代を知る者ほど驚愕は激しかった。
 驚かなかったのは俺自身と、弟と、彼だけ。
 つまり、俺を最も良く理解する子分たちは、少しだけ寂しさを加えた静かな微笑みで頷いた。

ヘンリーの帰還
……ヘンリー(ゲーム「ドラゴンクエスト5」)


苦難の時代はあったけれど、最終的に主君(弟)がいて、親友がいて、妻子がいるヘンリーの充実っぷりは凄いですね。
ただこの人、ゲームだと王宮で暮らしてる訳ですが、仕事してる様子もないし、果たしてどういう身分に収まったのですかね。
王兄で後に皇太子の実父なんて、好きなだけ国政に関与できる立場だけれど、あえてブラブラしている水戸黄門みたいなヘンリーというのも、面白そうかな。
だったら主人公に同行してよ、というお叱りは承知の上で。

王族ネタが2作続いたので、次はもう少し軽い感じでいこうと思います。