• 2013年03月登録記事

五十音順キャラクター・ショートショート【や】
→ルールは2012年12月17日記事参照


 八咫烏は、羽を広げて空を飛ぶ。
 王を先導し、彼の王国を広げるために。

 八田美咲は、金属バッドを片手に飛び込んだ。
 心の昂りに呼応して炎を纏ったそれを思い切り振り、手近な奴から殴り倒す。遅れてやって来た仲間たちが加勢する頃には、三歩前に進んでいる。
 仲間たちの後ろに在る王の気配を察して、美咲は武器を振るいながら笑った。
 美咲が王の背を見ることはない。王の進む道を整えることが、吠舞羅の斬り込み隊長ヤタガラスの役目だった。

 八咫烏は空を飛ぶ。
 ――その後ろに王がいる限り。

ヤタガラス
……八田美咲(アニメ「K」)


さて、それでは王様をなくしたヤタガラスは空を飛ぶでしょうか?
……私が書くと、美咲も性格異常者っぽくなりますね(苦笑)。

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PSゲームアーカイブス「FAVORITE DEAR -純白の預言者-」を始めました。
→フェイバリットディア-純白の預言者- ソフトウェアカタログ

残念ながら、前作「円環の物語」クリアデータは引き継げませんでした。アーカイブスではダメなのかな?
そして、開始後3分でいきなりバグりました。フリーズです。
反射的にPSP本体をスリープさせたところ、画面は消えたのですが、本体は緑のランプが点灯したまま稼働音をさせていて、その後、再起動も電源を切ることもできなくなってしまいました。
仕方なくそのまま放置で電池切れさせたところ、問題解決。
しかし、本体に問題を及ぼしたかと思い、一時はヒヤッとさせられました。

パートナー妖精はアクイラ。
妖精1人では手が足りず、日の経過にあわせて1人ずつ増やしていったら、結局8人全員雇っていました。
というのも、全体的に、前作(円環の物語)よりストレスの溜まり方が早いので、4人1組として探索と休養(待機)をローテーションさせたのですが、全然勇者も事件も見付からないのです。
後から学習した印象だと、勇者は決まった地方を探索するのが絶対条件として、事件の方は地図で混乱度が高まったところへピンポイント派遣した方が効率的なようです。
それが飲み込めてからは、アクイラ、ローザ、レーパス、フロリンダの4人体制で、全員を基本待機させ、必要に応じて前者2人を探索、後者2人を勇者の同行で使うことにしました。

開始してゲーム中時間で1ヶ月もしない内に、いきなり勇者候補の1人フェインが死亡したため、管理勇者は残りの6人。どうやら前作と異なり、1周で全勇者が使えるように調整されているようなので、顔も見ないままフェインをロストしたのは惜しかったですね。
それ以外は、それなりに同行イベントも起こして巧く進められていると思います。

前作からの大きな変更点としては、リアルタイムSLGに変わりました。とても良い変更点だと思います。
勇者たちが時間単位で行動しているので、クライブだけ夜型だったり、ルディは朝夕2回休息するのんびり屋だったり、という性格が見えてくるのが面白いです。

前作で気になったところは、概ね改められています。セーブ/ロードが普通の速度でできることに感動しました。
が、UIは相変わらず悪いです。
特に、画面によって名前表記がカタカナの場合と英語の場合とあり、誰だっけ?と思ってしまうのが地味なストレスでした。

地図が地域ごとに分割されたのは面倒だけれど、シナリオに応じて国境がどんどん変わっていくのは、世界情勢が見えて面白いな、と思いました。
ただし、勇者や事件のアイコンは時々見難くなりますね。

また、妖精への指示出し時に現在のストレス状態が表示されなくなったので、前作では全然見なかったステータス確認を頻繁にさせられます。幸い、読み込みは早くなっているのですが……どうして悪い点を増やして良くなった点を相殺してしまったんだろう。

アレクサンドル・デュマ著「モンテ=クリスト伯」(岩波文庫/山内義雄訳)

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
純真な航海士ダンテスは、友人等に陥れられ冤罪で牢獄に繋がれる。牢獄で知り合った神父からモンテ=クリスト島に隠された財宝を託された彼は、14年の後に脱獄し、島の財宝を使って伯爵を名乗るようになる。そして自分を陥れ、名士に成り上がっていた友人等に復讐を果たす。その後、恩人の遺児に希望と財産を残し旅立っていく。

全七巻。
次回宙組本公演の予習として、短縮版ではなく完訳本を選択しました。
長くて飽きるかと思いきや、読み始めたらグイグイ惹き付けられ、さすが「名著」の呼び声高い作品だと思いました。敢えていうなら、フランツ視点の下りは停滞気味なので、もっと短縮しても良いように思いました。

最初の2巻では、ダンテスがいかに陥れられ、そこから脱出するかを描き、主に4巻以降から知力と財力を駆使した華麗な復讐劇が始まります。伯爵の周到な準備と、相手を囲い込み追い詰めていく描写が素晴らしく、どうやって復讐していくのか推理しつつワクワクしながら読み進めました。
反面、終盤に訪れる伯爵の心境の変化は、うまく飲み込めませんでした。
ヴィルフォールへの復讐の過程で、元々は罪のない娘ヴァランティーヌが殺害されるよう仕組んでいたくらいなのに、その復讐の結果で幼い息子エドゥワールが死んだことに動揺するのは、今更では?と思ってしまったのです。
そのくせ、伯爵自身は神父の論文を得て直ぐ罪の意識を昇華させてしまうので、読み手である私の方がなんだか消化不良でした。

個人的に、復讐相手3人の内ヴィルフォールには同情を感じました。一番死人が出たのもこの家ですしね。勿論、彼は保身の為にダンテスを政治犯にしたのですから、最も激しく復讐されるのは致し方なしですが、妻に死刑を宣告する苦悩、ベネデットから不義密通を告発されてその場で認めるある種の潔さなど、興味深い人物でした。
それと、可哀想なのはメルセデス。息子アルベールは生き延びて人間的成長もできたけれど、非のないメルセデスが理不尽な目にあって不幸なまま、未来の救いも期待できず終わってしまうのが可哀想でした。でも、この流れでダンテスと結ばれても幸福はなかったでしょうし、とにかく運の悪い女性だったというしかないのかなぁ。
映画やミュージカルなど、ダンテスがメルセデスと結ばれる結末に改変したモノもありますが、メルセデスの立場で考えたら、婚約者の下に帰る為にこれほどの犠牲が払われたと思うと、心から幸せにはなれないでしょう。

ところで、ヴァランティーヌの偽装死は、明らかに「ロミオとジュリエット」のオマージュですよね。
それだけに、マクシミリアンにヴァランティーヌが生きてる事を教えてやらない伯爵に焦れました。もし彼が1ヶ月の間に自死していたら、伯爵は最後、幸せな船出は出来なかったはず。
伯爵はマクシミリアンたちを救ったかも知れないけれど、それ以上に彼の信頼に救われたのだと私は思います。

「ゴッドイーター バースト」(以下「GEB」)体験版を遊びました。
http://www.godeater.jp/geb/
※評価対象はソロプレイ限定です。

完全新規タイトルでありながら60万本を出荷した「ゴッドイーター」のアペンド版。
前回のFGB+もそうでしたが、こういう前作に+αしたソフト、最近多いですね。

物語の求心力

このところ遊んでいる狩りゲー体験版はどれも大容量ですが、GBE体験版は、遊んでいる途中何度も「まだ遊べていいの?」と何度も思いました。
この感覚の違いは、「物語」が大きく関わっていると思います。ストーリークエストの「起」が終わって「承」に差し掛かったところまで遊ばせて貰えるのです。
FGB+もプレイ時間は長かったけれど、メインのお話が進んでいる印象はありませんでした。LoApやPSPo2は、そもそもストーリーと無関係にフリーMISSIONを繰り返す形で楽しんでいました。
この違いは、GBEがシナリオ重視の狩りゲーであることを示していると思います。
狩りゲーという観点からすれば、MISSIONを繰り返し遊べる楽しさがあるだけでも良いと思います。しかしGBEには、お話の続きを知る為に先に進めたくなる、という要素も感じました。

アニメ風キャラクターで可愛さ勝負

GBEはアニメ風のデザインで、どんなパーツを選んでも確実に可愛いキャラを作れるのが特徴だと感じました。
その代わり細かい自由は利かず、眼の色は顔と連動してるため変更不能。髪色も決められた中から選択する方式です。でも、髪色は選びそうな色が大体フォローされているので、不満には感じませんでした。
凝っているのはボイス。状況に応じた台詞を確認できるのがなかなか良い工夫だと思いました。更にバリエーションが豊かで、「ロリババア」まで完備しているのは脱帽です。折角だから、ゲームのイベント中もこの選択した性格に合わせて喋って欲しかったですね。
衣装はPSPo2i同様、防具とは別に指定。神機と装甲(盾)は実装備依存。神機は大型なので、少し見栄えが気になります。でも取り敢えず衣装が防具と別設定なのは嬉しいです。また、上下の衣装系統を揃えないとチグハグな組み合わせになってしまうゲームが多い中、違う系統で組み合わせてもそれなりにマッチするのが嬉しかったです。

スタイリッシュアクションと、慣れが命の操作性

戦闘システムは、これまで遊んだ狩りゲーと違い、アクション性が高く、プレイヤースキルが要求されるものでした。
なんせ、PCにはレベルがないので、自分の腕と装備品を鍛えていくしかないのです。
スピーディーな攻撃の切り替えや、空中で華麗にコンボを叩き込むなど、かなりスタイリッシュ。やれることが多い分、操作も結構複雑です。
私が最もスムーズにできないのが、同時ボタン操作。特にガード(R+○)です。
序盤はガードするつもりが、武器形態の切り替え(R)になってしまう事が多々ありました。最近は、そもそも接近戦闘中に敵の動きをじっくり見る余裕がない自分に気付いたので、最初からガードを諦めて、ヒット&アウェイ主体に切り替えています。でも複数体のアラガミが相手だと、なかなか離脱もさせて貰えないのが厳しいです。

ハードでグロい世界

キャラクターは可愛いのですが、世界観は終末的。そもそも主人公の扱う武器は生体武器で、戦闘中に敵を「捕喰」して強化するなど、グロ要素もあります。
ただ、前述の通りあくまでスタイリッシュな作風のため、生々しさは薄め。その御陰で、グロ耐性の低い私でも、なんとかプレイはできました。

個人的にはもう少しRPG寄りなら、と感じる文句なしに「買い」の一本でした。
しかし、1人だと体験版で遊べる以上の難易度は挫折しそうです。

……と言っていたら、友人が「VITA版買うから、マルチプレイで遊ぼう」と誘ってくれたので、買ってしまいました。
さて、どうなることでしょうか!