ジグとファズの関係を理解しようとしたら、こうなりました。
【注意!】終盤のネタバレを含みます。
「どんなに憎んでも、ジグなら許してくれるような気がしていた」
「……なめられたもんだ」
どう反応したらいいか、ジグにはわからなかった。
何者をも許すような聖人君子でないことは、ファズが一番よく知っている。鈍感だから傷付かないと馬鹿にされているのなら、今こそ怒るべきだろうか。
ふざけるなよ、と心の中で呟き、腹に力を入れる。
だが——
ファズはいつでも正しい。
確かに、ジグはファズから恨みをぶつけられ、戸惑いもしたし、苦しんだが、憎み返すことはできなかった。それどころか、自分を恨むことで頼っていたのだと、あのファズの甘えを知って、今は喜んですらいる。
気を抜くと笑顔になってしまいそうな自分を叱咤し、ジグは瓦礫を持ち上げることに専念した。
ジグもファズもお互いを好きすぎる…。