葵せきな著「碧陽学園生徒会議事録 生徒会の一存」
【あらすじ】
人気投票で選ばれた美少女揃いの生徒会に、特待枠で入り込んだ唯一の男子生徒・杉崎鍵。生徒会メンバーをハーレム要員と公言する杉崎と美少女たちが議論したり遊んだりしている日々。
http://www.fujimishobo.co.jp/sp/200904seitokai/
ほぼ全編通して、5人の登場人物が駄弁っているだけの短編連作。
最初と終盤に、今後の伏線のような謎のエピソードが挿入されているのですが、この巻ではなにも起こりません。もしかすると、2巻以降でもなにも起こらないのかもしれない。そういう感じです。
作者による「4コマ小説」という説明は、確かに「日常系」と呼ばれる漫画のスタイルをそのまま小説の体裁に落とし込んだ感じで、なるほどと頷きました。
ギャグ小説というには、声に出して笑うほど面白い印象は受けなかったけれど、軽く読んで時間潰しになるという意味では正しく「ライトノベル」な作品だと思いました。
ギャルゲーのハーレムEDを望む主人公・杉崎鍵の人となりは、結構好きかも知れません。
2話「怪談する生徒会」は会長を揶揄いつつ、杉崎が巧く収めるオチが良かったです。杉崎の現在の人格が形成されるに至った過去が簡単に説明される最終話「振り返る生徒会」も、同様。逆に、3話の「放送する生徒会」などは、ハイテンションすぎるノリについていけませんでした。この辺の好みは、年齢のせいかしら。