• 2014年05月16日登録記事

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ゲームアーカイブス「黒の剣 Blade of the darkness」を始めました。
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現在地:首都バルクルーサ(カイエス編)

本作は「シナリオが良い」と局地的に絶賛されたPC-98用ゲーム、のPS移植版、のダウンロード配信版です。

スクリーンショットを見ると、一見、移植のためコンシューマー向けにしたアダルトゲーム作品に見えます。私も長年そう思っていたのですが、実はアダルトゲームメーカーが作った一般向けゲームなんですね。

今のところ、かなり面白いです。
シノブ編は、首都バルクルーサに到着した後、どう行動したら良いのかフラグ立てが分からず困る局面がありましたが、最後に不安と謎を掻き立てる展開が起こり、先が気になったところでカイエス視点に戻る展開が巧いですね。
更にその後、港町に着いて「ああ、ここに繋がっていたのか!」と気付いた瞬間から、すっかり物語に引き込まれてしまいました。
その後も、シノブ編を経ているために、カイエスとプレイヤーの当面の目的意識が合致している気がします。

1本道シナリオですが、道が繋がっている箇所はいつでも行けるようです。
シノブと合流してから行くと思われる温泉町も、この段階で通行証を取り替えれば行くことは可能でした。もっとも、町の入り口を兵士が封鎖中のため、中には入れないし、雑魚が強くて帰り道で全滅したのですが。

難易度は、理不尽とは言わないけれど、敵が強めの調整であることは確かです。
NEW GAMEすると始まるシノブ編では、町を出て最初に出会った雑魚戦でいきなり死亡して、オープニングからやり直しになりました。
移動中にHP・MPが回復するため、魔法やスキルを惜しみなく使っていくバランスになっているようです。
一応、自分は前知識を持って遊んでいることもあり、この辺の尖り方は、逆にレトロゲームを遊んでいるという実感で愉しみに変換可能でした。昨今のゲームは、多重の意味で「やさしい」ことも実感できました。

システム面や一枚絵以外のグラフィックは、スーパーファミコンの初期作品という印象。
TV画面でのプレイを想定しているためか、イベントシーンの字幕は小さいです。ただ、音声が意外と入っているので、音を出せる環境であれば、字幕は見なくても問題ないでしょう。
全滅頻度の高さを考えると、イベントスキップができないのは不便ですが、その代わりどこでもセーブが可能なので、ある程度許容できます。

物語は、難破船に乗っていた少女シノブが目覚めたところから開始。
背に負った黒鞘の剣を託す剣士を探して首都バルクルーサへ赴くも、遺跡から「発掘」された、自分と同じ黒髪の少女と対面し、ホルマリン漬けのような状態の彼女から「我が子孫よ、我に命を与えよ」と呼びかけられる。

——というシノブ編の展開は、カイエスが呪い師の魔鏡を通して見た光景だったようです。オープニングの後突然シノブ編が始まったことに疑問を抱いていたのですが、こういう構造だったんですね。
その後は、魔鏡に映った行くべき道=シノブを追って、カイエスも首都へ向かいます。……彼自身はなにも口にしないので分からないけれど、シノブの身になにが起きたのか知り、必要とあらば彼女を助けるためですよね。
少し遅れて追い掛けている図なので、そこかしこで、シノブの痕跡を感じるのが面白いです。
この国では、騎士団が腐敗している様子や、先住民を追い出したらしい過去などの暗さ、貴族は高いところに住みたがる(低い土地を嫌う)などの謎が満載で、かなり深い物語が期待できそうです。