• 2014年10月登録記事

中村航著「トリガール!」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
工業大学1年生の鳥山ゆきなは、鳥人間コンテストに「二人乗り人力飛行機」で出場するサークルT.S.L.に参加する。1stパイロットの怪我のため、2ndパイロットになったゆきなは、訓練を重ね、遂に本番当日「機体のエンジン」として、全員の夢と共に空を飛ぶ。

さらっと読める爽やかな青春小説でした。
主人公視点でかなり軽い文体のため、全体的に若々しく、思い悩むよりも勢い重視で飛び込んでいく感じ。
「鳥人間コンテスト」の舞台裏を描いているのですが、機体作りの作業もある程度描かれているし、みんなが個別の作業を進めることで1つのプロジェクトを完成させるのは、正に「気持ちいいー」。その心地よさを擬似的に味わえます。
トレーニングの描写等はなかなかリアルでしたが、実際に女子でプロペラを回す出力が出せるのかしら。個人的には、人力プロペラ機より滑空機で飛んでみたいです。

鋼鉄城の三博士

現在地:鋼鉄城

囚われの姫君ならぬホテイ丸を助けるべく、鋼鉄城へ侵入中です。デューク・ペペとは2回分連戦しましたが、技力が減少する罠を踏んだので、一旦地上に戻りました。トラップ床を防ぐ術「清水」の存在を忘れていましたよ。
卍丸たちに負けることで人間の姿への未練を捨て、体の改造を進めていくペペは、初登場時からは予想も付かないくらい凄いキャラクターになりました。
少しだけセリフを抜粋させてください。

ところでね 頼みがあるんだよ 卍丸
ご覧の通り 俺は 博士たちに
腕を中心に 体を 戦闘用に
改造してもらった!
だが こんなもんじゃ おまえたち
火の勇者の 化物じみた力には
通用しない! わかっているよ…
俺は まだ 甘いんだ!
どこかで 人間の姿に 未練が
残っているに ちがいない…
俺を もっと いじめてくれ!
グチャグチャに してくれ!
人間を捨てられるようにな!!

改造速度が早過ぎるせいで、半分くらいギャグっぽさも感じるけれど、気が重く、物哀しくなります。
卍丸が、仲間である根の一族を倒して喜んでいる辺りなど、もう執着が変な方向性に行っていて、笑い飛ばせません。

暗黒ランを伐った後の土地で、色々とイベントが起こるという展開は新しいですね。
それに、ホテイ丸がこんなに長い期間同行することも、予想外でした。ダンジョンにも付いてくるなんて、度胸がありすぎです。そのせいで捕まってしまったわけですが、超重要乗り物「速鳥」を作れたのはホテイ丸が同行していたお陰なのだし、今回の冒険では、一番の功労者だと思います。
敵である根の一族と、外国人であるホテイ丸の身を張った格好良さに痺れる反面、姫路の殿様と配下には、「掌返し」という言葉のお手本のような言動を見せてもらいました。
自力で根の一族に勝てると思っている間は火の勇者を馬鹿にしていたのに、軍勢が壊滅した途端、卍丸頼りになるので、見捨てても良いかな、と少し思ってしまいましたよ。

そういえば、エビス丸は本当に亡くなってしまったのでしょうか?
火の勇者が津波ごときで死ぬはずなく、むしろ漂流によって行動範囲が広がり助かったのですが、エビス丸を巻き込んだことは申し訳なく思います。知り合った直後で、まだどういう人物か分かってもいなかったのに……
一緒に漂流したホテイ丸はピンピンしているので、余計にやるせなくなります。

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「ステラおばさんのクッキー」の60分間クッキー食べ放題「クッキーバイキングカフェ」に行ってみました。
http://www.auntstella.co.jp/esolaikebukuro_open-2/

ドリンク1杯付き、クッキー食べ放題。
入れ替えも含めて、17種ほど食べられました。
本当にクッキーしかないのですが、サクサクしていたりホッコリしていたりと、味も食感も異なって、意外と飽きません。さすが、クッキー専門店。侮れない美味しさです。

クッキーを入れる籠が小さいため、取りに行っては食べるという行動を繰り返したせいか、60分という時間設定は結構忙しなく感じました。原材料は突き詰めれば小麦粉とバターなので、ちょっと胃もたれもしました。
食べ放題で急いで詰め込むより、適切な量をゆっくり頂く方が自分の好みには合っていましたが、自分で買う場合は食べないような味も試すことが出来て、その点は面白かったです。
例えば、私はパンプキン系のクッキーは買ったことがなかったのですが、美味しかったので、自宅用に買って帰ろうかな、と思いました。
……まぁ、終了する頃には「一ヶ月分のクッキーを食べた!」という気持ちになったので、結局買わなかったのですが。

伊坂幸太郎著「SOSの猿」
http://www.chuko.co.jp/special/sos_bunko/

【あらすじ】
副業で悪魔祓いをしている遠藤二郎は、知人から引き蘢りの息子を診て欲しいと頼まれ、青年と会う。青年は自分を「西遊記」に登場する孫悟空だと言い、その証明として未来を語り出す。

「私の話」の話の冒頭を読んで、現代日本人が半信半疑で悪魔祓いをやっているという設定が面白いと思って読み始めたのですが、なんだこれは、と疑問符を付けながらの読書になりました。
現代日本を舞台にしているのに、なぜか「西遊記」の妖怪が登場し、怪異が発生するエピソードが入ってくるのです。
その後、合間に挿入される「猿の話」の仕掛けが分かり、遠藤二郎と五十嵐真が出逢って話が一本化された時はなるほどと思ったのですが、結局その後も、現実と幻想が入り交じった展開が起こるので、なにが事実か分からず、非常に消耗しました。
妖怪がいる世界という設定で描かれているなら、私はそれでも構わないのですが、そういう設定自体が曖昧で、結局どういう話だったのか、なんとも表現できません。読み手に考えさせるにしても、果たして「答え」が設定されているのか疑問です。
ただ、「西遊記」を読み直したくなったので、「西遊記」紹介本としては面白かったです。

主人公を筆頭とする登場人物全員が、私には理解できませんでした。
彼らはみな本当に心が優しいのかもしれないけれど、半年以上も同じことを悩み続けたりする繊細さも、「もしかしたら死体があるかもしれない」という眉唾情報だけで、他人の家に勝手に上がり込む神経も、少し変だと思うのでした。

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「ロコロコ ミッドナイトカーニバル 体験版」
http://www.jp.playstation.com/scej/title/locoroco/mc/(音量注意)

「ロコロコ2」がとても良かったので、最新作はどんな感じなのか知りたくなり、30分ほど遊んでみました。
この体験版では「チャポワール1」と「ブイブイのとりで1」が遊べます。また、練習場も使えます。
各種レビューで「高難易度」とあったので少し緊張しましたが、そこまで絶望的な印象はありませんでした。もちろん、こんな序盤の2ステージを遊んだだけで判断するのは早計ですけれど。

驚いたことに、本作は「ロコロコ2」とはまったく別ゲームでした。
L/Rボタンしか使わないという基本操作や、ロコロコたちの愛らしさに変わりはないのですが、ゲーム性が異なります。
その違いを生む最大の要素は、メインアクションが「転がる」から「ジャンプ」に変わったこと。そしてジャンプを続けるとスコアが上がるという仕様です。結果、ゴールまでいかにジャンプし続け、且つ短時間でピコリを回収しつつゴールを目指すか、というスコア競いゲームになっていました。
1ステージのロコロコ総数は6、プレイ時間は2分30秒程度と、大変短いことからも、そのゲーム性の違いが伺えます。
これはこれで面白いけれど、ほのぼのと癒されながら遊ぶゲームではありません。そういう意味では、確かにアクション難易度が高いと言えます。
特に、セーブデータに「やられちゃったかず」というカウントがあるので、失敗を楽しむことができない点も気になりました。

その他の変更点として、ベストレコードがステージ選択画面で確認できたり、分裂から合体へ自動的に移行するようになったり、ゴールに着くと即クリアになったりと、全体的にはストレスを軽減する変更がされています。
これらは、すべて「サクサク感」に繋がり、それ自体は良いことなのですが、「ロコロコ2」のゆったり探索する面白さとはやはり違うと感じるのでした。