田中ロミオ著「人類は衰退しました」全9巻
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【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
人類は衰退し、地球は、面白可笑しく生きることが大好きな不思議生物「妖精さん」が支配する土地になり、人間と妖精さんたちは、非日常な日常を過ごしている。
イラストがとてもリリカルで可愛く、根は善良だけれどお気楽で無能な主人公の日常系かと思いきや……というお話。
ということで、途中までは、不思議生物な妖精さんと、それに振り回されたり掌の上で巧いこと転がしたりする「私」の非日常な日常小説だと思って読んでいたので、最終巻で怒濤のSF展開に唖然としました。
単品では、無人島で鬱病妖精さんたちの国の女王になってしまうエピソードが面白かったです。
全体的には「AURA」と同じ作者だと思えないくらいカラーが違う作品で、面白いものだと思いました。と言いつつ、5巻で明かされる「私」が学校で孤立していた時期の描写は、やっぱり「AURA」の作者だったと思ったのですが。
なお、最終巻(2014年6月発行)の後書きで、田中芳樹先生の遅筆っぷりを揶揄しているのですが、前月(2014年5月)に「アルスラーン戦記」14巻が出ているからですね。
「アルスラーン戦記」13巻と14巻の間が6年。「人類は衰退しました」8巻と9巻の間が1年。うん、確かに芳樹先生は大物です。