- 分類読書感想
米原万里著「真夜中の太陽」「ガセネッタ&シモネッタ」
ロシア通訳という視点から見た国際間の落差をネタとしたエッセイ。
時事ネタが多いのですが、タイムラグが気にならないほど非常に聡明で分かりやすい語り。ただ、ほぼ9割方政治批判なので、全般的にユーモアは不足していて、真面目な内容が多いです。
故国を愛するが故の舌鋒鋭さ自体には、唸らされましたが、哀しくもなったり。
私も、これだけ強く生きられるような人間でありたいとは思いましたが……。
ということで、もう一作「ガセネッタ&シモネッタ」を読んでみました。
こちらは、通訳業の中での出来事を主に描いており、文化や各言語の違いから起こる笑い話が中心で面白かったです。
喜多嶋隆著「きみは心にジーンズをはいて」
「きみがハイヒールをぬいだ日」(2015年8月20日記事参照)の続編。
今回も主人公・凛は負けなし。
とはいえ、こういう作品だということは分かっていますし、公開プレゼンという形で競合相手の案と比べると、確かに彼女のコピーが良いと思えるから問題ありません。
ただ、凛の作る作品がパターン化してきているので、今後、他のクリエイターに模倣される可能性があるのでは、と思っています。
なお、今回のタイトルは本編から来ていることが分かりやすいし、巧いタイトルだなと思いました。