• 2015年02月登録記事

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荒川弘版 漫画「アルスラーン戦記」3巻

買ってきました。
表紙はやはりナルサスでしたね。本屋で見た瞬間、このナルサスは良いな、と思いました。絵を描く気が満々でね(笑)。
気が早いですけれど、次巻はギーヴか、登場順優先でエラムのどちらかな。巻を追うごとにキャラが生きて来てると感じるので、誰が来るか楽しみです。

今巻で一番楽しみにしていたのは、もちろんファランギース登場話です。「絶世の美女!」のくだりは、やっぱり笑えました。
そして、咄嗟にそう呼び掛けてみるギーヴも凄いですよね。
ファランギースは、コミックスの前にアニメ公式サイトの相関図でデザインを見てしまい、イメージと違うなぁと思っていたのですが、実際に漫画のコマで動く姿を見ると、これも有りだと思い直しました。
というか、アニメ公式に載せているコマだけが微妙だというべきかも。

エトワールとの思わぬ再会など、独自展開も含めて、個人的には荒川漫画版は非常に楽しめています。
ただ、以前の漫画版と違い独自展開を入れているのに、これしかストックがない状態でアニメ化して大丈夫なのだろうか、という不安が今回改めて生じました。

最後に、折り込みチラシで驚いたのですが、「タイタニア」5巻が発売され、完結してました。
完結する日が来るとは、感慨深いですね。1巻を読んだ後、完結まで忘れようと封印していました。ようやく2巻以降を読むことができます。これも楽しみです。

五木寛之著「朱鷺の墓」

【あらすじ(上巻のネタバレ有り)】
芸妓染乃は、日露戦争の捕虜慰安に赴くところを愛国主義者に襲われ、ロシア人イワーノフに助けられる。偏見に耐えつつ愛を育みイワーノフと結婚した染乃だったが、彼が帰国した隙に拐かされ、娼婦にさせられる。大陸に渡った染乃は、夫がロシアで政治犯としてシベリアに送られていたことを知り、彼を捜して再会する。釈放されたイワーノフと染乃は、ナホトカで料理店を始め幸せな生活を送るが、第一次世界大戦が始まり日本軍が進駐。日本軍少佐から脅迫された染乃は相手を殺してしまい、革命のロシアへ脱出する――

あらすじが過去最長レベルですが、これでも上巻部分までしかフォローできていません。下巻も波瀾万丈の大長編です。
すさまじい作品でした。
主人公の半生がすさまじいというだけでなく、作品自体に恐ろしいものを感じました。
それと同時に、今現在の五木氏と出版社に、この小説を書き、発表するだけの気概があるだろうか、と少し意地の悪いことも思いました。
作者の考えはいささか左寄りだと思います。ただ、国外でしばらく生活すると、確かに日本人は島国根性の持ち主で排他的だと実感するのも事実です。

ウラジオストクでの生活は「芙蓉千里」、シベリアで囚人の解放を待つのは「復活」、ロシア(ソ連)の社会主義生活は「ドクトル・ジバゴ」等、色々な作品を思い出しました。そういう意味でも、非常に読み応えがあり贅沢な作品です。

朱鷺の墓、というタイトルにはかなり苦いものを感じました。
染乃は望郷の念で日本に帰るけれど、結局、日本を捨てます。
ラストで、船から日本列島を見る彼女の目には、列島が日本そのものの墓に見えたということなのかな、と思いました。

PSPゲーム「La Pucelle Ragnarok」体験版を遊びました。
http://nippon1.jp/consumer/lapucelle_ragnarok/

PS2「ラ・ピュセル 光の聖女伝説」の移植版。
体験版終了まで1時間20分程度。
製品版発売後に配信された体験版ということで、製品版の要素に一部ロックが掛かっています。最後に体験版専用のおしまいイベントがありましたが、引き続き遊べる範囲でデータを鍛えることは可能という配慮が嬉しいですね。

戦闘中に色々と考えるべき要素があり、適度に歯応えもあって面白いです。
土地の浄化(それによる再行動と攻撃)は使い熟すのが大変そうですが、敵を仲間にできるのは結構嬉しいですね。
あまりシステムについて理解せず始めたのですが、戦闘での戦いかたに関してはチュートリアルで教えてくれるし、やっているうちに、スキルを覚えるにはアイテム装備が必要らしいということも分かったり、試行錯誤で何とかなります。

キャラクターは個性が強いので好みが分かれますね。ゲームとしては面白そうだけれど、私自身としては体験版に登場する3人の行く末を追う気にならなかったのが残念。
また、日本一ソフトウェアらしい柔らかいドット絵の書き込みに反して、会話フレームと顔グラフィックが異様にシンプル、且つ台詞フォントがパソコンの初期インストールフォントみたいな素っ気なさであることに少し驚かされました。

クリアしました。

前回の後、瑠璃を連れて2、3の拠点に顔を出してみましたが、シナリオを見付けられませんでした。
「攻略本なしだとドラゴンキラー編しかクリアできない」と言われているのも納得ですね。ドラゴンキラー編は、奈落の入りかたさえ分かれば、以降はラルクが次に行く場所を示してくれるので簡単に進められました。私は妖精編もクリアできましたが、これは「流れ行く者達」の間に偶然キルマ湖に行ったのと、自主的にエスカデを探したという要因が大きかったと思います。

ドミナの南にAF「マナの剣」を置くと、登場したのは【マナの聖域】。
ここで最終シナリオ「マナ」が開始。美しい絵で描かれた樹を登り、女神と対峙しました。

光である自分の姿を見るために闇を作ったという話を聞くと、聖剣伝説の女神は、万能の「神」とは違う存在な気がします。イメージを実体化させる力を持つ意識体、ということなのでしょうか。
メインシナリオは抽象的過ぎて、ちょっと私には難しかったですね。
ただ、戦闘前のメッセージで、マナの女神から「英雄になりなさい」と言われたことにはビックリしました。エスカデが「英雄にしてやる」と言っていたのを思い出させられて。彼の台詞は、妖精編をクリアすることが即ち悪魔を倒すことだからだと思っていたけれど、この世界において「英雄」とは特定の意味合いがあったのかな、と考えさせられたのでした。

エンディングは、ニキータの台詞に笑いました。
世界がどう変貌しても、彼は変わらず生きていけるだろうなと思います。ラブすら、奴には関係ないのでは。

以下、ざっくり総評です(プレイ時間は30時間強)。

面白かったです。
改造やペットの育成等を行うために、毎回特定の場所に行かないといけないなどの不便さはありましたが、時代性として私は許容範囲。
当たり判定等が若干不合理に感じたアクション部分も、敵の行動を見切るのは楽しかったです。雑魚敵との戦いを回避できない点は不満でしたが、スキルを磨いたり必殺技を編み出したりもするので、意外と飽きませんでした。

一方、世界観やシナリオは、独自の味わいと言えば良いけれど哲学し過ぎていて、前述の通り付いていけないところもありました。

サボテン君日記が全然埋まっていませんし、見ていないイベントが沢山あるようなので、2周目も遊びたいと思っています。
ただ、次は男性主人公にしようと思ったら、クリアデータだと性別と初期装備を変更できないのですね。残念。新規にやり直すかなぁ。

伊藤桂一著「落日の悲歌」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
没落した旧家の姫・万姫は、高麗の武人・秀民と結婚の約束を交わしたが、秀民が留守の間に倭寇の襲撃を受け囚われてしまう。自死も辞さぬ万姫だったが、海に落ちたところを倭寇の将・村上忠広に救われ、彼女を高麗に返す約束してくれた忠広に次第に心を許していく。心を移す女になることを恥じる万姫だったが、彼女のため再び高麗に攻め込んだ忠広が高麗軍に破れると「忠広の妻である」と名乗り、秀民の前で自死する。

宝塚ファン的には「我が愛は山の彼方に」原作本として知られている作品。
私の場合、先に「我が愛は山の彼方に」の知識があるので、高麗と倭寇の間の戦話であったことに驚きました。
(宝塚では、高麗と女真の戦いに置き換えられているため)

登場人物のうち、誰1人として幸せにならない結末なのですが、ただ哀しいだけでなく、どこか清冽な読了感があります。秀民も忠広も万姫も、それぞれが一番良いと思うことを成したからでしょう。
ただ、覚悟している3人と違い、知らぬ間に百虎を失い、1人倭に残される楚春は悲惨だと思いました。