• 2009年02月26日登録記事

二次創作物書きとしての麻生は、原作を重視したいと思っているため、IF展開話をあまり書きませんが、考えるだけなら色々と出して楽しんでます。
と言う事で、今回はタイトル通り、花組「太王四神記」にて大空祐飛演じるヨン・ホゲについて、戦死する以外の結末(大団円前提)を考えてみたいと思います。
※これはIFネタ遊びです。
※あくまで花組版「太王四神記」から考えた物であり、原作ドラマ内容は加味していません。

が、今回は考え始めた出だしから躓いてしまいました。
なんせ「俺はもう後戻りできないんだ」と本人が言っている以上、死ぬ他に、ホゲが救われる道が見当たらないのです。本当は、王の座を諦めてタムドクに忠誠を誓えば、タムドクは許しを与えていたでしょうが、ホゲ自身がその道を選べないと誓っているからこそ、先の台詞を言い、剣を向けたわけですから。
では、タムドクに勝利し王位を得ていれば救済されたのかと言うと、これもまた本人が言う通り「偽の王」になるわけで、永遠にその負い目を背負うことは間違いありません。

それでも、なんとしても生きたホゲを幸せにする方法はない物か、と考えに考え、思い付いたのが以下の案です。
すなわち「白虎の護り主ヨン・ホゲ」設定案。
……この段階で、チュムチ及び朝夏まなとファンからブーイングを浴びていそうですが、聞こえなかったフリで推し進めたいと思います。
この案の重要な点は、ホゲに王座を諦める大義名分を与えられると言うことです。
そもそも、タムドクが真のチュシンの王であることは、ホゲ自身が認めていることです。
しかし母の遺志、王を目指すことで払った犠牲を、彼は無視できない。だからこそ堕ち続ける。
それを無視しても良いとホゲ自身が納得する為に、彼が神器の護り主だった、と言う宿命を与えるわけです。
一応自分で突っ込んでおくと、「神器の護り主自身が王になってはいけない」とは誰も言ってないのですが、神器の護り主はチュシンの王の配下であると言う雰囲気だったので、これは大前提だろうと勝手に思い込んでおきます。
ちなみに、キハのことは王座を諦める事と一緒に解決に至ると思います。元々ホゲが愛した相手は、キハと言う女ではなく、自分を王だと言った炎の巫女です。しかもプルキルの交渉で神器と引き替えにした時点で、その巫女が己の幻想であることを認めていると言えます。

この設定で具体的に展開を書いていくと、以下のような感じでしょうか。


二幕第十場(戦場)に至るまでは展開は現状維持。戦闘中、チュムチが持っているパソンから預かったお守りが白虎の神器であることが判明(ヒョンゴ村長の鑑定眼で見抜いて貰うとか何とか)。
例の「神器を寄こせ!」台詞でチュムチとホゲ+イルス&チョク・ファンの殺陣(なぜそんな殺陣を入れるのかと言えば、チュムチの見せ場を取ったお詫び)となり、ここで神器はホゲの手に渡る。
お互い神器を二つずつ持っている状態から、決着をつけると言う名目で当初通りタムドクとホゲの一騎打ちに進み、矢を受けるがお守りで助かる(護り主認定の基準が判らないため、チュムチ覚醒展開をそのまま採用)。ホゲは自分が王でなく、王の力となるべき護り主であったことを知る。そして「君が王なら僕は将軍になる」約束を思い出し、タムドクに仕える事を誓う。


以下、十一場以降はまったく同じ。

とりあえずホゲを最優先にした結果のため、前述のチュムチは勿論、虐殺した村や五部族の息子達には申し訳ないですが、ええと、まぁ、細かい事は、元々の話が駆け足脚本で心情がとっちらかってる部分があるのだから、あまり突っ込まない方向で。
白虎の護り主として、エンディング後も高句麗で元気にイルス&チョク・ファンの赤マント組を従え、軍を率いているヨン・ホゲ、と言うのも、IFとしては幸せかなと思います。

しかし、こんな無理矢理なIF展開を考えた御陰で、戦死する筋書きには無駄がない、と改めて感心しました。
ホゲからタムドクに伝えないといけない情報が多くて、瀕死なのに大量の台詞を言うと言う大変な演技になってますが、やはりホゲはあそこで死んで一生を終えるのが、彼が選んだ道に対する正しい結末なのだと思います。