• 2011年09月登録記事

時代劇アドベンチャーゲーム「猫侍」
→猫侍 ソフトウェアカタログ

味のあるゲームです。スタッフの熱意と総力も感じます。
が、同時にとても門戸の狭い、人を選ぶゲームだと思います。
「下町で暮らす猫になったぶらぶら気分」と、「追手に追われる人斬りのハードボイルドな日々」が1本のゲームに同居しているので、どちらか一方に惹かれても、他方が苦手だと遊び難いでしょう。逆に、両方に興味が持てた麻生は存分に楽しませて頂きました。
企画・監督の河野一二三氏は「鉄騎」のプロデューサーなのですね。私としては、それを知って大変納得いたしました。

ゲームシステムは「同級生」系で、色々な場所を探索してキャラクターと出逢い、会話を積み重ねて好感度を上げていくとイベントが発生、と言うシンプルな形です。
操作で迷うところはなく、発生しないと困りそうなイベントは誘導があったので、見た目ほど取っ付き難いゲームではありません。まあ、正直言って見た目が一番取っ付き難いですよね!
明確な目的は設定されていませんが、「何をやっても、やらなくても良い」と言うところから積極的に関わりを求めて出て行く。これがこのゲームを楽しむ為に必要な要素ですね。受け身でいるとイベントがなかなか発生しないし、うろついているだけだと、淡々と時間が過ぎるだけで面白くないです。
ストーリーは深いのですが、イベント同士にあまり連続性がないので、短編集を読んでいるような雰囲気があります。

クリアして一番驚いたのは、過去の記録(発生したイベントのリスト)とミニゲーム欄が、全然埋まっていない事です。
更に、攻略サイトを覗いたところ、見た事もないキャラクター名が複数あり、まだまだプレイが足りなかったと分かりました。
長く遊べる1本には間違いありません。

2周目以降のお供にリンク。

ねこざむや

何種類もある扉イラストがどれも可愛くて素敵です。偶に観た事がない絵に行き当たったりして、何種類あるのかわからないところがとても「猫侍」的です。

ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」12:30回@赤坂ACTシアター。
http://romeo-juliette.com/

フランスミュージカル「ロミオとジュリエット」の日本キャスト版です。
制作発表から観劇まで、テンションの上がり下がりが激しい舞台でした。
まず、チケットの先行販売段階でジュリエット役が未定と言う事態。更に、一般販売後になって生オーケストラではなく録音であることが判明。そして幕が開いた時点で、携帯電話やフェイスブックなどの現代的な小物が登場する演出に度肝を抜かれることになりました。

舞台としては、せっかく揃えた実力派キャストが勿体ないような感じ。
現代的な小物は、ちょっとした笑いを誘ったり、秘密結婚が写メでバレるくだりは成程と思わされましたが、結局は異物なので違和感になっていると感じました。
例えば、ネットワークが発展しているようなので、ヴェローナからの追放処分を受けることに悲壮感が湧きません。マントヴァを彷徨うロミオの「見知らぬ街」と言う歌詞も、ヴェローナを一度も出たことがないのかと考えてしまい、変な気がします。
ジュリエットは携帯を持っていない設定ですが、ロレンス神父に懺悔に行く振りをして、決まった時間にロミオと電話をさせて貰うとか約束くらいできるはず。そもそも、神父が重要な連絡をメールで済まさず、ジュリエットがいる段階でロミオに電話しておけば良かったのですよね。
電話が通じないので、自分でロミオにジュリエットの死を伝えに行ったベンヴォーリオに比べると、神父の手抜きっぷりに脱力してしまいます。
ロミオが死んだのは神父の責任、と言う解釈で演出しているなら、それでも良いですけれどね。

曲は、ロックミュージカルと言うだけあって、パンチのある曲が多いですね。
一番好きな楽曲は、シンプルだけれどドラマ性のある「僕は怖い」です。次がベンヴォーリオのソロと乳母のソロですね。ロック調じゃない曲ばかりですが(苦笑)。
シナリオ構成自体は、もともとが1曲歌う→1曲歌う→1曲歌う……の連続なのですね。1曲の中では、ドラマチックな動きがあって盛り上がるのですが、曲ごとが続かず、ブツ切れの場面を繋ぎ合わせているような感じです。
「世界の王」は客席からお約束の手拍子が入りましたけれど、前述の理由により気持ちが途切れたところから始まったので、私は乗れませんでした。

衣装も現代的なのですが、これは完全に私が苦手な部類でした。個人的には、女性陣の衣装が下品に感じられるのがアウトでした。
それと、フランス版本家や宝塚版で採用した、青モンタギュー家と赤キャピュレット家の色分けを使って欲しかったです。一応、シマウマ柄とヒョウ柄で分けているようですが、遠目に判別しにくくて意義を感じませんでした。

褒めどころとして、舞台のテンポ自体はとても良く、分かり切った展開なのに退屈に思うことはまったくありませんでした。狭い舞台を、最小限の設備で素早く場面転換させていたのも、テンポアップの一助でしょうか。

以下、個別のキャスト評です。まず、Wキャスト勢から。

ロミオ@山崎育三郎
ロミオらしいロミオでした。期待通り、あるいは想像通り。良くも悪くも、手堅い印象です。
純粋なロマンチストで、でも腰が定まってなくて直ぐ「結婚しよう」と言ってしまう辺りに説得力がある役作りでした。

ジュリエット@昆夏美
充分巧いのですが、やや「攻撃的」な歌声だと思いました。私としてはもう少し丸い歌声の方が好きです。
身長は、思っていた以上に低いですね。高いヒールを履いて、それでも山崎ロミオと頭1つ差があったので、城田ロミオだと釣り合わないのでは?

ティボルト@上原理生
「レミゼラブル」のアンジョルラス役が評判だったので気になっていた役者です。落ち着いた雰囲気なので、荒くれ者だとか、キレる男にはあまり見えませんでした。声は良かったので、次は持ち味に合った役で観てみたいです。

マーキュシオ@石井一彰
いかにも道化と言う感じのおちゃらけっぷりで、モンタギュー3人組に良いアクセントを付けていました。
ただ、滑舌が悪いのか、音響のせいか、何を言っているのか聞き取れないことがありました。

死@中島周
霊魂のような死のダンサーでした。気が付いたら既に舞台に佇んでいて、一体何時からそこにいたのかと驚かされる、正に忍び寄る死のイメージ。
背中を向けたときの体型が、シドニー@ベイグランドストーリーに見えるのも面白かったです。

続いて、シングルキャスト。

ベンヴォーリオ@浦井健治
配役時点で期待した通り、非常に良かったです。ロミオへの友情や、モンタギュー派の若者たちのリーダーとしての自覚が端々から感じられて、1人のキャラクターとして説得力がありました。
ベンヴォーリオって、実は一番美味しい役なのでは?

パリス@岡田亮輔
年齢設定が分からず、ジュリエットより相当年上だと思ってしまいました。パンフレットで確認したら、若い役者だったので驚きました。

キャピュレット卿@石川禅
安心と信頼の演技。ジュリエットの出生設定があるために、娘への愛情に哀しみを感じました。

キャピュレット夫人@涼風真世
ジュリエットがキャピュレット夫人の不義の子である、と言う設定と告白には度肝を抜かされました。
もしかして、相手はティボルトの父親なのでしょうか……。

ロレンス神父@安崎求
軽さと重さが共存した軽妙な神父様でした。
前述の演出の問題があって、諸悪の根源のような気がしてしまうのですが、善から出た行いが、結果として死を生んだ神父目線の悲劇は感じることができました。

モンタギュー夫人@大鳥れい
演技は問題なかったのですが、キャピュレット夫人と並ぶと何故か不釣り合いな感じがあって、あまり両家が巧く和解しそうに思えませんでした。

モンタギュー卿@ひのあらた
存在感のない父でした。長身で格好良いのですが、なんせ出番が少ないので良く分からず……。
全体的に、モンタギュー家夫婦はキャピュレット家に比べて冷遇されていますね。

ヴェローナ大公@中山昇
もう少し威厳と気品が欲しかったです。
大公と言うより、サーカスの団長のように感じました。

乳母@未来優希
ソロ「あの子はあなたを愛している」がとにかく圧巻。緩急自在な演技にも改めて惚れ惚れしました。
ジュリエットへの愛情が非常に強くあって、パリスと結婚するよう薦めるのも、彼女がロミオを追い求め続けても未来はないと思うからこそ、敢えて軽薄に振る舞いつつ諭そうとしているのだと感じました。

最終的に、自分としては宝塚版を観たかったなぁと改めて思いました。
宝塚版に存在する「愛」というキャラクターが欠けているせいか、恋物語としての側面が薄いように感じたのです。愛と死の一体化というカタルシスもないですしね。
あるいは、Wキャストであっても組み合わせが固定なら、もっと人間関係を掘り下げて、キャラクター同士の繋がりが出てくるかもしれません。

一周目クリアしました。

猫侍・完

まずは、長月に入ってDISK3に移行。

猫侍

少しゲーム画面から目を離していたら、ムービーが始まっていました。
遂に御神楽党の党首、斬馬弥四郎が登場。
呼び出しに対しては直接会う道を選択し、陣五郎の前から立ち去ると、秘かに期待していた通り壱之新が同行を申し出てくれました。続くムービーでも壱が登場する演出には、テンションが上がります。弥四郎に呆気なく投げ飛ばされてしまい、同行した意味はまったくありませんでしたけれどね!
弟を斬らされた件がある限り、弥四郎とは和解できないと言う事で、会談は物別れで終了。

弥四郎と会ったら終わりなのかと思いきや、江戸での生活は普通に続きました。
まずは、太一の父親、鬼八郎が修行の成果を見にやってくるイベントが発生。
太一は8段まで進んでいたのですが、それでは鬼八郎のお眼鏡に適わなかったようで、5日後の親子対決で決着をつけることに。
台詞が変わらなくなるまで通って準備をした御陰か、鬼八郎にはノーミスで完全勝利できました。
鬼八郎が登場する前に太一を免許皆伝まで育てたら、違う展開が見られたのでしょうか。次周は頑張ってみたいです。

と、ほのぼのした後は、御神楽党による陰惨な出来事が十兵衛に迫り始めます。

猫侍

まず、これまでも数回登場したお間抜けな刺客・天真が、大八車に曳かれて死ぬと言う、笑うべきか、悲しむべきか分からない最期を遂げました。
(ところで、猫又は「人間から猫に見えるよう変化している」とされていますが、死んでも猫に見えると言う事は、実は猫又同士がお互いを人型と認識しているだけなのでは?)

続いて、十五日。
刺客・花鳥ノ介を見付けて後をつけるも、街中で巻かれ、自宅に帰ったところを殺されてしまいました。
これは完全にゲームオーバーだったので、事前のセーブからやり直し。
虱潰しに街を探し、また時間切れになりそうでしたが番屋で花鳥ノ介の部下を発見し、そこから再び尾行する事ができました。
しかし、誘導された木澤邸でまたも窮地に。まさか再ゲームオーバーか、と憂鬱になりましたが、ここは十兵衛の機転で脱出しつつ逆襲に成功。花鳥ノ介の最期は血に濡れた立ち往生で、壮絶でした。
長い一日でした。
ここで十兵衛の命を救った吉松は、余り町中で会う機会がないのですが、なかなか良い味を出してる男です。吉松と知り合っていなかったら、市蔵が来てくれるのかな。そのパターンも見たい気がしますが、吉松が好きなので難しいですね。

花鳥ノ介率いる火車衆を全滅させたために、御神楽党で内紛が起きてるらしい状況に。
この機に独立しようとする陣五郎の強かさが良いし、一方で十兵衛がそれに心穏やかでないことから、弥四郎を憎んでいると言うわけではないのだな、と言う複雑な感情も読み取れます。似ていないので、兄弟ではないでしょうけれど、道場で良き同期だったとか、家族同然に育った幼馴染みだとか……と勝手に想像しておきます。
この期間は、柚子に会いに行っては、道端で落書きをする会話イベントに癒されました。

二十九日に、弥四郎から果たし状が届きました。
江戸の街の見納めと思い、壱を筆頭に、会っておきたい面々を回っておきました。十兵衛が何も言わないので、みんなもごく普通の日常を過ごしていましたけれど、うのだけは歌を止め、話し方も普通のお嬢さんに変わっていたのが最後のサプライズでした。

果たし合いは避けられないようで、自動的に移動して長い決闘ムービーに突入。
どこでコマンド入力が求められるのか、手に汗を握りながら見守ることになりました。
ゲームの期限が長月三十日と定められている理由が、分かってしまいました。切ない終わり方なのですが、多分これ以外のエンディングはないんでしょうね……。
半年間の江戸生活が、十兵衛にとって楽しい掛け替えのない日々だったなら、これまでのプレイが無駄でなかったのだと信じます。
エンディングで家に来ていた三毛と黒猫は、猫又だと思うのですが誰でしょう? 三毛は壱だと思っておきたいです。

長くなってしまったので、総評は次回に回します。

1幕ラストまで。

【1幕11場C シーク・オブ・アラビア】
ルディはジューンの新作「シーク」でアラビアの酋長を演じ、好評を博す。

このシーンは秘かに女装ファンが増えているのですが、全体的に引きの映像なので少し確認し難いのが残念。いつもはDVD映像に対して「もっと引いて撮って欲しい」と言っておきながら勝手ですけれど。
映画「シーク」での相手役アグネスは、ルディと並ぶと人形のように小さくて可愛いです。少女と言うより、子供みたいかなぁと思いますけれどね。

【1幕12場 血と砂】
続いて「血と砂」の撮影に入るが、ルディとナターシャの結婚を知ったジューンは姿を消してしまう。ナターシャも、今後はジューンに脚本を書かせないと宣言する。

ルディを挟んで並び立つ、純白のジューン(カルメン)と漆黒のナターシャ(ドンニャ・ソル)。ゾクゾクする構図です。
東京公演では、ファンのコーラス音量がかなり強かったのですが、DVDは弱めに調整されているようです。3人の台詞が聞き取りやすくなっているほか、コーラスの「独り占めしたい、私たちのルディ」と言うフレーズが囁きのように聞こえるて、恐怖を煽るのが良い配分になっています。
去っていくジューンを引き留めようとするルディは、この時点で、自分が選択を間違えたことに気付いているのでは。
2人の才能ある女性に翻弄された挙げ句、最終的には2人共を拒絶しているように見える振り付けで、この時のルディの心境を色々と想像させられます。
結局のところ、ジューンが青年ルディ(ロドルフォ)から作り上げた「ラテンラヴァー」ルドルフ、そしてナターシャはそのルドルフから更に三次創作しようとしているわけで、どちらもルディから見れば本当の自分でないキャラクターを押し付けようとしていると感じる側面があったのかも知れません。

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アンテノール池袋西武店の限定商品「王妃のチーズスフレ」

クグロフ型のスフレ。
ナイフを入れた生地の断面は、きめ細やかで詰まった感じ。それなのに、口に入れると吃驚するくらい軽くて、すっと溶けてしまいます。
「究極のくちどけ」という謳い文句をつける気持ちもわかります。
チーズ味はあまり強くなく、甘さも控え目なので食べやすいと思います。

それにしても、お店で売っている「萎まないスフレ」ってどういう製法なのでしょうか?