• 2012年03月登録記事

大空祐飛さよなら特集4日目。
昨日の同時退団者発表を受けて、この公演イラストです。

10作目、中日劇場公演「仮面のロマネスク/Apasionado!! II」。
→公演詳細

捕食者

ヴァルモンとトゥールベル夫人は、お互いに捕食された関係なのかも知れないと思うようになりました。
勿論、最初はヴァルモンがトゥールベル夫人を「獲物」として選び、近付いたのです。しかしローズモンド邸の夜更け、トゥールベル夫人から懇願されたヴァルモンは彼女から離れようとして叶わず、夢中でしがみついてくる彼女の両手を優しく叩いて正気に返らせてやります。あの仕草は、「女を落とす」ための演技でなく、思わず出てしまった優しさのように感じます。
このトゥールベル夫人にしがみつかれた時から、ヴァルモンもまた彼女に捕われているのだと思います。だから、彼女が雲隠れすれば必死に探し、捨てた後も遣いを送り続けてしまう。
この舞台のヒロインはメルトゥイユ公爵夫人ですが、ヴァルモンにとって彼女は天上の女神であり、地上で心を預け合える半身はトゥールベル夫人の方だったのかもしれません……。

舞台上の時間が進むにつれて艶めくトゥールベル夫人と、その艶を引き出すヴァルモンの危険な魅力に目眩がする舞台でした。

落下位置とタイミングを見計らい、通り道のアイテムを回収するパズルゲーム「SUSHI CAT」
http://armorgames.com/play/5379/sushi-cat

ほのぼのとして可愛い絵面の物理パズル。
簡単なストーリーがあり、猫にお寿司を食べさせて大きくするのが目的です。寿司を食べるほど猫が次第に大きくなっていくのが曲者で、最初の目論見では通り抜けられる筈だった幅が、太った猫では通れなくなるなど、大きさの変化も考えて落とす必要があります。
難易度は、単にクリアするだけなら簡単。良いSCOREを取ろうと思ったり、すべての寿司を食べ尽くそうとすると少し難しくなる形で、丁度いいバランスです。
唯一の難点として、日本語訳がとても微妙で、ちょっと苦笑させられます。

ハネムーンに行ったり、彼女が攫われてしまう続編もあるそうです。

2009年にエイプリルフール限定公開したBASTARD!!サイトより、もう時効と言うことで収録。
PS版ゲーム「虚ろなる神々の器」1章より。


 周囲は次第に道幅を狭め、指示通り封印された海岸線へ続く渓谷の路へ向かっていることは間違いないようだった。
 それを確認したヨルグは、前を進む若い男の背に問いかける。
「あの男の話を飲むのか?」
 問い掛けに、男――マカパインが振り向いた。沈黙を続けていたヨルグに、まさか己の意志があるとは想像もしていなかったのだろう。切れ長の瞳が僅かだが見開かれていた。
「生きる為に、他になにが出来る」
 この世で共に寄る辺無い身として目覚めて以来、二人が手を取り合ったのも生き抜くためであった。
 もとより、ヨルグに手段の好悪はない。
 この地を治めるのは、鬼忍将と名乗る巨体の男である。将が今の彼等では到底適わぬ強さを持っている以上、それにおもねって後ろ盾を得るのは、生き抜く為の選択として間違いでない。
 しかし、マカパインが頻りに言う妖縛士の誇りはどうなるのか。
「誇りを守るために命を捨ててどうする」
 騎士であるまいに、とマカパインが嗤った。
 その刹那、ヨルグは反射的に口を開いたが、後に続ける言葉が見当たらず、そのまま口を閉じた。
 彼の主張に間違いはない。己の生命を守るためならば、どんな非道も出来るのが人間だ。そしてヨルグも、そんな人間の一人だった。
 命があってこその誇り、生き様である。
 だからこそ、ヨルグの胸中に疑問が鮮明に残った。
 言おうとしたのは、反論だった。


ヨルグとマカパインの皮肉な組み合わせが大好きです。初プレイ時は、なんでこの2人が組んでるんだ、と物凄い勢いで突っ込みました。
それにしても、記憶がない時期のヨルグは主体性がないですね!