谷川流「涼宮ハルヒの憂鬱」
【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
平凡な日常に憂鬱する女子高生・涼宮ハルヒは「宇宙人や超能力者を探して一緒に遊ぶ」目的の部活「SOS団」を設立した。だが実は、ハルヒは現実を思い通りにする力を持っており、SOS団に集められた部員こそ宇宙人や超能力者であった。
いまさら有名ライトノベルを読んでみるシリーズ、第3弾。
「涼宮ハルヒの憂鬱」は、第8回スニーカー大賞の大賞受賞作。宝島社の「このライトノベルがすごい!」ランクイン常連作品。
これまでに読んだ「フルメタ」「狼と香辛料」は、さすがに有名作なだけあって分かりやすい面白さがあると思ったのですが、「ハルヒ」は私の好みと合いませんでした。
一言で言ってしまえば、最重要キャラクター・ハルヒが可愛くないのです。自分本位な奇天烈論理を振り回し、我侭を言っているだけで、まったく共感できません。特に、善良な部員で構成されたコンピュータ部から、犯罪紛いの手段でコンピュータを1台強奪してくるくだりが苦痛でした。
全体的に、思い通りにならず、悔しがったり怒っている時の方がまだ可愛く感じられたかな。
その他の部員では、長門有希の性能が他2人と比べて強過ぎ、バランスが悪い気がしました。
あらすじは、纏め方にちょっと悩まされました。
話の最終的なテーマは、ハルヒが成長してワクワクする超常ではなく退屈な日常を受け入れる点にあるのかなと思います。ただ、物語としての面白みは、SOS団を設立した時点でハルヒ目的の叶っているのに、本人だけがその事実を知らない点にあると感じたので、このように記載してみました。