• 2015年11月登録記事

アマン・マアルーフ著 牟田口義郎訳「サマルカンド年代記 ー『ルバイヤート』秘本を求めてー」

11世紀ペルシャの詩人オマル・ハイヤームの半生と、彼の手稿本が歴史の中に消え行った経緯を語る前半(第一部・第二部)と、その手稿本を目的に中近東へ渡ったアメリカ人ルサージが、イラン立憲革命に巻き込まれ、そして手稿本が本当に失われるまでを描いた後半(第三部・第四部)の二部構成。
正直、中近東の歴史をまったく知らないので、どこまで真実でどこからフィクションなのか混然としているくらい、色々信じてしまいそうな濃さでした。
知識人としては一流でも、物事は成さずに終わるオマル・ハイヤームに対し、暗殺教団の開祖ハサン・サッバーフと、セルジューク朝全盛期の宰相ニザーム=ル=ムルクは、善し悪しはともかく、こういう人物が実在するのかと感心しました。まさに、事実は小説よりも奇なり。

全体的に淡々としていて、訳も少々読み難かったのに最後までページを捲り続けたくなる、不思議な魅力があります。
ただ、手稿本がルサージの手に渡る紆余曲折が、シーリーン王女の好意でしかなく、それまでの盛り上げに対して少し弱いようにも思ったり、結局ハイヤームもルサージもすべてを失う終わりに、虚しいところもありました。

ちなみに、個人的には、四行詩というものの魅力が分かると良いなと思って読み始めたのですが、その辺は全然感じられませんでした。
「ルバイヤート」が「ルバーイ」の複数形ということが勉強になったくらいかな。

151124.png

改めて、再挑戦。
調査隊は引き続き、大菅博士と学生(助手)の箕田、人足の田中、軍医の小森、朴訥な雰囲気がある加藤軍曹と秋田犬の小嵐丸という、大日本帝国の愉快な皆さんです。
島名は、前回の名は験が悪いので漢字を変えて、運気を呼び寄せるべく「勝運島」にしました。

現在地:10月12日1:46
島の南東部分は一通り探索し、山を越えた先に中継キャンプを作ったところ。

山道の前にいた、四つ足の動物と覚悟を決めて戦い、危うく死者が出る前に倒せました。山を越えた先のエリアでも、別のエリアとの連結部らしき浅瀬にいたので、要所に配置されていて、戦闘を完全に回避することはできない仕様のようですね。
山越え自体は、携帯食料の残り量との戦いでした。
一度誤って道を戻ってしまうというミスもあり、ギリギリの状態だったので、辿り着いて直ぐキャンプが出来た瞬間は本当に安堵しました。

ウミガメの孵化を確認したいという箕田の発言も聞きつつ、一度山を超えると、もう一度戻る気にはならないなぁと思って躊躇していたところ、洞窟の入り口を見付けて、逆側の出口を通ったらなんと山の南側に戻れました!
短縮ルートがあったのか、と喜び勇んでウミガメを確認しに行きました。ムービーが用意されていたのは驚きました。
ところが、通り抜けた筈の洞窟が見付かりません。もしや一方通行……? 仕方ないので、食料がある内にもう一度山を登ろうと思います。

このゲームは一人称視点、且つ、BGMがなく島の環境音しか聞こえないので、没頭し出すと、自分が実際に島を探索している気持ちになりますね。
動物の鳴き声や植物の揺れる音に、時折ビクッとして、我に返ったりしています……。

都合により、22日まで不在にします。
日誌更新はできれば行う予定ですが、外部からの投稿になるため、メールフォーム確認等はしばらく行えません。
よろしくお願いいたします。

3DSの協力プレイアクション「ゼルダの伝説トライフォース3銃士 試勇版」で、インターネットプレイを体験してみました。
http://www.nintendo.co.jp/3ds/ea3j/
(試勇版でのインターネットプレイは、11月27日までの期間限定)

3人で組んで、「ビリビリ洞窟」「バクダン保管庫」「炎の神殿」のいずれかのマップを攻略できます。
どこを選ぶかはメンバーの投票制。
ビリビリ洞窟は選ぶ人が少なくて、ほとんどバクダン保管庫か炎の洞窟にばかり行っていました。みなさん、ビリビリ洞窟は攻略済みだったのですかね。

最初に遊んだときは、通信エラーが頻発したり、途中で抜ける人がいたりで、あまり満足に遊べませんでした。
夜遅くなると、恐らくゲーマーだろうなと思われる方々と一緒になり、お互い通信も安定していたので問題なく遊べましたが、結局ボス撃破までは至りませんでした。

「4つの剣」で協力プレイをしたときと同じような面白さがあったし、3人でハートを共有しているので、お互いのことを配慮し合うという、なかなか新鮮なゲーム体験ができます。
ただ、意思疎通の手段が「コミュニケーションアイコン」という8種類の顔文字しかなくて、単に「やったね」とか「失敗してごめん!」という気持ちを伝えるだけなら問題ないのですが、例えばバクダンを空気ツボで吹き飛ばさなくてはいけないのに、巻き込む位置に立っている人がいるとき、その場所を動いて欲しいと伝えたくても、そんなアイコンは用意されていないのですよね。いくら待っても動いてもらえず、仕方なく謝ってから一緒に吹き飛ばしちゃった時があります。ごめんなさい。
恐らく、自由な文字チャットを解禁するとプレイヤー同士の間でトラブルが起きるかもしれないから、敢えて不自由なアイコン制にしているのだろうとは思います。体力満タンの時にハートの出るツボを壊し尽くしてしまう人を注意したかったけれど、そういうことを言い出すと、自分もいっぱいミスするので、責め合いになっちゃうでしょうしね。
もちろん、巧く意図が通じたときの嬉しさはバッチリありました。

力を合わせないと進めない箇所が多いので、ローカルプレイで、友達と3人で喧々諤々しながら遊ぶのが一番楽しそうかな〜と思います。
「トライフォース3銃士」で遊んでくれる友達2人と、3DSを持って集まる場所が必要ですが……。

M.C.ビートン著 桐谷知未訳「メイフェアの不運な花嫁 英国貴族の結婚騒動」

ジェイン・オースティンが描く英国貴族の世界を、使用人たちの視点から覗き見ているようなラブコメディシリーズの2編収録。
ジャンル的には「ヒストリカル・ロマンス」ですが、このジャンルによくあるエロ小説とは一線を画す、格調高く、でもシニカルな笑いに満ちている、純粋な「お屋敷もの」小説でした。

表題作「メイフェアの不運な花嫁」は、お馬鹿を装っている美女が、孤児院出身かつ文無しの身を隠して名士を掴まえる、計略に満ちた話。
2作目「メイフェア勇敢なシンデレラ」は、溌剌とした少女が好奇心から殺人事件に首を突っ込み、同じ謎を追う放蕩児と意気投合して駆け落ちする話。
若干、展開が急だ、と思うところはあったけれど、どちらも読み応えがありました。
ヒロインは屋敷の借り手なので社交シーズンことに変わり、使用人たちはレギュラーキャラクターという形式です。だから、実際に不運なのは、花嫁候補たちではなく、この屋敷に縛り付けられている使用人たちですね。

物語としても楽しんだけれど、階級社会のあり方や当時の英国の風俗が克明に描かれているので、大変勉強になりました。