• 2016年02月登録記事

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ヤングジャンプコミックス・藤崎竜版漫画「銀河英雄伝説」1巻

当初は、道原かつみ先生版の旧シリーズが非常に好きだったので、新たにコミカライズされても受け入れられないかも、と危惧していました。しかし、週刊ヤングジャンプ公式サイトの「3話試し読み」で、藤崎先生の原作に対する愛情と、これまでのメディアミックスとは違う切り口に大いに感じるところがあり、発売日にいそいそと購入してきました。
なお、昨日公開された、コミックナタリーのインタビューも非常に興味深い内容になっていますので、併せてお勧めです。
http://natalie.mu/comic/pp/gingaeiyudensetu

1巻読んでみての感想としては、大変原作ファン向けのコミカライズだと思います。
正直、原作未読者がこれを読んで面白く感じるのかどうかは定かでありません。
原作や、従来のメディアミックス作品と異なり、ラインハルトの幼少期から時系列に沿って描くという試みは、驚いた反面、率直に述べると退屈な面もあると思いました。
しかし、これまでの先行作品と同じことをされてもつまらなかったと思うし、ラインハルトの一代記として描くという意図ならば大いにアリだと思います。
でも一番嬉しいのは、「原作のこの記載からエピソードを持ってきたのか!」とニヤニヤしながら読めることですね。特に、幼年学校時代の同期生という、トゥルナイゼンとの関係性をコメディタッチで入れてきたのが面白かったです。原作では大言壮語の馬鹿な若手というイメージだったのに、なんだか可愛く感じてきました。リップシュタット戦役での再登場が待ち遠しくなります。
漫画にしては、ちょっと驚くほど「地の文」が多いのですが、そこが「銀英伝っぽい」雰囲気を醸し出す一助になっているかもしれません。

絵柄は好みの問題もあるので、何とも。
せっかく少年漫画に移ったのに、それらしくない絵柄ですが、銀英伝らしいとは言えます。
個人的には、ラインハルトやキルヒアイスという主要キャラクターの顔が安定していないように感じますが、まだ少年時代なので、成長中の誤差と思って許容しました。コミックス表紙や本誌でもカラー絵だった部分は、全体的にいい感じだと思います。

なお、1巻は6話まで収録。
ただし、1〜2話はページが大幅に増やされているのに対し、3話以降は通常の連載ページ数となるため、1巻の全ページ数の三分の二程度が試し読みで公開されていることになります。
嬉しいけれど、その点はちょっと複雑……。

既に連載では惑星カプチェランカのエピソードは消化済みだそうですし、ページ数が少ないとはいえ週刊誌なので、さほど待たずに次巻が読めるのでないかな、と期待しています。

藤野恵美著「わたしの恋人」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
両親に愛されて育った素直な高校生・龍樹が、保健室で眠っていた森せつなに一目惚れした。不仲な両親を見て恋愛はしないと決めていたせつなだったが、やがて龍樹の率直さに惹かれ2人は結ばれる。価値観の違いから喧嘩も経験し、完全には理解し合えない自分たちを自覚するが、互いに寄り添う気持ちを持つことで愛情を育てて行く。

非常にサクサクとテンポ良く読める爽やかな作品でした。
高校生の恋愛小説ではあるのですが、2人の家庭環境が重要な要素を担っているため、家族の形も描かれています。
せつなの家庭はかなり重いですし、問題解決はしていないのですが、彼女が作中で親は親、自分は自分と割り切れるようになったので、あまり心配はせずに読了できました。
そして物語の半分くらいは、付き合い始めてから、お互いの関係を深めていく2人の描写に割かれているのが素敵です。

頑なな雰囲気があったせつなが、意外と簡単に龍樹を好きになったことを認めるので若干拍子抜けしましたが、龍樹が本当に良い奴なので、それも当然か、と思えます。
非常にピュアで真面目な2人で、応援したくなります。そもそも学校で孤立していたせつなは苛められていても奇怪しくないのに、恋人ができて少し注目を集める程度で、何も学内のトラブルが起きない辺り、全体的に優しい世界でした。

解説は瀧井朝世。良い解説でした。また、姉妹編「ぼくの嘘」の紹介もされていて、この解説を読むと龍樹の親友・笹川君が主人公だという「ぼくの嘘」も読みたくなります。
私の勝手な想像では、笹川君もせつなが好きだったと思います。でなければ彼女が読んでいた本を知っている筈がないし、龍樹に気を回すのも、勿論友情はあるけれど、諦めるためなのでないかと感じたのでした。
……この想像がどこまで当たっているか、答え合わせは次回。

青柳碧人著「ブタカン! 池谷美咲の演劇部日誌」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
演劇部に入部した2年生の美咲は、入院した親友の代わりに舞台監督を担当することになる。脚本担当者の逃亡、練習に来ない兼部キャスト、講堂の焼失によるステージ設営など、様々な困難を乗り越え文化祭の劇を成功させる。

最初はタイトルに驚かされますが、「ブタカン」は、舞台監督の略。
みんなで1つの舞台を作り上げる、青春の熱気が熱く、奇人揃いの劇部員も含めて楽しい作品。頻繁に鼻血を出すみど先輩は、最初はウザイ個性のつけかただと思ったのに、段々お約束の芸みたいな感じに昇華されるのが面白かったです。
ミステリと銘打たれていたけれど、そういう要素は0に近いですね。謎解き要素は、入院中のナナコが、消えた脚本の在処を言い当てた箇所くらいです。

作中、最初に早乙女先輩作の脚本として登場する「走るな、メロス」が、あらすじだけ読んでも、実際に面白そうで惹き付けられるあらすじで、ここでギュッと掴まれた気がします。引用しようと思ったらP.39〜41と長かったので断念。
文化祭用の新作「白柚子姫と六人の忍者」は、山場の多さに3時間くらいの大作芝居なのか?と思うし、ギョウザをネタにしたセリフはイマイチだと思いましたけれど、よくこんな口上を思い付くなと感心はしました。ラストが物悲しいというのも、文化祭用のオリジナル脚本にしては、かなり高度で意外に思います。

細かいことを言えば、部活とはいえ、ここまでちゃんとスタッフ部門がある演劇部で、中途参加の2年生(経験なし)に、いきなり舞台監督を任せる導入設定は疑問です。
もちろん、美咲が素人ブタカンだから、読者と同じ目線で話が展開できるという仕掛けはわかりますし、機能もしていたけれど、普通なら部長のみど先輩辺りが代打するのが妥当では。
また、親友ナナコの病気に関する話がまったく好転しないまま話が終わってしまうのも、消化不良でした。まだ連載が続くための仕掛けなのでしょうね。
ということで、案の定続編も出ていました。

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現在地:妖精の国の物語・4章終了

心配して雪山まで追ってきてしまう、そんなカエルのツンデレ具合にも萌えていたのに……なのに……
カ、カ、カエルの正体はお前かー!
と驚いたところまで。
聞き覚えのある声だとは思っていたのですが、魔王とワーグナーの件があるから、主人公5人以外は二役やっていても奇怪しくない、と気にも留めていませんでした。まさか、立木氏の二役はそう思わせるための布石か!?
カエルの男前な在り方と、前回のお話で見てきた意地悪具合が、私の頭の中で一致しませんよ。なんでカエルになっていたのか分かると、咀嚼できるのかしら。

ベルドーを追い詰めた際、ベリアルが再登場したので、1章で戦ったのに?と思いましたが、今回はちゃんとベルドー自身を叩き伏せることができました。
その上、老プーカの姿になってしまったので、報復としては十分でしょう。

3章から、早くも料理屋が解禁されたので、毎章コインがなくなるまで食べまくっています。この分だと、メルセデスはあっという間に成長するぞ、横に(笑)。

それから、日頃はPS4をネット接続していないため、15日に配信されたアップデートVer.1.02は4章が終わってから適用しました。
不具合修正の他に、メルセデスのアクションに関する部分が上方修正されました。
まるで、私のプレイ状況に合わせてくれたかのようなタイミング!
特にリロードのレスポンス向上は、「よいっしょ」のかけ声から一拍置かないとリロードされない、というのが気になっていたのですが、Ver.1.02適用後に確認したら、かけ声と同時にリロードに変わったので、かなり楽になりそうです。

サイファースキルのPOW消費量変更は、確認できた限りは以下の通り。

  • フォゾンバースト PP5→PP4
  • ラウンドショット PP8→PP6
  • スプレッドショット PP9→PP8
  • ハンターショット PP12→PP9
  • フラッシュショット PP13→PP10
  • マンドラゴラマーチ PP14→PP12
  • コールピクシー PP16→PP13

「マンドラゴラマーチ」とか「コールピクシー」は、ロマン技なのか?と思うPP消費量だったのが、多少使いやすくなった感じ。攻略に大活躍の「フォゾンバースト」「スプレッドショット」はさほど下がらなかったけれど、有益度から考えれば当然の消費量なので文句ありません。

有川浩著「フリーター、家を買う。」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
採用された会社を3か月で辞めて以来、親の臑を齧って2年過ごした誠治だったが、母親が町内での苛めを苦に精神病発症してしまう。一念発起して夜間の工事バイトと同時に就職活動も進める内に、心を入れ替えた勤務姿勢が評価されバイト先の建築会社に登用される。仕事に本気で取り組むうちにやりがいも見出し、纏まった貯金ができた誠治は、母のため二世代ローンで引っ越しを行う。

「家を買う」というタイトルに対して、私はなぜか新築住宅を現金即決!と思い込んでいたのですが、主人公が出すのは頭金の一部だけだったり、父親のコネで見付けた中古住宅だったりと、随分現実的な話でした。少し拍子抜けしたのですが、この辺は無理のない範疇で良かったのだと思います。というか、私が夢を大きく描き過ぎですね。

有川浩作品なので、全体的にはスムーズに楽しく軽く読み進めました。
読み終わって振り返ると、「トントン拍子」にうまく行き過ぎかな、とも思いますが、物語なのでその辺は許容範囲でしょう。
誠治の再就職活動の下りなどは、就職活動前の学生には随分勉強になると思います。
また、母親の病状に関する箇所が色々と身に染みました。

不満としては、主人公である誠治が、序盤は本当にダメフリーターなのに、心を入れ替えた中盤以降は急に「できる男」になってしまい、違和感を感じました。そもそも、瞬間的な気分でバイトを辞めるような男が、母のために一念発起するものか、と疑ってしまうのは偏見思考でしょうか。
そして、心を入れ替えた誠治は確かに性格も良くて格好良いのですが、本編の後に挿入される豊川視点の章「傍観する元フリーター」で、真奈美共々持ち上げ過ぎたように思います。少々、鼻白みました。

それにしても、町内会は怖いですね!(笑)
笑ってはみましたが、私は町内会がある地域で暮らしたことがないので、半分本気で恐ろしいなと思いました。