• 2009年05月03日登録記事

ようやく幕が空いてから50分経ちました。あと2/3だ!

【第9場 運命】
セームの死を知ったタムドクは自責するが、キハが慰める。いつしか二人は想いを寄せ合う。しかしプルキルはキハを操り、ホゲへ近付くよう命じる……

小池先生名物、歌ってる間にメインの話題がすり替わる銀橋ソロ。
前回書いた通り、8場の解釈を間違っていたので、ここで悲痛に歌われても、と思っていました。「親友を失った」って、セームを死に追いやるつもりがなかったなら、誤解を解こうと努力すれば良いのに、速攻卑屈モードに入ってるものだから、手に負えない人だなぁ。
この辺は完全に脚本の問題かなと思います。雰囲気に流されると「タムドクが可哀想」って気になるのですが、それは完全に役者の力。折角良い芝居してるのだから、脚本も整合性のとれた物にしてあげたいとつくづく思います。
で、キハを詰問するプルキルは、やはり「ヤン王を殺してホゲを王位に就ける」計画に一役買ってたのかなと思います。でも火天会って、王宮の中にも相当数忍び込めるし、毒殺なんて面倒なことしなくてももっと簡単に簒奪出来るのに、やりたいことがいまいちよく分からない悪役です。
しかも、ホゲをチュシンの王だと本気で思っているのか、それともコマとして役立てるつもりなのかも謎。脚本は後者のつもりで書いて、でも壮は前者の解釈で演じてる、と考えてしまうくらい腑に落ちなさ加減があります。でも小池先生は演技指導厳しいそうなので、解釈違いって事はない筈ですよね。巧く咀嚼出来ない私がおかしいのかなぁ。

【第10場 ヨン家・セームの通夜】
セームの密葬が行われるヨン邸で、プルキルに操られたキハは「ホゲこそチュシンの王」と朱雀の神の託宣を下す。ホゲはキハに心奪われる。
ヨン・ガリョはプルキルに唆され、タムドクを陥れる罠を計画する……

大空アングルは、私の観劇時オペラ視点とまったく同じです。微妙に白目剥いてるのも愛おしいのは重傷ですな。
腰掛けて項垂れた後、父親達の企み話は耳にしつつも自分の中の整理に忙しくて聞き流してるのに、プルキルの「タムドクの仕業と見せ掛ける」の台詞で、初めて顔を上げるのが、タムドクへの友情を感じさせて好きです。父親が陰謀に同意する瞬間少し驚いた素振りがあって、やはり息子から見ても、ヨン・ガリョ自身は野心の薄い比較的善良な貴族だったのだろうと思います。
ホゲはタムドクと違って自己主張できる若者なのに、陰謀に対して言い募らないのは、母親の事を持ち出された為ですね。マザコンなのか。
彩音を美人だと思った事はないですが、キハの炎の巫女衣装は、髪型も凝っていて綺麗だと思います。キハは美女でないと説得力に欠けるので、。
キハと二人で話すシーンは、表情がちょっと子供時代に戻ってる時があるのと、キハが気を失った後から退室するまでは、ずっと彼女の顔から目線が外れない辺り、ホゲの中で凄く大きな存在として残ったのだと感じて可哀想になります。
その言葉を真実か、と何度も疑っているのに、それでも縋らずにいられない。
ところで、リピート6回目くらいに、捏造の神が降臨しました。
ホゲは、タムドクがチュシンの王だと気付いてるのでは? だから、キハが既に「ホゲがチュシンの王」と偽神託を下しているのに、何度も執拗に「タムドクはチュシンの王なのか」と聞くんですよね。でも、彼女は答えをくれなかった。本当は自分は王でない筈と思いつつ、炎の巫女の神託通りの道を行こう、だから巫女がその道を照らしてくれ、と言う歌なのでは。とすると、キハがタムドクと駆け落ちした展開は、ホゲにとって最大の裏切りになるのですが、それはまたその時の感想で。
あと「正しく王座を得たい」と言う割に、このあと武道大会で特製槍を使う辺りにホゲの考える正しさが見えなくて観劇中謎だったのですけれど、「正しく」は、正しい手段のことではなく、王になる事自体に掛かってるような気がしてきました。
それにしても「炎の巫女」はユウヒのキーに合ってるのか、素直に歌えてると思います。良い歌だ!
でもこの曲だけ何度もリピートしてたら家人に見つかり、「壱埜のご贔屓って、歌はうまくないんだね」と非ファンらしく的確な批評を頂いてしまいました。しかし「ダンスより歌の方が巧いと思う」と返答してしまったあたり、私も正直者です。

【第11場 ヤン王の寝室】
ヤン王は、タムドクが聡明な面をヨン・ガリョに明かしてしまった事を咎め、キハの素性も疑って面会を禁じる。タムドクは、人を疑わねばならないような王にはなりたくないと考える……

ただの思い付きですが、市井の男に云々と言う話は、9場から此処に移しても良いのではないでしょうか。まぁ、此処ではキハに意見を聞けないから無理な相談ですが。
それにしてもヤン王の「王は他人を信用するな」主張は、敵の多い王者としては当然の姿勢ですけれど、物語の主人公の父親としては、ちょっと問題があるような……。原作ドラマでの理由を教えて頂いたので、タムドクを思う親の愛ゆえと分かるのですが、夢の世界である宝塚の物語的には合ってないよなーと思ってしまうのです。