• 2009年05月24日登録記事

DISK2に進み、二幕の開幕です。

【第1場 コムル村〜阿佛蘭寺〜ヨン・ガリョ邸】
タムドクは、コムルの民に真の王として迎えられる。タムドク、キハ、ホゲは互いの心が読めず彷徨っていた……

語り部としては久し振り、且つ最後の登場となるヒョンゴから二幕も開始。同世代の登場人物に語り部の役目を当てるのは、難しいですね。振り返って締める事が出来ないので、開始の語りは出来ても、投げっぱなしで終わってしまう。ルキーニ@エリザベートが、登場人物と語り部を兼ねる役として至上の使い方だと思っていますが、あれは死者の視点だから出来た事なんでしょうね。
このシーンの幕の絵柄は、公演中、この一場でしか使われない貴重な玄武の紋の筈ですが、DVDではなんと映ってないと言う不憫さ。玄武って、どんな作品でも大体扱いが微妙ですよね……。
コムルの民は、スジニ以外全員男設定のようですが、本来は娘役だと思われる子たちがチラホラ混ざってますね。花組の娘役は可愛い子が揃ってるんだなぁ。
三重奏は、キハパートだけ酷い字余りで早口言葉化していて、何度も聞いても笑いが零れてしまうのですが、その彩音の歌が一番上達してるような気がして吃驚しました。ここは、楊淑美先生の歌唱指導が入ってるのかなと勝手に想像。
タムドクは、相変わらずすみれコード抵触発言が目立ちます。艶やかな肌や潤んだ瞳は、キハの人間性とは関係ないと思うんですよ。

【第2場 天地神堂】
天地神道ではヤン王殺害の裁判が行われていた。ヨン・ガリョ等は、タムドクが部族長の息子達を殺し、王位簒奪のためヤン王も殺したと言い立てる。タムドクは、心臓に剣を刺して無実を問うカウリ剣の儀式を受けることになる。キハにチュモシン剣で刺されたタムドクは、息を吹き返し無実を証明する。
大神官は、タムドクを仮の王、ホゲを将軍とし、残る神器の護り主が認めた者をチュシンの王とする事を宣告する……

舞台上の人口密度が高いシーンって、生だと楽しくて良いのですけれど、映像だと観たいところが映っていなくてストレスが溜まりますね。
此処では群衆もある程度フォローせねばならないし、メインはタムドクとキハだしと言うことで、ホゲ様はあんまり映ってません。仕方ないので、位置をちょっとずつ変えるイルスを必死に探してチェック。
カウリ剣の儀式の瞬間、お気に入りの娘を抱いてニコニコ顔だった頃からは想像も付かないような、悪い顔してますね。タムドクがカウリ剣の儀式を承諾し、刺し殺される瞬間に笑ってる! 一方、タムドクの蘇りは覗き込んで確認し、かなり衝撃を受けてますね。ホゲをチュシンの王だと信じてるだろうイルスは、この結果をどう思ったか、大変興味深い命題です。
タムドクが近衛隊に命じて王を殺害した、と言うチョジュドの証言は、近衛隊が護るべきはヤン王の方なのに、と無理を感じるのですけれど、巫女が王を殺したと近衛隊側が証言してる以上、当人達を犯人扱いせざるを得ないんですね。誰もその辺を突っ込まないと言うことは、ヤン王は近衛隊から背かれてもおかしくないと認識されるくらい人望がなかったのか、とも穿ってしまいますが。
キハを連れて来たプルキルが壁にもたれて睥睨してる姿が、とんでもない色男ぶりで、一々ギョッとします。正直、雪組時代に壮を美形と言われても首を傾げてたんですが、この公演で良く理解できました。
肝心の裁判は、小池先生らしく会話が成り立ってないので、星組版では改善してあげて欲しいですね。最低でも、タムドクから何故ヤン王を殺したのかと問われたキハが、王は自害したと答えるのは絶対改稿が必要。「何なりとお答えします」以降を変えて、ホゲが割って入ってカウリ剣の儀式に持ち込ませるのが適当でしょうか。
あと残された謎として、カウリ剣の儀式で予定通りホゲが刺していたら、タムドクは復活しなかったんでしょうか? チュモシン剣で刺しても真の王は死なない、と言う言い伝えが本当なら、キハが刺す必要はなかったと思うのです。もしかすると、タムドクとキハを引き裂こうと考えてるヤン王の亡霊だから、嘘を言ったのだったりして。