• 2010年12月05日登録記事

宝塚花組東京特別公演「コード・ヒーロー」15時回を観劇。
挨拶時にネタバレ禁止は言い渡されなかったので、東京公演からネタバレ解禁なのでしょうか。
前方の端席だったため全体はあまり見えませんでしたが、オペラグラスなしで演技が見えて、なかなか面白い席だったなと思いました。

前評判通り突っ込みドコロ満載でしたが、突っ込んで楽しんだ「シャングリラ」と違い、扱うテーマが重いので、笑い飛ばして良いのかどうか、判断に悩むところがありました。
複数の死者が出ているし、ケネスやキャサリンの状況を考えるとハッピーエンドと纏めてしまうのは座りが悪かったです。

お話には感心しませんでしたが、若手が揃ったカンパニーで役も色々あったので、人を見る面では面白かったです。

まず、メインの3人。
ジャスティン@朝夏は、スーツやコートが映える足の長さに驚嘆。芝居も歌も成長したと思いましたが、役柄としては今回のようなアンチヒーローよりハートフルな役が見たかったですね。
格好良い男として書かれているのでしょうが、「俺たちはチームだ」と言いながら、結局自分の情報は提供せず勝手に行動するあたり、あまり今後も一緒に行動したいとは感じませんでした。
冒頭、警官に不遜な態度を取って手錠で繋がれてしまうあたりが、格好悪くて笑ってしまいました。もう少し格好よく負けることも出来たと思うので、演出の責任だと思いますが。
ヒロインのヴァネッサ@実咲凛音は、地声と裏声の切り替えが苦手そうなのと、ファルセットで歌うと歌詞が聞き取れないのが難点。また、若手なのに激昂するシーンが多い難役で大変ですね。
結局は、ハル@望海風斗の役と役者に、大いに助けられている舞台だと思いました。正体はバレバレでしたけどね!

その他の役から、思い出した順に。
ジュニア@鳳真由は、意外と演技派なんですね。しかし見た目からして若いので、友人であるジャスティンの年齢が謎になってしまったのが配役の難しい所。申し訳ないけれど、30歳には見えませんでした。
ラリー@真瀬はるかは、悪い顔と善良な顔の演技の切り替えが巧くて唸らされました。
勿論、クリストファー@紫峰七海も同様に巧いのですが、診療椅子を回転して客席に顔を明かした時に「え、この人が!」と思わせるインパクトがなかったのは残念でした。ファン以外にも印象づけるオーラが記者役の時に必要だったのでは。同行者は「最後に捕まった人、誰?」でした。衣装がもっと記号的だと良かったのかな。
ほんの数分の出番で印象付けたのはケネス@天真みちる。こちらも胸が痛くなる迫真の演技でした。

最初は随分小さい役で首を傾げたローズマリー@桜一花。2幕が本領発揮でした。ソロ曲の後に芝居が入るため拍手が入れ難かったのですが、その分がカーテンコールの万雷の拍手になっていたと思います。
ドミニク@梅咲衣舞も演技が巧みで驚きましたが、撃たれ方だけはちょっと下手でしたね。撃たれたことが分からなかったので、緊張の余り気を失って倒れたのかと勘違いしました。
ドリス@華耀きらり以下、みんな美人でした。花組の娘役は本当に綺麗処が揃っていますね。そして実力も高かったです。その為に、余計に下級生のヴァネッサが一人で苦戦している状態が目立ったのかも。

尚、公演後にミニトークショーがあり、ボイド一家の高翔みず希・華耀きらり・鳳真由が登場。下級生の鳳がなかなか面白いキャラである事が分かりました。ファンを増やしたのではないでしょうか。
普段なら絶対行かないタイプの公演でしたが、とにかく全力投球と言う感じがあって、若手公演も楽しいなと実感した一日でした。