• 2014年07月登録記事

ヴェルヌ著 高野優訳「八十日間世界一周」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
英国紳士フォッグ氏は、全財産の半分を成功に賭けて、80日間で世界を一周するという旅に出る。道中の様々な障害を乗り越え80日で英国に戻ったフォッグ氏だったが、氏を逃亡中の銀行泥棒と勘違いしたフィックス刑事に捕まえられ、約束の刻限に遅れてしまう。だが翌日、氏は日付変更線を越えて1日前に戻っていたことが分かり、賭けに勝利する。

さすが、古典は面白い!

英国紳士が、ギリギリのスケジュールを粛々と進めていく作品。途中、船に乗り遅れてしまったり、殉死を強要させられた婦人を助ける等の事件も勃発するのですが、フォッグ氏は剛胆さと財力で解決して、決して慌てることがありません。
最後は賭けに負けてどうなるのかと思いきや、叙述トリックで大成功という気持ちのいい終わり。
本人たちは至って真面目だけれど、どこかユーモアたっぷりな浮世離れした主人と従者の旅という意味で、近代版「ドン・キホーテ」だと思いました。実際、フォッグ氏の召使いパスパルトゥーには、サンチョ・パンサのイメージが被りました。

日本人としては、日本(横浜)が克明に描写されていて、且つ悪くない描かれかたなのも嬉しかったです。

第3回は、ジーニアス・セイジから。
率直に言って、苦労しました。

【除外ルール】

  • 公式サイトでキャラクターの紹介に使われている台詞は除外。
  • 小説版、漫画版、OVA等の台詞は除外。
  • その他、そのキャラクターを代表すると思われる台詞は除外。

まず除外される台詞は、公式で使用している下記2点。
「ボク、どんどん人間が嫌いになってくみたいだよ」(GC)
「ロイドといたら、ボクの人間嫌い…治るような気がする」(PS2)
まさかの人間嫌いネタ2連続でした。
しかも、どこで発せられた台詞か分かりません。後者は恐らくヘイムダールの星見(ジーニアス好感度1位)ですが、自力で聞いたことはない台詞です。

ジーニアスの名言は、ちょっと思い浮かばなくて、シルヴァラント救いの塔でロイドを引き止めるシーンや、テセアラ救いの塔で離脱するシーン等、印象深い箇所は多いのですが、名言とは言い難いのですよね。
そんなわけなので、とても苦労しつつ私が選んだのはこの台詞です。

ここから先は、たぶんボクたちでやらなきゃならないんだ

スキット290番「ボクたちの使命」での台詞。
ハーフエルフ禁制の土地ヘイムダールに、ロイドの尽力によって入れてもらうことができたジーニアスが、感謝と共に告げる決意の言葉です。

ジーニアスは、シナリオ上だと被差別種族であるゆえの暗い台詞や、他人についてどうこう言う台詞が割と多かったですが、ここで初めて、社会に文句を付けるだけでなく、自分たちでなんとかしようと前を向いた気がします。
そしてこの台詞が、世界再生後のセイジ姉弟の活動に繋がるんですね。

次回は姉さんにバトンタッチします。

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ゲームアーカイブスのミュージカルRPG「マール王国の人形姫」を始めました。
→マール王国の人形姫 ソフトウェアカタログ

現在地:旅立ち(Lv.8)

人形と会話ができる不思議な少女コルネットが、魔女に浚われた王子様を助けるため冒険の旅に出るミュージカルRPG。
1998年発売当時、温かみのあるメルヘンチックなドット絵グラフィックに惹かれた作品です。ただ、「ミュージカル」RPGということで、劇中歌が挿入されることによる冗長感が気になって購入は見送っていました。
実際に遊んでみると、ミュージカルシーンは歌詞が表示されないため音量を上げる必要があったり、本作だとキャラクターの頭身が低いため動きをダンスとして認識できず、絵面的な面白さが薄いのですが、クルルとの絆を歌う「歩いていこう」等、楽曲は優しくて良いなと思いました。
ただ、こういう歌をウリにした作品だと、歌える声優を揃えるのかと思っていましたが、そんなことはなかったです(笑)。

旅立ちに至るオープニングのエピソードはある程度既知でしたが、まさかの「注文の多い料理店」ネタや、ミスコン審査に戦闘があるなんて部分には笑わされました。

難易度はかなり低い感じ。ターゲット層から考えると適当なのかな。
ただ、エンカウントが連続して起こる時があるのは気になりました。ランダムエンカウント制の場合、次にエンカウントするまで歩数制限があるRPGが一般的ですが、恐らくこのゲームではその調整がされていないのでしょうね。
それ以外のシステム面では、ストレスを感じるところはありません。

説明書はザッとしか読まずに始めたので、戦闘後にモンスターが仲間になったときはビックリしました。ドラクエVみたいですね!
モンスターもとても可愛いので、ちょっと嬉しいです。でも、人形も育てないといけないから、仲間にしたモンスターを活用する場面は少なそう。折角のシステムが勿体ないですね。
クマ人形のLくんが「願いが叶った」と成仏してしまった後、もしや人形はエピソードが進むと使えなくなる=穴埋めにモンスター育成も必須かと危惧しましたが、成仏後も人形自体は使えました。

川上健一著「BETWEEN ノーマネーand能天気」

病気で筆を折って10年。
山梨で自給自足の超貧乏生活を送っていた小説家が、再び小説を書き上げるまでの日々を描いたエッセイ。

著作リストを見ても覚えがないので、読んだことのない作家。
なんだか緩い語りに引き込まれて読んでみました。
愛情豊かな家族と個性豊かな仲間たちに囲まれたド田舎暮らしは、何とも言えない味わいがあって面白かったです。みんな明るくて、あっけらかんとしていて、物事を引き摺らないのが素敵。また、仲間たちについている渾名が良いんですよね。「男爵」の奥さんだから「メークイン」とか、酷いんだけれど、笑える。
癒されるけれど、こういう生活を自分ができるかと言われると、性格的に、ちょっと難しいかな。

個人的には、最も現在に近い時間軸を描いた「単行本あとがき」があるせいで、逆に少し締まらない終わりになっていたのは少し残念でした。

クリアしました。
最終セーブ時点で66時間。スコールLv.45、リノアLv.38、セルフィLv.37。残りの3人はLv.15。Seedレベル13。

アルティミシア城の仕掛けは、難易度の差が激しくて苦労しました。
オルガンはまったく分からず、スルーしました。どこかにヒントがあったのでしょうか。でもコマンド封印はすべて解放できたので、あの設備は関係なかったのかしら。

万全の状態に整えてアルティミシア戦に挑んだのですが、まさかの戦闘参加メンバーランダム制でした!
最初に指定されたのは、アーヴァイン、スコール、キスティスの3人。
実は、スコール、リノア、セルフィにG.F.を集中させていたので、万一スコールでなくゼルが入っていたら、敗北確定でした。実際、クエイク一発でアーヴァインとキスティスの2人はオーバーキルされてしまい、代わりに補充されたゼルも数ターン後に離脱。
結局、ベストメンバーで戦うことになりましたが、実際はスコールの連続剣だけで戦い続けて、残りの2人は回復したり無駄に補助魔法を掛け合って遊んだりした感じです。
全員がHP1にされる攻撃は辛かったですが、魔法もアイテムも豊富にあったので、最後まで余裕を持って戦えました。

スタッフロールのムービーはとっても良いですよね。
適度に素人カメラ感があり、途中で撮影者が交代するところなどが好きです。シナリオ本の段階でも気に入っていたので、実際に見ることができて嬉しかったです。
しかし、スコールの笑顔は、分かっていても衝撃映像でした……。

ということで、総評。

ストーリー

最終的には面白かったです(Disc3除く)。
勿論、色々な方のFF8解釈を読んでから挑んだので、展開に引っ掛かることが少なかった点や、スコールたちが10代の未熟な若者だと分かった上で、大人の目線で遊んでいたから、というプラス要素が影響していることは確実です。
実際に遊んで意外だった点として、メインの話はさほど長くないのですね。それに、街が少ないので、世界を小さく感じました。

グラフィック

CGは、1999年(20世紀)のゲームとしては本当に凄いですね。これは、単なるグラフィックの善し悪しというより、演出の巧さのような気がします。
私は、映画とゲームはまったく別の良さを持つものであって、決して映画に近付く必要はないと思っています。しかし、本作で制作チームが目指したのだろう「映画のようなゲーム」は確かに表現できていると思いました。
ロードが長いので、短気な私は時々イライラしていましたが、当時の技術レベルでこれだけのCGを動かすとなると仕方ないんだろうと思います。

システム

システムは独特。これを理解できないとマイナス評価になるのは致し方ないかなと思います。しかも、説明書やゲーム中の説明も、まず「ドロー」ありきのように読み取れてしまうのが問題ですね。
私自身は、カード→アイテム変換→魔法変換というアビリティを駆使して、かなり楽に遊びましたし、こういう自由な攻略ができるゲームは好きなのですが……。
特にG.F.が揃う終盤は、1日中ジャンクションを組み直したりして、あれこれ悩んで楽しんでいました。
ただ、勝手にジャンクションを外されたり、メンバー入れ替えのため付け替えたり、と面倒だと感じる局面もあったので、魔法とジャンクション設定をそのまま別のキャラクターに譲渡するコマンドがあれば良かったと思います。

考えてみると、FF8は、万人向けのゲームではありませんね。
「ファイナルファンタジー」でなく、「サガ」等の名前で出したらもっと素直に評価されたのかも?と思います。

プレイの目的だった、カードゲーム(Triple Triad)は面白かったです!
拡張ルールが入ってくると、カード自体は強くても負けることがあり、凄く燃えました。
対戦相手(AIレベル)、ルールを指定して好きなように遊べる機能があったら、本当に延々カードゲームだけで遊び続けられたんじゃないかなぁ。