TVアニメ「アルスラーン戦記 風塵乱舞」5話「決別」
エンドカードは、森川ジョージ氏による初期アルスラーン一行。
http://arslan.jp/2/
今週は、完全に「水戸黄門」でした。
ペテルギウス総督を断罪するシーンは、左右に助さん&格さん(ダリューン&ナルサス)という構図から狙っていたと思います。「生きたお土産」が、酒席というソフトな表現になっていたのも、余計にお銀さんみたいでした。
一方、家捜しギーヴの方に対しては、久し振りに本職で働いているな、と誤った感想を抱いてしまいました。ギーヴは吟遊詩人でしたね。もう少しウードを持ち歩いてくれても良いと思います。
荒川版ペラギウス総督、悪党だけれど憎めない奴にされていて、結構好きです。私、ザンデの顔も好きだし、顎がしっかりした顔が好きなのかな……。
そんなわけで、前半は楽しく視聴しました。欲を言えば「わたしのような絶世の美女がふたりとおるとでも思ったか」という、ファランギースらしい高飛車な台詞と、殿下がペラギウスに対して「法の枠のなかで総督が貯えたものは残してやってよい」と慈悲を下す箇所は入れて欲しかったかな。
ちなみに、女官に迫るシーンでの「壁ドン」ドアップで描かれるギーヴの色男ぶりには震撼しました。作画が不安定なアルスラーン戦記ですが、ギーヴはあまり崩れた記憶がありません。描きやすそうには見えないけれど、美男子設定が作画も下支えしているのでしょうか。
Cパートがあるとは思わなかったので、驚きました。
エトワールがどうしてこの件に関わっているのか、説明は次週かな。アルスラーン戦記にしては珍しい、来週への興味を引くやり方ですね。
しかし、原作のエピソードをピックアップしているのに、全体が微妙に改変されているのがモヤモヤします。単なる台詞の取捨選択だけでなく、本質が変わっているような気がする箇所もあります。
例えば、海賊退治を商人達と約束するシーンがないから、グラーゼが個人的に財布を出してくれているように見えるし、そのせいで、グラーゼを総督代理に推す理由が、単なる恩賞人事に見えてしまうのも心配。戦争と経済に関する説明は、もう少し入れて欲しいです。
唯一、海賊戦における潮の流れと火を使った戦術は、ほぼ原作通りとはいえ、一個人の武勇だけでない戦いが描かれていて良かったと思います。