• 2017年01月20日登録記事

エッセイ色々。

姫野カオルコ著「ジャズをかける店がどうも信用できないのだが……。」

「そういうことになっている」ことに突っ込んでいくエッセイ。確かに不思議だと頷かされたり、そんなことに拘らなくてもと思ったり、人それぞれの価値観に気付かされます。
深く考え始めるとなかなか哲学的な要素もあり、独自の視点が面白いところ。実用書(エロ本)の考察には苦笑しました。

群ようこ著「財布のつぶやき」

「財布のつぶやき」「いつものごはん」「家のうちそと」「日本語なのにわからない」の4つのカテゴリーの語りを収めたエッセイ集。
日常を群ようこ節で語っていますが、こと金銭感覚に関しては、合わない人の話はとことん合わない、と痛感しました。

東海林さだお「昼メシの丸かじり」

抱腹絶倒の食レポエッセイ。もちろん、全編にイラスト付きで、これまたクスリと笑わせます。
ひたすら食べる話だけが続くのに、常に新鮮に読ませて、各話きちんとオチをつけるという、これぞ待ち望んでいたエッセイでした。これがシリーズ19作目というのだから、脱帽です。

米原万里著「ヒトのオスは飼わないの?」

本業の翻訳話ではなく、飼っている犬猫に関するエッセイ。タイトルの時点で、もう掴みが完璧です。
個性豊かな犬猫たちの様子を読んでいると、いつしか自分が彼らと一緒に暮らしている気分にさせられました。エッセイにしては山あり谷ありでドラマチックなのは、作者のスケール感でしょうか。