• 2017年01月06日登録記事

PSゲームアーカイブスの戦略S-RPG「エピカ・ステラ 〜Epica Stella〜」を始めました。

エピカステラ

→Epica Stella ソフトウェアカタログ

王国編(全20話)クリア。
今回総評から先に書いてしまいましたが、王国戦のラストバトルが非常に熱かったので、その感想は別途残しておこうと思います。

1話は、イベント→戦闘→イベント、という形で構成。展開が非常にサクサク進むので、遊ぶ方もサクサク進めてしまいました。特に、戦闘中のロードが一切ないのは素晴らしいです。

メインプロットは、主人公の少年が育ての親を失って自分の出自を知り、帝国打倒と王国再建を目指すという超王道もの。
正直、非常に単純なストーリーで、悪役や裏切り者は登場した時点で直ぐわかります。しかし短い展開ながら、大陸内の複数の勢力がきちんと描かれており、単なる「王国対帝国」に収まっていないので、決して陳腐には感じません。
負けても進む局面があったり、軽くコメディタッチな部分もあったり、ツンデレ要素が多かったりと、シリアス一辺倒でないのも意外で良かったです。

あなたのためにした事じゃないわ

お前達を倒すのは私と父上だ

独自の要素として、戦闘前のインターミッションに「作戦」という要素があります。キャラクターの会話を聴くだけですが、NPCが多いこともあって、組織の一員として戦っている感があったのは良かったです。
後半戦はただの飾りになっていましたが、序盤は戦いかたのヒントも折り込まれていて、なかなか役立ちました。

作戦

戦闘は、素早さに応じて敵味方が入り乱れて行動するタイプの戦略シミュレーション。
難易度はやや高めで、システムが把握できるまでは、全滅スレスレでなんとか次のステージに漕ぎ着けていく感じでした。

本作の戦闘の面白さは、TP(疲労度)にあります。
攻撃や防御といったアクションでTPがいっぱいになると、「行動不能」状態になり、次のターンまで攻撃を防げなくなります。要は、タコ殴りの対象。そのため敵味方とも、HPだけでなくTPを考えて行動する必要があります。最初はこれに気付かず、敵陣のど真ん中でTPを溜めてしまい、為す術無く撃破される仲間を作ってしまうことも多かったです。逆に、TPを操作する術を覚えてからは、強敵にTPを溜めさせて行動をキャンセルさせるなど、上手く操作できたときの痛快さがありました。
強力な一体と、複数の弱兵が上手い具合に拮抗する、面白い戦闘システムだと思います。

エピカステラ戦闘

成長は、レベルアップ時に任意のステータスに3ポイント割り振る形式。
これも自分なりの育成ができて良かったですが、スキルを覚えるのに特定のステータスの数値が必要なのに、それが具体的にわからないため、無駄振りが多くなってしまうのは少し勿体なかったかな。
なお、私は最初DEX重視に振っていたのですが、途中でAGLがもの凄く重要な要素であることに気付き、AGL特化ユニットばかりになってしまいました。そのせいで、後半は回避に失敗すると一気に瀕死という、非常にピーキーなバランスになって、常時スリルを味わいました。

大変面白いゲームでしたが、良くない点もあげておきます。
まず、オープニングムービー。普通、オープニングはゲームへの期待感を高める要素を担っていると思いますが、本作の場合はクオリティが低過ぎて、プレイ意欲を殺いできます。
実は、OPを見たあと2日くらい放置しました。

エピカステラOP

作中のグラフィックも粗いですが、これはPS1という時代を考えれば許容範囲でしょう。

それから、音楽。
明るく楽しい曲が揃っています。それ自体は良いのですが、シリアスなシーンでも明るく楽しいので、少々気が散りました。

難点はありつつも、正に「埋もれた良作」という感じの戦略シミュレーションRPGで、中毒性がありました。TP制は画期的な要素だと思うので、他のゲームで活用してくれないかしら。
ルート条件が少し厳しいですが、頑張って帝国編も遊んでみたいと思っています。