• 2017年02月登録記事

徳川宗英著「徳川家に伝わる徳川四百年の内緒話」

田安徳川家の当主が語る、徳川家康以降の一族の逸話。

正直「タイトルに偽りあり」です。
筆者自身が、子々孫々と伝わるものでないと断っている通り、将軍たちにまつわるエピソードは、他の文献で知ることができる話です。8割くらいは、歴史好きならどこかで聞いた話だな、と思う話です。松平定信が京伝のファンでサインを貰っていた、という話などは知らなくて「へー」と笑っちゃいましたが。
徳川慶喜より後の、将軍にならなかった人々の話は、さすがに知らないエピソードが揃っていましたが、それを読みたくて本書を手にしたわけではないのです。

子孫の立場から、ご先祖様の偉業や恥部に関する感想をまとめた本と見れば、それなりに味があります。決して徳川万歳という姿勢ではなく、あくまで「先祖なので身贔屓してしまうが」というスタンスな筆者の人柄は好ましかったです。
真摯に、わかりやすく書かれているので、江戸時代に対する知識を深めたい方には良い入門本です。
それゆえに、有名人の秘話が読めると期待させて裏切るタイトルは、望ましくなかったと残念に思います。

現在地:Chapter01(強くてニューゲーム)
シリーズ記事「FF15 物語を見直す旅」の趣旨は、2017年2月1日記事参照。

シドニー

シリーズ3記事目にして、ようやく、最初のクエストです。

注意:ゲーム本編・映画・アニメネタバレ満載です。
現在FF15プレイ中でネタバレを気にされる方は、進行状況を確認の上、ご自身の判断でお読みください。

レガリアを預けた後、誘導通りハンマーヘッドで仲間と過ごしていると、金がないことが判明し「貧乏王子の生活費稼ぎ」→「変種の野獣討伐」とメインクエストが進みます。

貧乏王子の生活費稼ぎ

この辺は最序盤だけあって、丁寧に作られています。会話も色々充実しているので、聞き逃さなければ世界観は分かっていけそうです。
ハンマーヘッド付近の電柱が折れている考察で「孤峰の目覚め」の伏線が貼られていたり、トウテツの生態に関する会話など、一周目は聞き流したのか、記憶にないやりとりもあって、改めて惹き込まれました。
整備が終わったらガーディナに行く、という短期目標も語られていて、本筋の誘導はバッチリ。

ただ、デイヴと会った後、ハンターについての会話を受けてプロンプトが零す下記の台詞は、少し分かり難そうです。

オレ 彼らの前でコレ着られないな

プロンプトの立場が他の2人とは違う、と知らないプレイヤーには、プロンプトがこう言い出す理由も、なにを考えての発言かも想像が付かないでしょう。解釈は色々できるので、これが正解とは言えませんが、このくらい補足しておきたいと思いました。

【変更案】
オレなんか 一般市民なのに 警護隊の服着ちゃって
彼らの前だと恥ずかしいな

やや語り過ぎの気もしますが、キャラクター設定を調べていないプレイヤーにも理解させるなら、プロンプトは「一般市民」だとハッキリさせておいた方が良いでしょう。

クエスト「変種の野獣討伐」の中では、前後を考えると不自然さなやりとりが2点気になりました。

まず、シドニーから「こっちの整備も もう終わったよ」と電話を受けてハンマーヘッドに向かっているのに、ズーと遭遇するシーンの直前にプロンプトが「レガリアもそろそろ整備が」と言い出すこと。
ノクトが電話内容を仲間に話していないためプロンプトは整備が終わったと知らない、とも考えられますが、デイヴ救出のときは、ノクトは聞いたけれど仲間に話していない情報をグラディオが口にしていました。そのため、情報は共有しているという認識をしていたので、違和感を受けました。
FF15はここ以外でも「全員で共有しているのか」「1人しか知らないのか」が曖昧で、プレイヤーに疑問を抱かせる要素があると思います。

もう1点は、討伐後に「次の運転役はイグニス」と話し合い、本人も了解していたのに、その後レガリアを受け取ると「少し運転してみるか?」とイグニスから提案されること。

少し運転してみるか?

オートドライブとマニュアルドライブのどちらで進むかを決める要素ですが、この選択肢を挿入するなら、事前のやりとりでも「ノクト次第だな」とまとめておいて欲しいですね。さっきイグニスは運転を引き受けていたのに、と齟齬を感じました。

突っ込んでばかりですが、2周目自体は楽しんでいます。
1周目のときは気付かなかった、ハンマーヘッドに滞在中のサニアを見付けて、本当にいた!と嬉しくなりました。

サニアとグラディオラス

なにより、Chapter01は平和な状態なので、探索が楽で良いです。街の人々の会話も、このタイミングしかない貴重な会話が多いので、聞き逃さないようノンビリ進めています。


記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
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参考記事

現在地:Chapter01(強くてニューゲーム)
シリーズ記事「FF15 物語を見直す旅」の趣旨は、2017年2月1日記事参照。

耐熱防火服

「強くてニューゲーム」で衣装を引き継ぐことで生じる「台無し感」に、既視感があるなと思ったら「テイルズオブ」シリーズでした。

注意:ゲーム本編・映画・アニメネタバレ満載です。
現在FF15プレイ中でネタバレを気にされる方は、進行状況を確認の上、ご自身の判断でお読みください。

Chapter 01 旅立ち

衣装を変えて、仕切り直し(笑)。

オレもう喉かわいて死にそう

まず、本Chapter開始時のシナリオ解説は、下記の通り。

主人公ノクティス・ルシス・チェラムは、
隣国で行われる自分の結婚式のために旅立とうとしていた。
3人の親友と、父の愛車『レガリア』と共に。

簡素にまとまっていて良いのですが、下記の3点が気になります。

  • 結婚は帝国との停戦協定に基づく、という説明がない。なぜいま結婚式を行うのか、という状況説明が不足している。
    そのため、Chapter09時点でも「結婚式をするんじゃなかったの?」と誤解したままのプレイヤーがいる(実際は、停戦協定がなくなった時点で、結婚式をする理由はなくなる)。
  • 「隣国」は正しいが、「アコルド」という国名は後半まで登場しない。一方、直前のカットシーンやこの後の会話で、目的として「オルティシエ」という地名が強調される。この結果、オルティシエを国名と誤解しやすい。
  • 「旅立とうとしていた」だと、現在の時間軸が出立前だと誤読できてしまう。

この辺を改善した上で3行に収めると、こんな感じでしょうか。

【変更案】
主人公ノクティス・ルシス・チェラムは、
帝国との停戦条件として行われる、自分の結婚式のため旅立った。
3人の親友と、父の愛車『レガリア』と共に。

目的地を削ってしまうのは気掛かりですが、本編が始まれば明かされることなので差し支えないと判断しました。

旅立ち

旅立ったくせに、本編が動かないレガリアの側で力尽きているシーンから、という始まりは、なかなか面白い掴みだと思います。
会話も4人の気安い関係や性格を表しています。

世界広いわ

ただ、なぜレガリアが動かなくなったのか曖昧にされている点が、気になるプレイヤーは引っ掛かるでしょう。後ほど、燃料切れを示唆する台詞もあるのですが、ハンマーヘッドで修理が必要になるので、故障なのですよね?
ノクトが「調子に乗り過ぎたな」と責められているので、運転が粗雑でぶつけたとか色々考えられますが、答えはわかりません。
曖昧にしておく必要がない箇所なので、事故なら事故、と明確にして欲しいです。

ハンマーヘッドに到着すると、シドニーが登場。
第一声に続く「えっと どれが王子?」という台詞は、非常に無作法でビックリさせられます。

えっと どれが王子?

そもそも、FF15のキャラクターは全般的に、丁寧語を話しません。一応「王族だからといって敬意を払われるわけでない世界観」なんだろうと納得していますが、その理屈とは関係なく「どれ」は問題です。英語の「witch」は人もモノも一緒くたで可ですが、日本語の「どれ」はモノ寄りです。
写真に映った人々を指して「どれが○○さん?」と聞くのは可でも、面と向かって「どれが○○さん?」と聞く人はあまりいないでしょう。
階級を意識しないシドニーと、そんな扱いをされても怒らないノクトの人間性を表しているのかもしれませんが、だとしてもここは「が王子?」で良いはずです。

その後のやりとりは、ノクティスが結婚を控えた身であることを再度印象付けた上、結婚相手が「様」付けで呼ばれ敬愛されていることも分かるので良いですし、シドの「親父の威厳をそっくり拭き取ったような顔だな」という皮肉は、凄く好きです。

次に口を出したいポイントは、操作ターンに移行して最初の「しばらくここに滞在か」というイグニスの台詞です。

しばらくここに滞在か

彼等の目的は「結婚式」というイベントであり、オープニングで「旅の行程」も提出しています。つまり期日があるはずなのに、この後プレイヤーは幾らでも日数を経過できるため、突っ込みの対象になります。
そこで、台詞に続けて「まぁ 数日の遅れは織り込み済みだ」程度のフォローを入れておけば、多少ゆっくりしても良いとお墨付きを貰えてプレイヤーも安心できますし、イグニスが用意周到なキャラクターだという印象も与えられそうです。

次回へ続きます。


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参考記事

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常に旬のフルーツに限定したケーキを販売する洋菓子店「ファウンドリー」にて、今回は苺(あまおう)を頂きました。
→いちじくのタルトの感想は、2016年9月5日記事参照

福岡県産大粒あまおうのタルト(練乳ソース添え)

甘さの中に、フルーツの瑞々しい爽やかさが溢れ出る美味しいタルトです。
それなりの大きさがあるのですが、手を止めるタイミングなく、ペロリと食べてしまいました。

まず、ベースのタルト生地が約2cmと分厚く、タルト好きとして幸せを感じます。
苺のジャムの上は、爽やかな生クリーム。重さは感じられず、クリームが苦手でも気にならなそうです。
そして上部の苺を固定する赤ワインのゼリーは、硬過ぎることも緩過ぎることもなく、これぞプロの技だと感じ入りました。

一切れごとに、練乳ソースを入れたスポイトが付いています。
ソースは練乳そのものではなく、水っぽくも見えますが、かけると甘さがグッと強まります。決して後まで残る下品な甘みではありません。
私としては、練乳なしの方がいちごを味わえて好きですけれど、途中で味わいを変えられる点は楽しいと思います。

欲を言えば、もっと隙間なくいちごを敷き詰めて欲しかったです。
切り分けられた部分にもよると思いますが、先端の方に実がなくて、少ないと感じてしまいました。
悔しいから、今度はいっそホールで買おうか……!

高尾慶子著「イギリス人はおかしい 日本人ハウスキーパーが見た階級社会の素顔」

日本人がイギリスに対して抱きがちな、妙な親近感と憧れを打ち砕くエッセイ。

「労働階級から見たイギリス」という切り口は意外と新鮮です。保守党から労働党に政権交代したときの時局などは、勉強になりました。
ズケスケと自分の思うところを言いたい放題するところは、痛快でもあります。
ただし、リドリー・スコット監督のハウスキーパー時代の話が多いため、「暴露本」の側面を含んでいることや、借金を返さない女性や警官とのやりとりなど、少々下品に感じる部分もありました。
筆者は、著書を通して日本人が抱く英国紳士の夢を砕き、自身の言動を通して西洋人男性が抱く大和撫子の夢を砕いているわけですね。

監督の御母堂と宝塚ロンドン公演を観劇し、宝塚歌劇団の実力を絶賛されるくだりは、一ファンとしてむず痒い気持ちになりました。
当時の精鋭を全組から集めたプレミア公演だったので、決して過剰な評価ではないと思うけれど……。この頃のような、「凄い公演」を今の歌劇団でできるものかな、と少し考えさせられます。