• 2017年02月登録記事

菊間千乃著「私が弁護士になるまで」「私がアナウンサー」

元フジテレビアナウンサーの手記。
発行順は「私がアナウンサー」→「私が弁護士になるまで」ですが、私が読んだ順番が逆なので、本記事でも読んだ順番通りに語りたいと思います。

2冊とも、本人写真が大きく掲載された表紙ですが、元フジテレビアナウンサー・菊間千乃という存在をまったく記憶していなかったので、有名人本という意識はありませんでした。
「私が弁護士になるまで」の未成年タレントとの飲酒問題を語るくだりで、「そういえばそんな報道があった」と思い出したくらいです。その前に起こった転落事故に関しては、まったく知りませんでした。

私が弁護士になるまで」は、32歳でロースクールに入学し、退職して司法試験に挑み、2度目に合格。弁護士事務所で勤め始めるまでの経緯を語る内容。
将来は見えないまま、とにかく勉強する受験者たちの姿に圧倒されました。いかに効率良く猛勉強するか、を語っているだけなのに、面白かったです。ここまで本気で勉強できるというところに感心します。
最後は努力が報われる上、友達と支え合う姿、理想とする弁護士像についてなど、美しくまとまった一冊だと思います。

私がアナウンサー」は、女子アナウンサー時代に起きた生放送中の転落事故と、復帰までを語る内容。当時の報道、医療記録、証言、自身の日記、インタビュー等から再検証して語っているので、ややルポルタージュ風と言えます。
下手な医者で不快な思いをした話なども赤裸々に書かれていて、「弁護士」よりも一段若い素顔が覗けます。

悪気は一切ないけれど、負けん気と我が強い女性なのだろうな、と感じさせる“地”が滲み出る2冊で、なかなか面白かったです。

PSP「幻想水滸伝I&II」を始めました。
本作は、PS初期の名作RPG「幻想水滸伝」と続編「幻想水滸伝2」をカップリング移植したソフトです(以下、「幻水1」「幻水2」と表記)。

幻想水滸伝I&II

「幻水1」は、未プレイですがノベライズ版を読んでいます。
「幻水2」は、PSで途中までプレイしましたが、珍しく未クリアです。確かプレイ中に「取り返しのつかない要素」を知ってやる気が殺がれたところに、他のゲームが発売され、放置することになったのでは。
遊んでいる最中は非常に面白いゲームだと思って、熱中しました。攻略本や「108星キャラクターガイド」を購入しましたし、ある程度書籍を整理したときも、いつか使うと思って、攻略本の方は手元に残してあるくらいです。

しかし今回始めたのは、初プレイとなる「幻水1」の方になります。

取り返しのつかない要素は、あまり気にしないことにします。先の展開を知っているから、強制離脱するキャラクターに貴重アイテムを持たせない、程度の配慮はしますけれどね!

で、開始早々、サラディに行ってきました
ゲームの進行を無視し、開始直後の坊ちゃん1人、またはテッドと2人のタイミングで虎狼山を越えた先にある町サラディまで行くと、貴重な封印球が貰えるという裏技です。
1人旅はさすがに難しいと思い、2人旅を選んだのですが、2人でも予想より大変な道程でした。
最終的に封印球を手にした時点で、ゲーム中のプレイ時間は1時間かかっていない程度。
しかし最初に、死ぬ→諦めない(ロード)→死ぬ→諦めない(ロード)→死ぬ…という流れを十数回繰り返し、その後も状況によってはリセット→ロードで粘ったので、倍くらい掛かっていたと思います。
実は、最初の街(グレッグミンスター)周辺は、初期マップではありません。先にイベントで魔術師の塔へ立ち寄り、レベルが多少上がってからグレッグミンスターの外に繰り出す流れになっているので、周辺の敵はやや強敵。しかも、最大6体登場という鬼のような仕様になっています。まあ、本来なら味方も5人は揃っているのですが……。
そんなわけで、Lv.1の坊ちゃんとテッドでは、「ふさふさ」1匹しか相手にできません。ふさふさ1匹を引き当てるまで、ひたすら死ぬクソゲーだったわ(笑)。

最初は「ふさふさ」1匹、Lv.2以降は「ふさふさ」3匹との戦闘を中心に繰り返し、Lv.4くらいからある程度安定し始めました。グレッグミンスターの外へ行く自信ができたのは、クロウとイノシシの構成に勝てた辺り。
そうしてロックランド、レナンカンプまで足を伸ばし、防具を揃えたり、武器を鍛えたり、と補強もしつつ、絶対安全と思えたのがLv.10。ここまで成長すると、虎狼山のモンスター相手でも「逃げる」コマンドが「逃がす」に変わり、確実に行って帰って来られるようです。実際は2人パーティだから、頻繁に出現する「はいよるねんえき」6匹なんかと実際に戦ったら、負ける確率の方が高かっただろうと思います。

そんなこんなで1時間弱+消えた1時間くらいの手間をかけて、無事、金運の封印球を入手。

金運の封印球

早速坊ちゃんに宿しました。達成感を味わって大満足です。
ただ、ソウルイーターを受け継ぐ前に外しておかないと、上書き消滅しそうなので、仲間が入ったらグレミオに譲り渡そうかな……。

現在地:Chapter01・不穏な報せ(強くてニューゲーム)
シリーズ記事「FF15 物語を見直す旅」の趣旨は、2017年2月1日記事参照。

一行のもとにとんでもないニュースが飛び込んで来た

長かったChapter01も、遂に終了です。

注意:ゲーム本編・映画・アニメネタバレ満載です。
現在FF15プレイ中でネタバレを気にされる方は、進行状況を確認の上、ご自身の判断でお読みください。

宿を引き払い王都へ引き返す下りは、ローディング中説明を使って割愛。この説明挿入は、情報整理もできていいと思います。
ただ、背景がレストショップ・ランガウィータなせいで、妙に存在感のあるケニー・クロウ看板が気になります(笑)。

さて、初っ端はストーリーと関係ない話ですが、丘へ向かう道で帝国兵を全滅させると、武器改造アイコンの付いた「ドレインランス」を取得できます。
すると、「武器改造マークの説明」のシステムメッセージがアイテム取得表示の前に表示されます。

武器改造

これは実際の“+”アイコンを見てから言われた方が「このマークのことか」と理解しやすいので、システムメッセージはアイテム取得表示と同時または後に表示すべきだと思います。

<2017.4.1追記>
Ver.1.08にて、アイテム取得後にメッセージ表示する形に変わっていることを確認しました。修正有難うございました。

丘まで辿り着くと、プロンプトのスマートフォンでニュースが聞けます。

女性キャスター
ーー両国間で行われていた停戦協定については
今回の事件を受け 当面の凍結が発表されました
また 崩御されたレギス国王陛下に続きーー
ノクティス王子 そしてテネブラエのフルーレ家神凪
ルナフレーナ様のご逝去が 新たに確認

このニュースについては疑問が残ります。
「停戦協定の凍結」を発表したのは誰でしょうか。ルシス側に発表する余裕があるとは思えませんし、帝国側が発表するとしたら「インソムニアの制圧」のはず。世界設定によると帝国とルシス王国しか国家は残っていない筈なのに、妙に第三者視点だなと思います。

ニュース

それから「テネブラエのフルーレ家神凪」という説明も、余分です。
「テネブラエのフルーレ家神凪」と誤読できるため、「神凪」が世界で1人の称号ではなく、複数居ると誤解できます。世界で唯一の称号を持っているのですから「神凪」だけで構いません。どうしてもルーナの肩書きを網羅したいのであれば「神凪である テネブラエのフルーレ家令嬢」という記載順にすべきです。

そして、ノクティスとコル将軍の通話ですが……
コル将軍って、会話下手なキャラ設定ではないですよね? なんだか噛み合ない会話をするので、電波が悪くてノクトの言葉が聞こえていないのか、などと考え込んでしまいます。
まず、通話内容は以下の通り。

ノクティス
もしもし
コルか?

コル
無事で いるようだな

ノクティス
どうなってんだ

コル
いまどこに

ノクティス
外だよ そっちに戻れない

コル
ああ

ノクティス
ああってなんだよ なんなんだよこれ
オレたちはどうしたらいいんだよ
オヤジは ルーナは
王子が死んだってどういうことだ 説明しろーー

コル
オレは ここを出てハンマーヘッドへ向かう

ノクティス
はぁ?

コル
陛下は 亡くなられた

ノクティス
(王都を振り返る)

コル
何が起きたかは必ず教える まず そこを動け
また会おう

ノクティス
ああ

私はコル将軍の台詞を全面的にだと思っています。その原因は、下記の点にありそうです。

  • 電話を掛けたのはノクトなのに、呼びかけに答えず勝手に喋り始めるので、将軍から電話してきたように錯覚させられる。
  • 居場所を把握していないのに「無事でいる」と決めつけている不自然さ。
    通常は「無事か? どこにいる?」という順番になるのでないか。
  • 緊迫した状況での淡白な「ああ」という返事。
    会話の最初であれば「茫然自失としていた」と解釈できるが、最初は普通に喋っていたので、態度が急変したように感じる。将軍の人格に疑いが抱かれる。
  • ノクトの問いかけに対し、レギスの死を告げる以外は基本回答していない。

というわけで、気になったところは書き換えてしまいました。

【変更案】

ノクティス
もしもし
コルか?

コル
ああ

ノクティス
どうなってんだ

コル
王子は いまどこに

ノクティス
外だよ そっちに戻れない なんなんだよこれ
オレたちはどうしたらいいんだよ
オヤジは ルーナは
オレが死んだってどういうことだ 説明しろーー

コル
陛下は 亡くなられた

ノクティス
(王都を振り返る)

コル
オレは ハンマーヘッドへ向かっている
王都のそばは危険だ そこを動け
何が起きたかは必ず教える また会おう

ノクティス
ああ

少しは自然な会話の流れになったでしょうか。

ノクトの「外だよ」という回答は変更しませんでした。少し範囲が広過ぎますが、具体的な地名がない丘ですし、その後の台詞から、王都に戻ろうとしている=王都付近にいるという情報は伝わるので良しとします。
なにより、ノクトはルーナが王都にいたことすら知らないのですよね。当初の予定通り、彼女もオルティシエに向かっていると思っていたはずです。「ルーナは王都にいたのか?」という根本的な疑問から、もっと混乱しても奇怪しくないところを、かなり抑えていると思います。

それから、コルが「王都を出てハンマーヘッドへ向かう」と言っていたのに、王都の外(ハンマーヘッド寄り)にいるノクトたちの方がこの後ハンマーヘッドに遅れて到着するのは、辻褄が合いません。
よって、電話があったときには、コルはハンマーヘッドに向かっていたと考えた方が自然だと思い、そこは若干変更しました。

電話中のノクト

自分で変更しておきながら、この変更案は大きな問題を1つ抱えています
それは「父親が死んだ」という衝撃的な情報を伝えられた直後のノクティスは、その後の情報を全部聞き落としそうだ、という聞き手であるキャラクターの心理的な問題です。
もしかしたら「ハンマーヘッドへ」という情報を確実に伝えるために、将軍は敢えてノクトの質問に直ぐ答えず、レギスの崩御を後から伝えたのかも……?


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参考記事

川上弘美著「風花」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
不倫した夫から離婚を申し込まれたのゆりは、「好きだから別れたくない」と突っぱねたまま、曖昧で途方に暮れた気持ちを抱え日々を過ごして行く。やがて、不倫相手は夫を捨て、のゆりは夫の転勤先に付いていく。数年後、身辺を変えていったのゆりは、遂に別れる結論に至るが、別れを告げられた夫は動転する。

小説を読み始めて3ページ目の段階で、主人公と「気が合わない」と気付き、残る100倍のページ数を耐えながら読破。私は白黒つけたい性格なので、非常に鈍いペースで物事を飲み込んで行く主人公に、終始イライラしました。

のゆりは反応が遅く、感情表現も薄いので、とっくに過ぎたことを「もっとちゃんと怒れば良かった」と思い返すシーンで、「この人は怒っていたのか」と驚かされたくらいです。
夫の不倫を知った妻が、夫と別れたいのか否かも曖昧なまま、ただ暮らし続けているだけという前半は、正直呆れ果てます。
私は自分が女性なので、不倫する夫を擁護したくはありません。しかし自分が男だと仮定して、のゆりのような終始茫洋としたつまらない妻を娶ったら、不倫したくもなるだろう、と思いました。もっとも主人公だけでなく、登場人物は全員、なにを考えているのか分からない人々でしたが。

人物には一切魅力を感じませんでしたが、半年以上も「保留」状態を続けて、周囲の状況の方が変わっていく様は、自分から動かない主人公ならではの展開で少し面白かったです。心の揺れの描きかたも緻密で、等身大の人間を描いた作品ではあることは間違いありません。特に、別居して一人暮らしの部屋で、上がったままの便座に虚をつかれる箇所は、確かに覚えのある光景だと思いました。
それだけに、裏表紙の「恋愛小説」という解説には、疑問が残りました。

現在地:Chapter01(強くてニューゲーム)
シリーズ記事「FF15 物語を見直す旅」の趣旨は、2017年2月1日記事参照。
※引用が多いので、商標記載を明示するようにしました。

旅路

注意:ゲーム本編・映画・アニメネタバレ満載です。
現在FF15プレイ中でネタバレを気にされる方は、進行状況を確認の上、ご自身の判断でお読みください。

ガーディナ渡船場到着前後は、観光気分の会話が多くて楽しいです。私が「青春ロードムービー」としてFF15を好評価するのは、未知の場所へ着いたときの仲間の会話から、旅のロマンを感じるからだとつくづく思います。

アーデン初登場。

残念なお知らせです

ここでの会話自体にはあまり意味がないと思います。アーデンを印象付けるためのイベントという感じですよね。精巧な銀貨(神凪就任記念硬貨)を渡してくる意図も色々考えたけれど、結局「意味はない」が結論な気がします。
また、アーデンの台詞は「相手の理解を求めていない」と思うので、基本的に添削はいたしません。私には絶対書けない台詞回しだとも思っていて、個人的には好きです。

ちなみに、アーデンとの対峙中、イグニスはずっと沈黙し続けています。一周目のときはこの態度を見て、相手の正体を察しているのでは、と想像したものです……。

運休

さらにイグニスは、船が出てないという話の真偽を問うプロンプトに「そんなはずは ないと思うが」と答えておいて、実際に定期船運航状況を確認すると「やはり運休か」と言い出します。
否定していたのに、まるで肯定していたように振る舞うのは、自分の間違いを認めない狭小な人物に見えます。イグニスをそう描写したいわけでないなら「本当に運休だったのか」と言わせて欲しいところです。

立ち往生中の王子一行に話し掛けて来る軽薄な男。

ディーノ

ディーノも癖のあるキャラクターですが、声優さんの演技で、憎めない感じになっていると思います。

翌朝、王都陥落のニュースが飛び込みますが……グラディオが読み上げるニュース内容で、まず引っ掛かります。

昨日の夜 調印式の席で騒ぎがあった
帝国軍は王都周辺を爆撃 国王陛下がーー死亡

まず、調印式が行われたのは「夜」でないですよね。映画を観ているとよりわかりやすいですが、ゲーム中のシーンだけでも日差しが出ている時間帯で、街頭テレビでも中継されていたし、パレードに多くの市民が集まっていました。

新聞

そもそもリード地方に流通する新聞は、どこで発行されているのでしょう?
王都は閉ざされているし、襲撃された状態で発行できるとは思えません。レスタルムならば設備的に可能そうですが、Chapter01の時点では通行止めされています。
なぜここだけ新聞が登場したのか、私としては疑問です。ラジオが情報源として普及した世の中なのだから、朝の目覚めにラジオをつけて、4人でビックリするという展開でも良かった気がします。

情報の不正確な部分や、設定に関する疑問は別として、会話として不自然且つわかりにくいと思うのが、その後の部分です。

イグニス
知らされていなかった

ノクティス
何がだよ いったいーー

イグニス
調印式は昨日だった そして王都はーー

ノクティス
バカ言うな オレたちはオルティシエにーー

イグニス
向かってたさ だが 襲撃されたと報じられている
今朝の国内すべての新聞にだ

第一が、初見だとなにを指しているのか分からない「知らされていなかった」こと。
この後シドから教えられる情報と混ざって、“調印式での決戦決行を知らされていなかった”と読み取る方を見掛けますが、この時点では4人ともルシス側が決戦を予定していたこと自体を知りません。よって、感想#21(2017年2月7日記事参照)で聞けるラジオ情報から、知らなかったことは「調印式の日程」のことだと推測できます。ただし、王都が陥落したという状況で日程のことを言い出すのは、少し違和感があります。

第二が、ノクティスの「バカ言うな オレたちはオルティシエに」という台詞。感想#19(2017年2月4日記事参照)で述べた通り、オルティシエ行きが単なる結婚でなく、停戦条件を果たすためだという前提があれば、ノクティスの言おうとすることがわかりそうです。しかし、現状ではそうなっていないので、何を言わんとしているのか分かり難いです。

説明補足するより、会話内容をまるごと見直した方が早い気がします。

【変更案】

イグニス
今朝の国内すべての新聞で
王都が襲撃されたと 報じられている

ノクティス
バカ言うな オレたちがオルティシエに向かっていたのはーー

イグニス
そう 停戦協定のためだった
だが 帝国に その意思はなかったんだろう

大幅に変わってしまいました。

  • 「知らされていなかった」台詞はプレイヤーに伝わらない。4人が日取りを知っていても知らなくても今後に関係ないため、丸ごと削除が妥当。
  • 調印式が昨日だったことは新聞記事でわかるので、再度言わなくてよい。

という点から、情報量を減らしています。これで「王都が襲撃された」「いまオルティシエに向かう必要がなくなった」という2点はわかるようになったかと思います。

ガーディナ

インソムニアに戻るという話が出た後、ちゃんとノクティスの意向を確認するのは好印象です。年長組が話をまとめた場合も、最終決定権はノクトにある、という主従関係が現れている箇所だと思います。


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参考記事