• 2015年07月登録記事

犬村小六著「とある飛行士への追憶」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
敵地に残された都市の傭兵飛行士シャルルは、単機で中央海を翔破し、皇太子の許嫁ファナを本国まで送り届ける密命を受ける。敵中を飛ぶ複座偵察機の中で二人は心を交わすが、地上に戻れば身分の壁が二人を引き裂く。シャルルはファナを迎えの飛行艇に渡すと、一人都市へ戻っていった。

元はガガガ文庫ですが、加筆のある単行本版で読みました。
イラストがないお陰で、二人が飛ぶ空の美しさや、ファナの美貌を自分で想像できて良かったと、個人的には思います。

ノスタルジックな雰囲気の作品。
まとめてしまうと非常に単純な筋ですが、古式ゆかしい、結ばれない結末を守ったのが、ライトノベルというレーベルではなかなか偉い判断でないかと思います。
お姫様と身分違いの恋をして別れるという筋は、映画「ローマの休日」的と評されているようですね。それは確かにその通りなのですが、私自身はどちらかと言うと空戦の描写が熱く、そこに引き込まれて一気に読んだ感があります。
そしてゲーマーゆえに、シャルルと敵エース・千々石の一騎打ち、そして終章で生き延びた人の証言を拾っていく辺りに、ゲーム「エースコンバットZERO」を感じました。海猫作戦について、作中活躍していない波佐見真一なる編隊長ではなく、千々石が語っていたら完璧に「ZERO」だったのにと思うと悔しいくらいです。

井上ひさし著「不忠臣蔵」

赤穂浪士の討ち入りに加わらなかった19人の「不義士」の事情を描く、19編の短編集。
多少似通った展開もありますが、すべてにちゃんとオチが付いているので全編面白かったです! 「さすが、井上ひさし」と唸りました。

どの作品も、軸となる一人ないし複数人の語りで綴られている形式。
そのため、小説ではあるけれど、そのまま高座や一人芝居の台詞として使えそうです。
私は忠臣蔵自体に関しては基本的な筋しか知らないのですが、十分話に付いていけます。時代物なので当時の風俗関係で多少難しい要素はありますが、テンポの良い語りに引き込まれ、次々に読み耽ってしまいました。

個人の事情を知ろうとせず物事を判ずる世間の無責任さが恐ろしくなったり、逆に言い訳全開の人物や、忠義を騙って切り抜ける浪人、真実を歪める者もあり、と色々な人生模様を見ることができました。
なんにせよ、物事の一面だけ見てはいけない、ということですね。

TVアニメ「GOD EATER」1話「空木レンカ」
http://anime.godeater.jp
ようやく見られました。

祝・防衛班地上波デビュー!
ということで、早くも防衛班の存在が確認できました。
第二部隊メンバー+シュンの姿を見られたし、班長は単体声も聞こえたので、テンションが上がりました。次週以降も映り込みに期待してます。主人公と絡む機会があるとすれば、やっぱり「討伐と防衛の差異」を入れて欲しいですわ。「フェンリルの犬」でも良いです。

賛否両論の絵柄ですが、PV通り塗りが独特で、この人物と神機を手書きしていたら納期が間に合わないだろうと納得しました。PVの時点では完全なCGアニメだと思ったもの。
スローモーション多用と、突然回想(白黒)に入る演出は少し分かりにくいと思ったけれど、他のアニメとは違う独自色として機能していたのは間違いありません。
まぁ、普通にゲームないしパチスロのデザイン使い回しの方が、評価は高かったんじゃないかと思いますけれど(苦笑)。

心配材料だったオリジナル主人公・空木レンカは、PVや事前情報で想像していたより真面目なタイプでした。もっと熱血に振り切れていて、訓練も嫌がるかと思ってました。まぁ、命令無視はするわけですが、無視して飛び出した戦場で活躍するわけでなく、割と無力なのは良かったと思います。
その他の面々は、ゲーム通りかな。
ツバキさんが、良い鬼教官として働いていて良かったです。
サクヤには色々な意味で久し振り感がありますが、格好いい登場と可愛い声のギャップが凄いですね。
エリックは助かって良かったけれど、やっぱりいつかは死ぬのかしら。ソーマとの仲良し設定は知っていたけれど、目の当たりにしたのは初めてで、しかも周りからも友達認識されていたのかと驚きました。
コウタは、やっぱり衣装が違うとコウタに見えなくて面白かったです。私なんか、2のコウタも、未だにコウタに見えないですからね……。

脚本に関しては、なんでB地区にエリックが先行できているのかとか、最初から帰投中の第一部隊を向かわせれば良いじゃないかとか、旧型だって捕喰形態があるだろうとか色々言いたいことはあるけれど、ゲームシナリオを踏襲するのではなく新たな形で展開させようという意欲は感じました。

TVアニメ「アルスラーン戦記」14話「異国の王子」
http://www.arslan.jp

エンドカードは真島ヒロ先生による、荒野のアルスラーン。

ここ数回、アニメオリジナルに走って不安を抱いていましたが、今回は安心しました。
宴が先で話が後という順番は、いかにラジェンドラ王子と言えど、この状態で酒を楽しめるかと疑問に思いましたが、Bパートの後半に盛り上がりを持っていきたかったからですよね。構成の都合と納得できました。
ラジェンドラの、王族特有の太々しさというか図太さというか、凡人なのか大物なのかよく分からない感が、鳥海さんの胡散臭い(笑)演技で表されていたと思います。
ファランギースとの間にギーヴがするっと割って入ったのには、「その位置に入るのか」と笑ってしまいました。1人酔い潰されてしまったけれど、負けるなギーヴ、頑張れギーヴ。

戦争シーンがあった割に作画は安定していたと思います。酒盛り中に、酒壷が明らかに変形していたけれど、ファランギース殿があまりに飲むから、足りなくなって後半は安い酒を出したのでしょう。
新約聖書でも、宴の最初は良い酒を、後半は悪い酒を出すものだと言っていますし……。

先週の総集編でエンディングが、今回からオープニングも新曲になりました。
私の第一印象としては、キャッチーさで前曲に軍配が上がりましたが、たぶん今回の曲も複数回聞く内に慣れるでしょう。
OPとEDで似たような軍勢のカットは、わざとリンクさせたのでしょうか。曲調も似通っているので、一方はバラードにするとか、差があった方が良かったと思うのですが、逆に統一感を出そうとしているのなら、これで良いかな。