• 2013年03月登録記事

五十音順キャラクター・ショートショート【ゆ】
→ルールは2012年12月17日記事参照


 雪が降る中を、和装の娘はゆっくりと歩いた。
 そんな格好では御寒いでしょう、と友人が半ば強引に嵌めさせた大きな手袋を、時折落としては拾い、また落とす内に、手袋はもとより白い指先まで雪にまみれ、やがてじっとりと濡れた。
 その変化を面白く思って、彼女は頬を緩めた。
 氷に閉ざされた生国では、雪が溶けることはない。千年も万年も永遠に積もり続ける。そこに住まう氷女の心が硬く凍っているのと同様に。
 だが生命力に溢れた人の世に降る雪は、温かく儚い。融けて、消えてしまうほど。
 そんな人の世の温かさで、雪の名を持つ自分の心も融けるだろうか。
 期待を込めて、雪菜は濡れた手袋を抱き締めた。

雪解け
……雪菜(漫画「幽☆遊☆白書」)


幽遊白書は、私の子供時代に爆発的な人気を誇った漫画。
世代がバレるなぁと思いながら書きました。

告白&最終戦前のセーブから、4回ロードし直しました。
1回目は、クライヴの告白を受け、クライヴで最終戦を戦うパターン。
2回目は、レイラで最終戦を戦うパターン(告白なし)。
3回目は、ルディの告白を受けて、ロクスで最終戦を戦うパターン。
最後の4回目は、負けイベントの段階で悪魔の誘惑を受け入れてみました。

最終戦で1回負けるのは、どのパターンも同一でした。
告白を受けていれば、そのキャラクターのエンディングに到達するのは前作同様。でも最終戦後の会話は、最終戦に挑んだ勇者とだけでした。約束をしていないロクスとの別れは、明るい台詞で良かったです。
また、告白を受けていない場合も、最終戦後には勇者との会話があり、「地上に戻って来られたら会いにきて欲しい」と言われますが、地上に戻る選択肢は登場しません。再会の代わりに、最終戦に挑んだ勇者のその後が分かるエンディングがありました。こちらの方が、告白EDよりボリュームがあり、個人的には勇者が幸せを掴めた事も分かるので、気持ち良く終われました。

ED
(画面注釈)専用スチル付きなので、コンプするなら7人×2回クリア必須

前作のレイヴのような、それまでのイメージとEDが違って吃驚させられる勇者はいませんでした。

そして、期待していた悪魔の誘惑を受け入れるパターンは――衝撃の演出でゲームオーバーでした。これは、これから遊ぶ方のために秘密にしておきます。

全体的には、前作(円環の物語)に比べると遊びやすくなっており、RPGとSLGの配分具合が巧い良作でした。
勇者数が減った分、個別のイベントは手厚く練り込まれたと思いますし、次第に終末的になっていく世界の描き方など、先の展開を楽しみながらプレイできました。
しかし1周で全勇者を勧誘できる分、前作のようなクリア直後の再プレイ意欲は湧きませんでした。
どちらか一方を人にお奨めするなら「純白の預言者」ですが、自分のPSPに常駐させておくなら「円環の物語」かな。

最後に、NEWGAMEでフェインと会ってみました。
男性勇者内で一番好みの顔だったので、悔しくなりました……。

フェイン

クリアしました。
天使はレベル28、AP4999。最終戦の勇者はロクスLv62でした。
作中時間で3年あると思い込んでいましたが、実際は2年のプレイ期間でした。ちょっと早回しで遊び過ぎたかも知れません。

前回、イベントは順調にこなしていると豪語しましたが、ルディとアイリーンのイベントが色々抜けていたようです。ルディ用の事件で登場した敵サヴィオとの因縁が分かりませんでした。サヴィアの兄か弟だったんでしょうか……?
また、アイリーンの姉関係の話題を全然把握していなかったので、セレニスはレイラで挑んでしまいました。アイリーンがフェインのことを語っていたけれど、私は一度も会っていないキャラクターなので、某かの関係があったのかと驚いたくらいです。
また、勇者の個別イベントは見落としても仕方ないと思いますが、天竜という単語は「復活の儀式」イベントで初出したのに、天使が既知のこととして語っていて苦笑しました。正に、「知っているのか、ラビエル!」という感じ。

そんな中、ロクスとクライブは、それぞれの物語を破綻なく追うことができました。
ロクスの事件で関わってくるヴァイパー(クラレンス)がお気に入りです。わざわざカードで攻撃する専用グラフィックまであることに、スタッフ愛も感じました。

タロット
(画面注釈)「伝説のオウガバトル」を思い出す演出。

一方、クライブの因縁の相手レイブンルフトは、唯一「第二形態」があるボスで斬新でした。
過去の話は、妖精から伝聞で聞いただけなので、もう少し知りたかったですね。その時も、天使がいて、サタンを倒したのかな?

最終決戦の場所が出現した時点で、最終セーブ。
ラスボスに挑む旅路の同行中に、ロクスの告白を受けました。捻くれ者タイプの割に、告白はストレートでしたね。
というわけで、最終戦もロクスで挑戦しました。
最終戦の最初は負け戦闘。勇者が倒されると、イベントになり選択肢が出現しました。悪魔の誘惑に乗る方を選んでみたい欲望に駆られましたが、断って再挑戦。
天竜を倒してからでないと、ベルゼバブに攻撃できないので、かなり時間が掛かりました。
個人的には、格下である筈のベルゼバブにBOSSマークが付いているのが釈然としませんでしたが、

EDは、面倒くさい男が拗ねそうなのでちゃんと地上に戻り、ロクスとの会話があって終了。
前作同様、非常にあっさりしたエンディングでした。
前作は周回前提だったため、エンディングが簡素でも丁度良かったのですよね。しかし今作は、1回のプレイで全勇者を勧誘できるため周回の必然性が薄く、その分もう少しエンディングに再プレイへの意欲を掻き立てる要素が欲しかったかな、と思います。

取り敢えず、他のエンディングも確認しつつ、総括も含めて次回に続きます。

アルフレッド・ベスター著「虎よ、虎よ!」(早川書房/中田耕治訳)

【あらすじ】
残骸となり漂泊する宇宙船ノーマッドで生き延びたフォイルは、兄弟船ヴォーガが救助信号を無視して去った事に絶望し、復讐を誓う。地球に帰還したフォイルは、復讐相手を見つけ出そうとするが、同時にその頃、ノーマッドにあった特別な積荷を得ようと財閥の主や軍関係者が彼を追っていた――

「モンテ=クリスト伯」を読んだ時に、同作をモチーフにした傑作SFとして紹介された作品。
「ジョウント」と名付けられた瞬間移動能力の発見を描いたプロローグが面白くて、その勢いで最後まで読まされました。
ただ、余りに粗野で無計画なフォイルが抱く復讐の一念に共感できず、荒唐無稽なアメコミと思うことで読み進めていたら、最後にそれまでの展開をすべて投げ出し、主人公の意識が超次元的に揺らぐ終盤は理解が追い付かず、読み解く事を放棄してただ字面を追ってしまいました。
また、タイポグラフィで表現する小説は、効果があるのだろうか?と疑問を感じます。読み難いだけだと私は思うのですが……。

私の好みと懸け離れていたのと、SF版「モンテ=クリスト伯」と思って読んだ為に、低い感想になっていることは認めます。
思想や行動がぶっ飛んでいる登場人物、矢継ぎ早なテンポ、思いも寄らない問答、後の作品に多大な影響を与えたという各種の設定など、見所は多数あります。

ちなみに、表4(裏面)しか目にしないままブックカバーを掛け、読み終わってからカバーを外した時に、記事冒頭の異様で力強い表紙絵を見て驚きました。これを見ると、フォイルの顔を見て怖気を感じる人々の気持ちが頷けます。

勇者たちの人となりが段々掴めて来ました。
前作の勇者たちに比べると、皆それなりの立場や理由があるためか、天使(プレイヤー)に対して協力的で、依頼はあまり断られないですね。
私のプレイでは、ルディが時々断るくらいです。信頼度は高いので、単純に依頼が気に入らないのかランダムなのか。ちなみに、ルディが断った依頼は、活動地方が近いロクスに持っていくので、一番文句言いそうなロクスが、一番真面目に勇者してます。
帝国絡みの事件には、基本的にレイラを派遣していますが、どうも帝国関係がメインストーリーのようなので、本当は攻略したいキャラで挑むべきだったのかも知れません。

事件もイベントも何も起こらない時期があって、ちょっと暇でした。
基本的に、いつ事件が起きるかわからないので、勇者に1日同行→地図を見て混乱度を確認→別の勇者に1日同行、という感じで進めていますが、もっと長期同行すべきなのかなぁ。
でも、それなりにイベントの話は繋がっているので、前作のような大きな見落としはなさそうです。

今作では、移動中でなくても戦闘が起きるようになったので、勇者たちは勝手にレベルが上がります。その御陰か、レーパス(防御アップ)の補佐の御陰か、ある程度勇者たちが成長すると、大体の戦闘は見ているだけで終わるようになりました。
しかし一度に出現する敵の数が5体に増え、妖精は戦闘参加しなくなったので、勇者の分散攻撃AIの被害も増えました。

戦闘
(画面注釈)敵の残HPに注目。

1年と半年が過ぎた頃から、一気に敵が強くなって来たので、今後は天使の補助がかなり重要になりそうです。
それと、前作にはなかった要素として「負け戦闘」がありました。
与ダメージが0だった時点で、これはイベントだと分かりましたが、先手必勝で補助を打っていたら悔しいところでした。