• 2014年04月登録記事

佐藤多佳子著「しゃべれどもしゃべれども」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
二ツ目で停滞している囃家・今昔亭三つ葉は、ひょんなことから吃音の従弟等の老若男女4人に落語を教えるうちに、自身の落語を見つめ直し、好きな物を好きなまま演じることを良しと思えるようになる。

リアルだと思ったのは、落語会の後も、それぞれの生活や人間性は決して変わらないところ。三つ葉含む5人が妙に仲良くなったりもしない。落語を習う4人はそれぞれに悩みを抱えていて、それは、たまたま始めた落語が解決してくれるようなものではないのです。
でも、落語が一つの契機となって、明日は昨日までの日とほんの少しだけ違う——かもしれない。
そう思える良い作品でした。

頑固な上に気が短く、直ぐ手が出る主人公・三つ葉の江戸っ子具合が、一種爽やかに感じます。
囃家という職業のためか、あるいは単に短気なためか、心の声も闊達でテンポがいいです。文章表現も、独特の風情があり、現代日本なのにどこか昔懐かしい下町の空気に溢れていました。

クリアしました。

弐参拾壱話「前夜」

雪崩発生で一行がバラバラに。タイミング的に、澳継のくしゃみ、あるいは九角の高笑いが原因かと思ってしまいました。

探す相手として指定できるのは女性キャラクターのみだったので、涼浬を選びました。
その後涼浬に会えないまま戦闘が発生したので、好感度不足だったのかと思いましたよ。戦闘後だったんですね。サブキャラクターはとにかく会話の機会が少ないから、ちゃんと好感度を稼げているか心配になります。
その後の会話は、久々に複数回感情入力タイミングがあったので、全部「愛」で攻めてみました。まぁ、彼女は分かりやすいので、ニヤニヤさせて頂きました。

涼浬

弐参拾弐話「黄龍」

アバンタイトルでは「一方その頃」として、江戸の御厨が登場。これは、弐拾九話で挨拶した相手が登場するのでしょうか?

黒蠅翁戦、柳生戦、邪龍戦と、最後に相応しい戦いの連続でした。
黒蠅翁戦では、小鈴が自分の攻撃を反射されて戦闘不能に陥る局面があり、どうしようかと思いましたが、その後他のキャラクターで攻撃したときは大丈夫でした。なにが影響していたのかしら。
柳生戦は、まったく育てていない美里が強制出撃でゾッとしましたが、結局、初期配置から一歩も動かず終わりました(笑)。
最後は、一軍メンバーで締めます。

最終編成

参拾話より前は醍醐でなく京梧や黒影を使っていましたが、何度も状態異常で追い込まれたので、最後の方は状態回復技を持つ醍醐を入れています。
柳生・邪龍共に最後は秘拳・黄龍でトドメを刺し、気持ちよくEDを迎えました。

最終話「真神」

剣風帖は最終話が卒業式だったのに対し、外法帖は最終話が入学式というのが良い対比ですね。
正月から開始して、女性陣は晴れ着披露。まぁ、可愛かったのは真那、ほのか、花音で、小鈴は無難、その他のメンバーはちょっと失敗した感を感じましたが……。

初詣の後に、龍泉寺と鬼哭村のどちらに行くか選択肢が発生しました。
個人的には鬼哭村に行きたかったのですが、時須佐先生に挨拶しておくべきかと思ったので、龍泉寺を選択。
それで知ったのですが、現在、龍斗の住居は寺の方なんですね。村だと寝言がうるさい澳継と同室だから、逃げて来たのかな。

最終話なのに、予想外の戦闘が1回だけありました。しかも、黒蠅翁という点にもビックリ。
明言はされないけれど、黒蠅翁はベルゼブブだったんですね。魔人学園のネタ元って、結構広いですね。こうなるとオカルトの元祖たるクトゥルフが入っていないのが、意外になってきます。

円空先生から貰った念珠を渡す相手は、雪山で「愛」を連打した責任があるので、涼浬を選びました。
「荷が重い」というので断られるのかと思いきや、念珠を鑑定しようとしていたところに、笑わされました。ちゃんと意味が伝わった後は、告白もしてもらって大団円。結局、彼女からの呼びかけは最後まで「龍斗殿」だったのですけれど、これが最終段階だったのかな?

エンディングは、仲間にならなかった面々も含めて、その後が語られました。御神槌や雹が穏やかに暮らせるようになったのは良いけれど、それなら仲間でなくてもインターバルとかで会いたかったなぁ。
また、せっかく涼浬と結ばれたのに、その選択が「彼女のその後」に繋がっていない印象です。

最後なので、クリア後に最終話をロードして鬼哭村に行くパターンも確認しました。こちらだと、九桐の「その後」の意味が分かるのと、彼が挨拶回りに付き合ってくれるのが良いですね。
で、数珠を渡す相手は、これまでのプレイ日記の流れ的に、澳継を選択。図らずも、さっき行ったばかりの村に、逃げられたばかりの相手を捜してもう一度舞い戻るという図になりました。
澳継との会話は、思い掛けないシリアスな告白もあって良かったです。「今のまま変わりたくない」という気持ちが、彼を子供っぽくしてるのかなぁと思います。変化した自分を受け入れられるようになったら、大人になるんじゃないかしら。

他にもEDを迎えられそうなキャラクターはいるけれど、最終話を頭から毎回やり直すのも意外とめんどうなので、これにて終了とします。

ということで、総評です。

プレイ時間はおよそ40時間。
難易度はかなり低かったですが、剣風帖から続く戦闘システムの出来は良かったと思います。
技のレベルを上げていくと技自体が昇華するとか、同じく、武具を使い込むとアイテム価値が上昇するとか、やったことが報われていく仕様でしたね。
色々報告されているバグは、たいしてやり込んでいないせいか、技が出せない現象以外は遭遇しませんでした。

シナリオは、超展開で突っ込みどころが多いのはともかく、メインキャラクター以外ほとんど出番がなくて、仲間同士の繋がりがほとんど見えなかったのが残念でした。剣風帖だと、予想外のメンバーが休日に一緒だったりして、仲間全体が仲良くなっている感があったのですが、今回はとてもドライな関係に見えます。
私の感覚としては、魔人学園シリーズはキャラゲーです。そのため、一部のキャラだけでなく、仲間になっている全キャラクターが活躍して欲しいのですよね。結局、加入後の仲間は戦闘時のコマでしかなかったのが悲しかったです。
正直、澳継を好きになっていなかったら、途中で中断していた可能性もあります。

結局、良い点と悪い点が差し引きゼロで、可もなく不可もない印象になりました。
メインキャラクター内に好きなキャラクターが複数人いれば、もう少し楽しめて評価も上がっただろうと思います。ちょっと残念だったなぁ。

有川浩著「キケン 成南電機工科大学機械制御研究部」

【あらすじ】
機械制御研究部(通称【機研】)が、「ユナ・ボマー」と渾名される部長に率いられ、犯罪スレスレの「キケン」行為を繰り返した黄金時代の物語。

レーベルが違えば「ライトノベル」扱いになりそうな軽い作品。
疾走感全開で、無駄なエネルギーが沢山放出されていて、男子大学生の学生時代の打ち込みってこうだよな、と頷かされます。そして、そこまで全力で馬鹿なことに取り組んでいたからこそ、少し年月を開けてから訪れることへの躊躇も分かる気がしました。
最初のうちは、各短編の最後に「…ということがあった」と語っている形式である元部員と妻の現在の掛け合いが入る構成に鼻白んだのですが、物語の締めかたを見て、作者が語りたかったことはこの形でなければ書けなかったのかも、と納得しました。
ただ、この締めかたはメインである【機研】での出来事と関係しないため、全体を通してのストーリー性はあまりなく、盛り上がりには欠けました。1エピソードずつが面白い、という短編集の作りですね。

なお最後の仕掛けに関しては、教室に入ったところでページをめくらされて、ちょうど見開きになるというページ割りが巧いと思いました。私が読んだのは文庫版ですが、当然単行本版もこうなるように調整してあるのでしょうね。

年齢が若い人物しかいないこともあってか、全体的にキャラクターが生き生きしていました。
最初のうちは、描写がメインの4人にほぼ集中していましたが、後半から他の部員にもスポットライトが当たって、より群像劇のような、ガヤガヤした感じが強まった気がします。
ストーリー的に盛り上がるのは学園祭の話かと思いますが、個人的には【機研】的な活動をしている、ロボコン大会と空気銃製造の話が楽しかったです。

現在地:第参拾話
気付くのが遅れましたが、弐拾七話以降はオープニングがないんですね。
あれば飛ばすけれど、なければ寂しい気もします。

弐拾九話「呪禁」

邪ディスクに入ってから、お話に乗れなくてちょっと停滞しています。
呼びかけられて身構えたのに、感情入力がなくて肩透かし……という展開が多いとか、この話の「振り向く/振り向かない」に代表される、選ぶ意味が分からない選択肢だとかも原因ですが、どちらかと言うと打ち切りが決定した漫画で、一話ずつ過去に顔見せしたボスを倒していくみたいな雰囲気を感じます。
一度に動かすキャラクター数が増えた分、会話が説明的になっているのかなぁ。サブキャラクターは一切登場しないから、ADV部分では大所帯の印象がないのですけれどね。

この話では、別れの挨拶をしにいくサブキャラクターを選択。
普通に考えたら一番お世話になっている時諏佐先生が無難ですが、先生は石化しているという話でしたから、自分の好みで御厨を選びました。剣風帖プレイヤーとしては、犬神先生も気になるけれど、遭遇回数が低いため、推定好感度が地を這っているんですよね。

御厨

お仕事中をお邪魔した感じ。まだ時間に余裕があるなら、手伝ってあげたかったくらいです。
ちなみに、御厨はもちろん「龍の字」呼びでしたが、与助からも「龍」と呼ばれました。彼にも好感度設定があったんですね。

洞穴では、前述の通りよく分からない展開だったので「振り向く」を選択して百鬼の術中に。
メンツを見た瞬間、よりによって一番短気な人たちが揃ったな、と思いました。京梧が一番抑える側だったのが意外なくらいですよ。
それにしても、百鬼がこんな風に後々で大きく扱われるボスだとは思っていませんでした。

弐参拾話「蟲姫」

大嫌いな蟲ネタが来たことに、震えながら開始。
操作する私は警戒心で爪先まで武装しているのに、画面内の小鈴は先ほどの襲撃を忘れたかのように警戒心が薄く、ヤキモキしました。ちなみに、前話で「振り向く」の意味が分からなかったのは、ミュート(音無し)プレイのせいかもしれないと考え、この話は音有りでプレイしたのですが、小鈴が放つ超音波のような悲鳴が二度もあった時点で、再びミュートに戻しました。

一応、強い意志が影響するという伏線はあったものの、ご都合の超展開で崑崙氏登場。こうなると、なかなか富士に辿り着かないのは、みんなの意志が足りないんじゃないかと思ってしまいますね。
崑崙のところで劉が登場しみんなが驚いたということは、劉は一行に勝手に付いて来てたということなのでしょうか。編成画面にいて、ADVでは姿が見えない他のサブキャラクターたちも、物語的にはその場にいない扱いなのかしら。まぁ、鬼哭村で待ってる筈の九角を内藤新宿の戦闘に連れ出した過去もあるから、気にしない方が良いかな。

エイプリルフールでした。
が、普通に年度末・年度始まりで忙しく、そんなことはすっかり忘れていたので今年はなにもネタ無しです。

Googleは、今年もまた変な日本語入力システムをやってますね。

Google 日本語入力マジックハンドバージョン
http://www.google.co.jp/ime/m9/
私は指先の反応が凄く悪く、指紋がつくのも嫌なので、そういう意味ではマジックハンドは結構アリだと思うけれど、そもそもフリック入力が苦手なのでした。