• 2009年08月登録記事

無事帰ってきました。
博多座は劇場の中に、屋台のような感じで土産やお弁当のお店が軒を連ねていて面白い劇場ですね。傾斜も適度で、少し椅子が堅めなのか腰が痛くなった以外は、良い劇場だなと思いました。

14日16:30公演と、15日12:00公演を観劇。それぞれ、1階でオペラ未使用原作未読、2階でオペラ使用原作既読と、自主的に視点を変えてみました。
総じて、15日の方が良かったかな、と思います。客層も、15日は遠征ファンが多かったのではと思う拍手の熱さでした。会場中が暖かく、なぜか私が感激しました(笑)。

まず、芝居「大江山花伝」。

幕開きに茨木@大空だけが板付きで立っていて、まず後ろ向き→振り向くが、顔を扇で隠している→顔を見せる、と2段階焦らされた分、万雷の拍手でした。
鬘は作り込んでいるし、衣装も豊富に取り替えてくれて、ビジュアル的には非常に満足しました。本当に「この世の物ではない」美しさだったと思うファンの欲目です。
女装シーンで、お付きの二人は「女の子の声」を出しているのに、茨木は明らかに「男がシナを作って女性らしく話してる声」で笑いました。これも男役スキルの差なのか?
藤子@野々は、独白シーンの熱演だけで客の心を捉えていたと思います。初日は平気だったのに、二日目は話し出した途端滂沱の涙で、オペラを支えていられない状態になりました。たった一人、振り付けもなく長台詞を言うだけで劇場を埋めるその芝居心は流石の一言。
所作は、日舞の為に三味線までやる本格派の綱@北翔がとても美しく、目を奪われました。何が凄いって、持ってる扇や剣と言った小道具が、位置を決めるとピクリとも動かないんですよね。
胡蝶@花影は、佇まいが美しくて驚きました。洋物で、妹系キャラのイメージがありましたが、こういう大人の役の方が似合っているのかも。
千年杉@萬は予想していたより出番も少ないし、物語上の比重も軽く、勿体ない役者の使い方だと思いました。

お話自体は、ちょっと展開が早過ぎることと、茨木と綱の間に友情を感じさせるエピソードがもう少し織り込まないと二人の思いが伝わらない印象がありましたが、その辺を理解している15日は、スムーズに入り込めました。
酒呑童子の処理が、原作と舞台で大きく違いましたが、私は原作に背いていても舞台の方が好きかな。人間であろうとした茨木なら、ああいう形の方がしっくりします。

滝壺をどうやって舞台上に作るのか?と思っていたら凄いスモークで恐れ入りました。
あと、演出関係は茨木が綱に名乗って退場する序盤シーンで、回り盆とせり下がりの組み合わせは良かったです。
ただ、他の点は……ライトの使い方など一本調子で、古い印象を拭えませんでした。
平安時代の日本物なのに、意外と音楽がエレキ系を使っていたり、攻撃的で驚きました。初見は合わないと思ったのですが、そういうものだと思ったらよく合ってるような印象に変わったので、まぁ鬼と人間の差を出す為にも良かったのでは。

他に気になった事。
酒呑童子@十輝は、元々鼻声なのか、たまたま風邪気味だったのか、台詞の合間に鼻を啜るような間と音があって、少し気になりました。
それと、舞台転換の時に大音がするのが、かなり気になりました。慣れない劇場で大劇場並のセットを動かすのは難しいのでしょうけれど、少し興醒めです。

続いて、ショー「Apasionado!! II」。

とにかく熱く熱く最高の盛り上がりでした!
少人数なのを感じさせないように総出で頑張っていて、凄まじい体力勝負になってる感がありましたが、それも発される熱の要因の一つになっていたのではないでしょうか。
再演の弊害で「瀬奈ならここで魅せるのだろうな」と思ってしまう面もありましたが、宙組は宙組で、自分たちらしくやっているのでは。
男役の黒燕尾ダンスは、三角形フォーメーションの頂点にいること自体に大感激です。でも、一番大空に合っていたのは、やはり新振り付けの荒野だと思いました。
新振り付けと言えば、14日はデュエットダンスのリフトがかなり怪しくて(野々は腰が引き気味だし、大空は抱え上げたは良いものの回転で軸がブレる)、「リフト大好き」「大空ファン」「野々好き」な自分でも、その3つが組み合わさった結果を喜ぶかと言えば、そうでもないんだと分かりました。

バンピロ伯爵のシーンは、なぜか15日はバックのダンサーに注目してしまって、大変激しい振りですが、あんなに踊れたら気持ちいいだろうなぁと思いました。
女装シーンは、組長が完全に笑いを取りに行っていて、素晴らしい戦闘意欲でした。
なんせ宙組なので、あんなに月組・花組時代は長身がウリだった大空が小さく見えるくらいの長身揃いで、花は花でも食虫花に違いあるまい、と思いました。
花影は、華があるけれど、二階席から観ると細すぎて折れてしまいそうだったので、ちょと肉を付けて欲しいですね。

最後に、宙組全般の事。
コーラスはさすが宙組。また、影ソロが凄く迫力ありました。
青年館「逆転裁判」しか観ていないので、今回初見のメンバーが多く、なかなか脳内で巧く照らし合わせられないのですが、芝居で茨木の部下を演じてくれていたので、下級生ですが蒼羽りくと星吹彩翔は見分けられるようになりました。
元々、ハンディおとめで蒼羽りくは学年の割に男役の顔が作れているなぁと思ってチェックしていたのと、星吹彩翔はとにかく個性的なので、まぁ次回も多分この二人は見分けられるでしょう。
中堅では、逆転裁判で矢張を演じていた鳳翔大が、「凰稀かなめに似ている」と思って以来、直ぐ分かるようになりました。ダンスや歌など向上すれば、美しさで十分やっていけるのでないかと思います……って、不思議と凰稀に言ってるのと同じ感想ですね。顔が似てる人は、芸風も似るのか?

一人なので色々不安もありましたが、遠征して良かったです。細々書き出すと終わらないので、この辺で一旦筆を止めます。
DVDも買って、「カサブランカ」までに宙組生を研究するぞ!

今週読んだ本。

「かもめのジョナサン」リチャード・バック 五木寛之訳

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
カモメのジョナサンは他のカモメと異なり、飛行自体に価値を見出し、訓練を繰り返していたため異端として群れを追放される。それでも飛行訓練を続けたジョナサンは、高次の世界へ導かれ、思考と肉体の鎖を解き放った自由な存在となる。
ジョナサンは同胞を導くため群に戻る。やがて、弟子のフレッチャーが事故の末に高次の世界へ行き着き思想が引き継がれると、ジョナサンは飛び立って行く。

日本訳を最初に出版したのはリーダーズ・ダイジェストだった筈ですが、後から出した五木寛之訳でベストセラーになった短編、と言う程度の事前知識。
寓話であると言う事も理解していなかったので、読み終えた後はしばし唖然としました。翼の折れたメイナードがジョナサンの思想に触れて飛べるようになるとか、岩に激突したフレッチャーが生き返るシーンは、聖書の一節のように感じます。取り敢えず「生活の為に生きるのは止めよ」と呼び掛けている話だと受け取りましたが、高尚だとは思っても、自分には未だピンと来ないです。
宗教観とか死生観と言った精神を持ってないと、読み解けないのかも。ジョナサンは日常に立脚して高次にあるのでなく、日常を捨てて高次に移行するけれど、私は日常の中から自分を見出す話の方が好きかなぁと思います。

「燃えよ剣(下)」司馬遼太郎

ようやく下巻を読みました。上巻よりスムーズに読めたような気がします。要は面白かった、と言う意味で捉えて頂いて結構です。
近藤の覇気の抜け様や、榎本や大島の弱腰に「ちぇっ」と舌打ちし、自然と土方に肩入れして読ませてしまうのは、司馬氏の巧さなのか、日本人の判官贔屓なのかなぁと感じました。
あと、上巻で感じた女性の使い方の不満は、下巻のお雪さんで帳消しにしておきます。

今日から夏休み。しかし、ゲームと博多行の準備しかしてない趣味の世界に生きる麻生です。

聖竜騎士団は19年186日まで到達。

まず、15年135日に隊長とアーチャー(イルヴェド・アスウェリン)がお互いに再婚。
ここで、10分間の検討の末に0日遠征を決行。
女神に叱責され安全値は見事に減りましたが、期待通り出産イベントが発生!
アギとフレリッサの三女=魔女サキア・エリアーン(優れた素質)と、スバンヌとエルヴァラの息子=祈祷師テンペ・アシャマド(大器晩成)が産まれました。
残念ながら隊長の子は産まれませんでしたが、次代の祈祷師を確保出来たので良しとして、改めて遠征へ出発しました。

年末にナグゾ様の先触れドラグーン(Lv.9)が出現。祝福の日を迎えたところで、遂にナグゾスサール降臨。
都の周りを開けておいたのに、出現地点は、山脈を越えた交通の不便なゴルドアの村でガッカリ。

この遠征中に、剣闘士を誘惑者戦の生贄にしてしまい出来た穴と、遂に衰退した祈祷師の枠の二つに騎士を投入しました。
まだ子供世代がなく、初期にかき集めた有望なメンバーが次々に衰退しつつある厳しい状態で、女神がモルガロン討伐を指定。
モルガロンの湧いた地点に向かう予定はなかったのですが、仕方なく向かい、往路帰路含めて7匹程高レベル魔物を長期ローテーションで倒しましたが、帰還時には隊のメンバーが全員衰退期or披露状態と言うまともに戦えない状態になっていました。人間関係も乱れたし、ここから立て直すのは大変かも。
ちなみに、ドラグーン討伐で「シミュエラ写本」を手に入れました。高レベル魔物を倒して高レベルアイテムを入手するなんて、なんだか普通のRPGみたいで嬉しいなぁと乱数の神様になんとなく感謝。もっとも装備出来る職種がいないので、恩恵はないですけれどね。

隊長の夫イルヴェドが衰退期に入った為、ヴァルキリーと入れ替えました。
また、初採用したヴァルキリーを冒険者と入れ替え。これにより、ヴァルキリー4人組は残り1人となりました。
魔女フレリッサも衰退期に入りましたが、めぼしい志願者がおらず、未だ十分戦える能力があるので残しました。まさか悲劇が起きるとは思わず……
と言うのは、次の遠征で行ったゾドゴル戦で、采配を誤り、騎士とフレリッサが死亡してしまったのです。
討伐後、第一線のメンバーが疲労してしまった為帰還すると、前回初めて見た「隊長が戦死者を報告するイベント」が発生。「アギの人生の伴侶だった〜」と語り、アギ本人も妻を護れなかった苦悩を語ると言う台詞がありました。更に翌祝福の日の葬儀にもアギが台詞を発しました。人間関係を築いた隊員が戦死すると発生するイベントなんですね。クロニクル2周目で知った要素ですが、一層V&Bの味わい深さを感じました。

失意のアギは、絶不調状態に。そこに、若返りの泉の噂が発生! 噂の主を求めてフェルミナに急行し、丁度魔物も湧いている旧レイラント領へ一目散。
見事、若返りの泉を発見し、3人の若返り候補(ピーク最終年のアギ、衰退期に入ったヴァルキリー、隊長)を前に散々悩んだ末、結局聖騎士の血筋が惜しくて隊長を選択しました。
時期、能力、隊に欠けてる職種を考えるとアギだったのですが、長年連れ添った妻を亡くして失意の上、既に3児の父であることから、若返ってもその力を次代に引き継げないことから排除。ヴァルキリーのエルヴァルは初代ヴァルキリー4人組の最後の独りで能力が高く、未婚と言う魅力があったので、衰退期になっていなければ彼女にしていた筈です。
初代隊長は、成長期がないので若返りには不向きなのですが、まぁそれでも能力的には一番なので、この先30年も一線で戦って貰おうと思います。

そんなわけで若返った隊長が隊を率いて都に帰還したところ、なんと志願者に衰退期前の聖騎士が来ているではありませんか! そうと知っていれば若返りの選択肢は別にあったのに、と思いつつ取り敢えず空いている枠に即加入させました。
帰還直前に衰退期に入ったアギは、これまでの功績を心から感謝しつつ、ヴァルキリーと入れ替え。
衰退期2年のエルヴァルは、それでもまだ間接攻撃力がピカ一の中衛なので、今回は外せませんでした。

年終わりに-40近く減らされる安全値にめげつつ、それでも高レベル魔物ばかりが湧いてる為に1〜2体倒して安全値を保てるので、毎回遠征しては疲労隊員を量産しつつ、19年186日に漕ぎ着けました。
この日、隊長が、アーチャーに告白しました。うーん、今更第3子でアーチャーが産まれたら微妙だし、なんせお互いの能力を補強しないこと甚だしい職種同士なので、これは破局させるべきでしょうか……。
悩みつつ、次回はいい加減期日の迫ったナグゾ討伐を行いたいと思います。

15年44日まで到達。

11年60日に、隊長の息子=魔術師アル・シモアが誕生。娘が産まれて欲しかったところですが、組み合わせ的にはサラブレッドな中衛なので、この後娘が産まれなければ、この子に隊長職を引き継がせようかと思います。
同日、アギとフレリッサに第2子=魔女サニミ・エリアーンが誕生。
また中衛揃いの隊になりそうな予感がしてきます。
相変わらず各地に湧くケルベロスに難儀しつつ、隊長をおとりに使う危険なローテーションで退治。
まったく狙っていなかった組み合わせで、12年45日にアーチャー(イルヴェド・アズウェリン)と、魔女(ホノカ・セキグチ)が結婚。
ホノカは良く見掛けるキャラですが、ピーク帰還が短いので、今回初加入。一度も戦闘に出してないのに、丁度別の人間関係で動いたアーチャーを掴まえ結婚するという、なかなかの早業に驚きました。
この年の志願者に、念願のピーク前祈祷師が登場! 早速、戦士→祈祷師に入れ替え、初期メンバーのヴァルキリー隊に衰退者が出ていたためその一人を将来有望な15歳アーチャー(ピーク:29ー30)に入れ替えました。
結婚が早かったホノカは、出産も素早く、12年233日に娘=魔女ハルカ・セキグチが誕生。
この辺に産まれた子供たちは、みな「優れた素質」判定で、嬉しいことです。
更に同日、祈祷師(スバンヌ・アシャマド)とヴァルキリー(エルヴァラ・ウェンガッタ)が結婚。エルヴァラは再婚ですが、とにかく早く結婚して欲しかったのと、他にフリーで直ぐ人間関係が構築出来る女性がいなかったので、まぁ確率的にはまだ何とかなるだろうと期待しています。

で、世界の方はついにゾドゴルやモルガロン等のLv9魔物が登場してしまいました。
安全値はまだ残っているとは言え、将来を考えるとかなりジリ貧の中、気になるのは隊長の夫ニルの衰退期。あと100日ほどで向かえる祝福の日がくれば、もう子供は望めません。
聖騎士の子供を残さず初代隊長が終わってしまうのか、と悩みつつ、余裕もないので、今回は子供を諦め、壊滅目前の極寒のシーラへ遠征することを断腸の思いで決意。
と、出発したところでバルサリオンの中継地に低レベル魔物が出現しました。
偶然ですが、バルサリオンに近いライカンウッドには妖精の道があと数十日の期間で残されています。
最短距離で歩けば、バルサリオンの魔物を倒した後、妖精の道で今年中に帰還出来るのでは?
と期待を込めて目的地を変更。12年359日に無事王都へ帰還!
……出産イベントは起こりませんでした。
ええ、第3子は1/8確率ですものね。産まれる時はぽこぽこ産まれるけれど、まぁ率でいったらあまり高くはないですよね。

結局、この後シーラは間に合わず壊滅。
衰退期に入った二番目の夫とは別れ、志願でやって来ていた成長期の長い戦士を加入させました。
ホノカ・セキグチを魔術師と入れ替え、ヴァルキリー隊の中から更に出た衰退者を騎士と入れ替え。
2拠点が壊滅され、退治法に頭を抱える高レベルの魔物が湧き、ナグゾ様襲来の預言も発生開始と言う厳しい中、15年44日まではなんとか隊を維持している現在です。
折角結婚した祈祷師が、結局子供作れていないまま、今年が最後のピーク年なのですが、果たして今年中に帰還し、子供を繋げることはできるのでしょうか?

小学館文庫・木原敏江作「大江山花伝」を購入しました。

先日までAmazonでは「出品者から購入」の選択肢のみ、他のネットショップでは「注文出来ません」だったのですが、最近になって改めてみたところ、「出版社から取り寄せ」状態になっているではありませんか。
お盆の博多行までに間に合えば、と願いつつ注文したところ、無事手元に届きました。
すると驚いたことに、オビに「宝塚歌劇話題のミュージカル大ヒット原作コミック」と記されているのです。
慌てて本編を読まないように注意しながら奥付を確かめると、2009年7月29日第9刷。宙組公演に併せて再販したのでしょうね。
実際問題、宝塚ファンって予習復習が勤勉で、感心します。まぁかく言う私もすっかりそれに感化されて、フィッツジェラルド作品を読んだり、今回漫画文庫を買ったりしたわけですが……。

で、読みたい、いや観劇一日目まで待とう、いや待てない、と交互に囁く私の中の誘惑と自制があまり煩いので、収録作から「夢幻花伝」だけ読みました。
「大江山花伝」は原作未読の状態と、既読の状態で舞台を観る機会の二通り楽しみたいのでじっと我慢。「花伝ツァ」と「鬼の泉」は関連作らしいので、念のため保留と言うことでのチョイスです。
で、その「夢幻花伝」は、観阿弥・世阿弥の話なんですね。もうすっかり記憶の薄い南北朝時代の歴史を、こんな時代だったのかと思いながら読了。実在の人物としての世阿弥はあまり良く知りませんが、今作からは、足利義満の庇護は受けても、権力者を讃えたり媚びるような能を作らないあたりに芸人としての高い志を感じます。
初めて触れた「ドジさま」こと木原敏江先生の絵は、目が大きくて少女漫画の世界ですね。
正に星が浮かんだ瞳!と驚嘆。でもそれが滑稽じゃなくて、真っ直ぐな美しい瞳だなぁと感じたのでした。