• 2012年03月登録記事

いまさら宙組公演「記者と皇帝」SS。


 その日、ブライアン・オニールが帰宅すると、オニール家は名士の屋敷と思えぬ混乱の最中にあった。屋敷中の荷物を引っくり返しているような物音と、時折、金糸雀を絞め殺すような甲高い悲鳴と啜り泣きがする。まるで珍獣小屋の有様だった。
 女中をつかまえて何事か確認していたブルース・レッドマンに視線を向けると、よく心得た部下は直ぐに異変の説明を始めた。
「お嬢さまのお気に入りの役者が急死したそうで」
 その時、口上を遮る騒々しい足音が階段を駆け下りて来た。視線を上げたブライアンは、そこにドレスの裾を捲り上た妹、クリスティの姿を確認した。
「レッドマン、今直ぐニューヨーク行き列車のチケットを用意して頂戴!」
「はい、お嬢さま」
 レッドマンが慇懃に頭を下げる。
 だが、ブライアンは緩く首を振って、その命令を撤回させた。
「レッドマン、クリスティに必要なのはチケットでなく鎮静剤だ」
 彼の喋り方はいつも断定だった。それは、彼が既に決定した事柄を口にしているためだ。
「畏まりました、ブライアンさま」
「お兄さま!」
 妹に関しては、少々甘やかし過ぎたと思っている。移民の男に熱を上げるなど、オニール家の令嬢に相応しい振舞いではない。
「お前が出席する葬儀は別にある」
 先程、州会議場で受け取った電報をクリスティに差し出した。それは、西海岸でも指折りの名家キング家の家長が逝去したことの知らせだった。
 クリスティの成すべきことは、まず葬儀に出席すること、そして留学先から戻ってくるアーサー・キング・ジュニアと結婚することだ。
「務めを果たしなさい」
 特権階級に産まれた者は高潔でなければならない。それが、ブライアンの信念だった。


唯の悪役ではないブライアンというキャラに、色々妄想を刺激された舞台でした。
彼は、ノブレス・オブリージュを知る人だと思います。ただ、厳格過ぎて、他人に理解されないタイプじゃないかな。

「ヴァレンチノ」と「記者と皇帝」は本当は時代設定が合わない筈ですが、作中の台詞でリンクさせてくれていたのが嬉しかったので、こういうネタになりました。

秘かに「ベアルファレス」4周目、ノエル攻略しました。
初心に返って猟師(弓使い)にしたのですが、適当に攻撃していても当てやすい大剣に慣れた後だと、軸を合わせるのに苦労して、途中入念なレベル上げを行ったので10時間ほど掛かりました。
黒の羨道を通過するのに、弓は難易度が高いんですね。時の回廊以降は弓の利点が出て来て、最終的にラスボス撃破が一番簡単というところからすると、一長一短かな。
そろそろ、違う武器も試してみたいところだけれど、職業による初期好感度の差が怖いんですよね。

初めて男主人公ウェルドでプレイしました。
折角の初男主人公なので、変わったことをしようと「ラフメルの葉」「尋ね人」も依頼を断ってから参加するパターンに挑んでみました。
「くだらない脅迫」はディアス、「ラフメルの葉」はエレアノールとノエルが救済役として登場するんですね。「くだらない脅迫」ではレイアが一緒だった時と台詞展開が異なり、これはこれで面白かったです。ただし、最初に協力を断っているせいか、アッシュからの御礼は貰えませんでした。
「尋ね人」はイヴを連れていき、前回辛かったゴッデスを魔法で瞬殺してやりました。

さて、今回攻略したノエルについての感想です。
ノエルは、好感度「良好」になるのは早かったのにそこから先がなかなか進みませんでした。シェオルの柱から解放したイヴが先に「最高」になったので、選択肢を失敗したか、イベントを見逃したかと気が気でなかったのですが、ルカ救出後に無事「最高」になってエンディングを迎えられました。

ノエルED

頭でっかちで劣等感の塊だったノエルが、「光の爆発」後からは明るくなって、6年後には立派なお姉さんに成長していたのが凄い嬉しかったです。これまでに攻略した3人は歴史に名を残したけれど、こういう市井の生き方こそ、ノエルに必要なものだったんだと思います。
それと、クムランとオイゲンがノエルには優しかったのも、ちょっとほんわかしました。

印象に残ったシーンは、やはり告白。

あたしのどこがいいの?

不器用なところと答えたら、なんか凄い怒られました。でも、そうとしか答えようがなかったです。

それと、預言者覚醒の揺さぶり。子ノエル(操り人形)の頭が転がり落ちる演出が怖かったです。

首の落ちる人形

捻くれ行動の御陰でイヴの好感度も最高になっているので、精神の海前にセーブしたデータからイヴ攻略に進めようかな、と思っています。

賀東招二「戦うボーイ・ミーツ・ガール(フルメタル・パニック!)」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
秘密軍事組織の兵士・宗介は、日本の女子高生・かなめの護衛を命じられ、転校生として彼女の通う高校に潜入した。だが修学旅行の行程でジェット機がハイジャックされ、かなめが囚われてしまう。宗介は、組織の実験で謎の「知識」に目覚めたかなめの助力を得つつ、彼女と共に敵地を脱出する。

フルメタル・パニック!シリーズは、富士見ファンタジア文庫お得意の「シリアス要素含む長編(本編)」「コメディ短編集(外伝)」の2本立てで構成されています。本作は、長編の第一巻。
ライトノベル界の有名作品ですが、麻生は初読です。作者の賀東招二氏がTVアニメ「ドルアーガの塔」でシリーズ構成を担当していたため、という恐らく日本国内で唯一だろう理由で手に取りました(笑)。

あらすじに纏めてしまうと「狙われるヒロインと、それを守る主人公」ですが、本作が面白い最大のポイントは「主人公が戦争ボケで、日本の一般常識が足りない」という点ですね。普通の日常が宗介視点だと危機的状況の連続になってしまう可笑しさ。まぁ、ちょっと学園編における宗介の常識や対人関係能力がなさすぎて、これでは自分の組織内でもやっていけない気がします。
世界設定としては、舞台は現代なのにロボット(AS)が存在し、且つその技術は「時代以上に発達し過ぎている、本来存在しない技術」と認識されているのが、次巻以降の謎として引っ張られていて先が気になりました。
それにしても、こういう世界観だとソビエト連邦は必須要素ですね。

私の得意なジャンルではないのですが、学園要素、ロボット、軍事組織、そしてラブコメディとあらゆる要素が破綻なく詰め込まれていて、ライトノベルを読んだ、という満足感がある作品でした。

2009年にエイプリルフール限定公開したBASTARD!!サイトより再録。
PS版ゲーム「虚ろなる神々の器」2章ネタバレ有り。


 生命を投げ打つことは、彼の信念に反しているはずだ。
 人為を良く知る間柄ではないが、少なくとも共に行動していた頃の彼は、生きることに貪欲で、その執着によって二度見捨てられたヨルグすら感嘆するほどだった。
 そのマカパインが、今、D・Sに己の首を差し出している。
 彼を変えたのは、蘇った記憶の一部だろうか、とヨルグは考える。
 ヨルグ自身も、ア=イアン=メイデの侍としての誇りを思い出した今は、あの時と異なる信念を持っている。
 ――友の為ならば、命を賭けても良い。例え結果が死であったとしても、友の道の礎と成るならば悔いはない。
 それが、侍ヨルグの取り戻した信念であり、既に一度、命を以て道を拓いたことの理由であった。
 だが、彼が命を賭けるのはなんの為だろう。
 マカパインは孤高である。
 ならば、戦いの果てに誇りある死を望むのは、矜持だろうか。D・Sの打倒を誓った妖縛士の誇りを守るために、彼は死のうと言うのか。
「気障なコタァいい! 仲間としてついてこい!」
 結局、妖縛士に死が与えられることはなかった。仲間たちの手荒い歓迎を経て、マカパインは再びヨルグと肩を並べる。
 怜悧な横顔をどこか新鮮な気持ちで見下ろしていると、視線に気付いたマカパインが左目だけでヨルグを見上げた。口と異なり率直な彼の眼差しが問うのに促され、問う。
「誇りに命を掛けたわけでない」
 彼は否定してこう答えた。
「これは私のけじめだ」
 けじめと彼が言ったものをヨルグが理解するならば、それはやはり誇りに他ならない。だがそれは、侍たちが侍であることに誇りを抱くのと異なり、妖縛士としてでないマカパイン個人の誇りであるのかも知れなかった。


最初の2行で書きたいことが終わってるお話。
ヨルグとマカパインについては、2012年3月1日記事に載せたSSと本SSの2編を書いたのですが、今回再録に当たって読み返してみたら、2編共マカパインの「命大事に」精神に対する話でした。

現在地:シェブール(エピソード「Dark Lord」クリア済)
エピソードの英語名と日本語名が大幅に異なる時がありますが、それが味を出してることがあり「良い」ですね。

まず、ポートランドからシェブールに向かう船上の戦いが発生。
階段2ヵ所をソードとコルツで封鎖し、安全位置に置いたヘンメリーが延々ヒール、ミファが遠距離攻撃という形でスムーズにクリアしました。
頭上から襲いかかる飛竜はどう対処したら良いのかと思いましたが、隣接していれば普通に地上から攻撃できるんですね。

この戦いで、フュリスの正体が判明。といっても、これは解説書のストーリー説明でプレイヤーは把握済の展開ですので、まだこの辺はプロローグという事ですかね。
身分が明らかになった途端、ガンガン命令をしてくるお姫様が可愛いですね。悪気はなく、これが自然体なんだろうなぁと感じます。

シェブールに着いた途端、オルドバ四将軍の1人、猛将レオパードが登場。
ということは、この人は「奴は四天王の中でも最弱」のポジションなんだな!と認定しました(笑)。さすがに1回目の邂逅では剣を交えずに終わりましたが、小物っぽい台詞もありましたね。
このマップでは、救出した反乱軍の面々から反乱軍のリーダーになることを打診されましたが、即座にお断りしました。正直、彼等の言葉の端々にムッとしたからです。知名度のある将を据えないと民衆の支持が得られないという理屈は分かるけれど、無関係の人をアテにし過ぎだと思います。自分達で何かしようと言う気概を感じない。
でも受けるのがルートなんですね。ちょっと悔しかったです。

街を出ようとしたところでダークロードが登場。すわ戦闘かと思ったらこちらも顔見せだけでした。
しかし、この脱出戦が非常に難しかったです。
最初は5人で迎え撃ち、敵軍全滅を狙おうと思っていました。しかし、船上の戦いでの勝利パターンを再現しようと初期位置の高台に置いた後方部隊は、敵の遠距離攻撃1発で倒されてしまうことが発覚。ならば全員を地上に降ろして陣形を作ろうとしても、1本道で渋滞を起こし右往左往する仲間の移動指示で四苦八苦する内に敵と交戦して、結局バラバラになってしまいました。
最終的に、出撃メンバーをソードだけに変更しておいて、移動を伴う攻撃技「セイバーソニック」で敵の間を無理矢理通り抜けました。
で、リセットまでして全員生存させたのに、コルツとヘンメリーがパーティから離脱してしまいました。
戦闘上の役目はロジャーとミランダがちゃんと引き継いでくれるのですが、キャラクターとしてはコルツたちの方が渋くて好きだったので寂しいです。愛着の問題なのかなぁ。
ラインメタルに戻った2人が少しでも生き長らえるように、次の進行ルートは空軍基地を選択しました。

ちなみに、5人出撃可能になった時点で、闘技場で操作チェックしておきました。段々戦闘システムを飲み込めて来たと思います。
ただ、傭兵ミファは雇用期間を過ぎて出撃させていた気がするんですけれど……闘技場は戦闘回数に含まれないのかしら? 街を出た時に再雇用契約を結びましたが、ちょっと費用が上がっていたので、何時まで使い続けるか悩みどころです。