• 2014年08月登録記事

ジョージ・オーウェル著 川端康雄訳「動物農場 ーおとぎばなしー」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
横暴な人間を追い出し、動物たちは自分たちで農場経営を始め理想郷を作り出す。しかし、管理運営を担当する豚たちは私腹を肥やすようになり、権力闘争の末に粛清を始め、人間が支配していた頃より残酷な独裁が始まった。

ディストピアもの。
文体は「おとぎばなし」を演出する「ですます調」で優しい雰囲気なのに、非常に静かな恐ろしさがある作品。
政治の話はしない、というのが私のブログルールなのですが、こういう作品に対して政治思想から完全に離れた感想を述べるのは難しいですね。

動物たちの自治という寓話で、理想とかけ離れた現実の共産主義を批判していますが、対象を共産主義に限定せず、権力腐敗と独裁が始まるプロセスとして読むことも可能でした。
動物たちが自分たちで定めた「七戒」に、豚が但書を付けて意味合いを変えてしまう部分には、薄ら寒いものを感じました。

本編は文庫の2/3程度で、残りは付録として訳注、オーウェルによる序文「出版の自由」と「ウクライナ語版のための序文」の2編、訳者解説。
付録扱いであるこの「序文」が素晴らしいです。
共産主義を理想とする「ユートピア文学」というジャンルがあり、その後「ディストピア文学」が生まれたということは知識として知っていましたが、この序文を読んで経緯がよく分かりました。
そして、なにより心打たれたのが此処です。

だが、ローザ・ルクセンブルクが言ったように、自由とは「(異なる考え方をもつ)他者のための自由」なのである。同じ原則がヴォルテールの有名な言葉にもふくまれている。「君の言うことが大嫌いだ。だが、君がそれを言う権利をわたしは死を賭しても護る」と。

序文「出版の自由」より引用

言論・出版の自由とはなにか、考えさせられました。

PSゲームアーカイブスの育成SLG「エバーグリーンアベニュー」を遊んで、1周目終了しました。

EvergreenAvenue

→エバーグリーンアベニュー ソフトウェアカタログ

精霊たちに人間界の常識を教えて教育&仲良くなり、精霊王を迎える人間界の代表に選んでもらうことが目的の、対戦育成SLG+ADV。
1周は2〜3時間。
短いですが、男女主人公で攻略対象が7人いて、周回前提の作りなので、このくらい軽いのは大歓迎です。

攻略対象のうち4人は女子なので、初回主人公は男性にしてみました。
選ばなかった主人公がライバルになる方式。2人ともそれぞれ事情のあるキャラクターなので、たまに可愛く感じたり、イライラしたりもさせられます。この手のゲームにしては珍しく、メインは実は主人公の成長物語なんですね。同性エンドがあるせいか、意外にも恋愛より友情メインで、全員でワイワイしていることが多く、ちょっと古くさいけれどファンタジックな温かみのある物語が展開されました。

イベントシーン

育成が大変で数回しかデートはしなかったので、イベントは相当見逃してるはずですが、定期的に強制イベントが発生したので、物語が薄いとは思いませんでした。

キャラクターも良い子揃い。
特にフラッシュが属性たっぷりで、委員長系が好きな人にはたまらないキャラクターでした。ルシエルも、チャラそうに見えて凄く良い奴ですね。ビジュアル的にはアッシュが可愛かったです。
……せっかく男性主人公を選んだのに、女性陣の支持はライバルに奪われてしまったので、男性陣とばかり遊んでしまいました。

最大の難点は、ゲームの核である育成システム部分。
なんと、目押し必須のルーレット。私は目押しが苦手な上、どこが正解(COOL)ポイントなのか表示されないので、大変苦労しました。
それなのに、ライバルの方は初見から確実にCOOLを取っていくんですよね。
お互いにCOOLだった場合は、プレイヤー側の勝ちと判定されるので、確実にCOOLを取れば良い話なのですが、初見では絶対勝てないだろう難易度には「エターナルメロディ」を思い出しました。

というわけで、最終的に負け。

最終成績

無駄に育成してしまったイルミナが、なかなか態度を表明せず、最後にアイラに靡いてしまったのが敗因でした。
育成する対象は絞った方が良かったのかも……。
しかも、勝ったアイラも結局は代表者に選ばれず、精霊王の降臨もないまま精霊たちは帰ってしまうという結末。
もっと本腰を入れて育成して、点を稼がないと駄目だったようです。

そんなわけで、肝心のゲーム部分がルーレットという人を選ぶ仕様なせいで、なかなかお勧めし難いゲームでしたが、雰囲気は気に入ったので、主人公を変えてもう1周、攻略が巧くいくようになったら何回か回してみるかな、と思っています。

ピザキャット!店 GRAND OPEN
https://pizzacat.pzh.jp

なんだこれ可愛い!!

公式サイトの動画は、ちょっとシュール過ぎて理解できないところもありますが、凄くふてぶてしいけれどおとなしい猫ちゃんたちが良いですね。
ピザハットを注文したくなりました。

第7回は、ゼロス・ワイルダーから。

【除外ルール】

  • 公式サイトでキャラクターの紹介に使われている台詞は除外。
  • 小説版、漫画版、OVA等の台詞は除外。
  • その他、そのキャラクターを代表すると思われる台詞は除外。

まず除外される台詞は、公式で使用している下記2点。
「いや〜驚いた。天使ちゃん、強いね〜。俺様、超びっくり!」(GC)
「よーし。決まりだ。俺様との旅はたーのしいぜぇ! 期待してろよ!」(PS2)
※ゲーム中の表記は「俺さま」ですが、公式の引用のため漢字にしています。

ゼロスらしい台詞ではあるけれど、別に名言でも何でもなかったですね(笑)。
GC版は初登場シーンの台詞。PS2版の方は記憶がなくて、加入時の台詞かと思ったのですが、星見台詞でした。ちなみに、オンリーイベント「アホ神子イチバン!」の来場記念配布本で調べました。当時のスタッフ様、有難うございました。

他に、ゼロスの名言として思い浮かぶのは下記です。
「俺さまが好きな奴も俺さまが嫌いな奴も、俺さまの住む世界にいていいってこった。それが『当たり前』なんだからなぁ」
ウィルガイア最後のマップでの台詞(いわゆる決意表明イベント)。
ロイドが何度か形を変えて言っている台詞の類型ですね。TOSが訴えるメッセージの1つだと思います。

以上を除いた上で、私が選ぶのはこの台詞です。

じゃあ何か? 俺さまが教会に進言して、貧乏人には生活に困らないだけの施しをしましょうってか? それじゃあ一生懸命働いてる連中に悪いだろうが

サイバックで発生するサブイベント「神子の家宝が目に入らぬか」での台詞。
このサブイベントでは上記台詞の前に言う「誰かが…何とかしてくれるなんて思うなよ」の方が本人の境遇と相俟って人気のような気がしますが、私はこの台詞で、ゼロスは為政者として優れたバランス感覚を持っているかもしれない、と感心しました。

なお、名言とは少し違いますが、私が一番好きなゼロスの台詞は「いいんだよ、ちび」です。
自分の為に憤るジーニアスを制止した台詞です。
ゼロスは、中の人同士の関係もあってロイドとのコンビが強調されがちですが、ゲーム中だとジーニアスとのコンビが結構いい感じだと思います。
虐げられるハーフエルフの為に法令を取り下げるよう依頼してくれたり、貧民に仕事を与えてやったり、口では厳しいことを言いつつも相手の立場に立った支援をしてあげられるのが、ゼロスの美点ですね。

次回はプレセアです。うーん、彼女は口数が少ないしネガティヴなので難しいですね。一週間悩み続けることになりそうです。

ゲームアーカイブスのアクション「Jumping Flash! アロハ男爵ファンキー大作戦の巻」を遊びました。

ジャンピングフラッシュ

→ジャンピングフラッシュ! ソフトウェアカタログ

遊んだのは、WORLD5-1まで。
私のアクションの腕前では先に進めそうにないので、取り敢えずここまでで満足。なんせ、最初はWORLD2-3のボスに負けたくらいですから(笑)。
一応セーブ機能があるため、残機をすべて失ってゲームオーバーになっても続きから遊べるのですが、ロードしたWORLDのSTAGE1からやり直しなのが辛かったです。
ちなみに、WORLD2-3と3-3のボスは、特殊兵器を3つ持ち込んで、一気に叩き込んで倒しました。
WORLD4-3のボスだけは、その方式では勝てず何度も敗北して、このままゲームオーバーになることを覚悟しましたが、相手の攻撃を良く見たことで、基本的には遠くから通常攻撃(ショット)でダメージを与え、攻撃形態が変わったら体力勝負になるので特殊兵器を出す、という形で倒せることが分かりました。

私は若干、高所恐怖症の気があるのですが、このゲームでは「高いところから落ちる」快感を安全に楽しめます。
3段ジャンプを決めて超高高度まで跳び上がるのが、凄く楽しいです。1回目のジャンプは普通の視点で、2回目以降は地上を見下ろす視点に変わるのが効いていると思います。
方向感覚が変になって、直ぐ迷子になっちゃうのはご愛嬌。

PSのポリゴン性能を生かして作った「ゲームらしいゲーム」で、初期の名作だと思います。
なぜか講談調なオープニングや、WORLDクリア後に見られる愛嬌と哀愁のある飲み屋のムームー星人という、摩訶不思議なムービーが独特の味を生み、少しバカゲーっぽさもあります。

しかし、今回初めてちゃんと本作を遊んで知ったのですが、ムームー星人って、悪役だったんですね!

居酒屋のムームー星人

喋ると完全に「サラリーマンの親父」なのに、可愛いんだムー。
ぬいぐるみが欲しくなってしまったんだムー。