• 2014年08月登録記事

NHK-FM「今日は一日 三昧」が、4年ぶりの“ゲーム音楽”特集で放送中。
あいにく、色々外出する用事もあったので放送時間10時間中1/3程度しか聴けていませんが、外出前に慶野由利子さんと伊藤賢治氏のゲスト部分は聴けたので、良しとします。
帰宅して慌てて付けたらTOX2の2曲目でした。残りは聴くぞ〜。

慶野さんが活動されていた時代のゲームミュージックは、ほとんどSEと同一なので、曲としては思い出補正がないと聴いていられない感じですが、トークがマニアックで濃くて良かったですね。
ファミコン「スターウォーズ」の仕事で、あのテーマ曲を3音にしたというエピソード等は、ニヤニヤしてしまいました。私、あれは実際に遊んでいますが、酷いゲームだったなぁ(笑)。
こんなレゲーオンリーの構成で良いのかなとは思ったけれど、ゲーム業界での音楽技術の進化がよく分かりました。

ちなみに、放送中に発言があったファミコン新作のお仕事は「キラキラスターナイト」。
http://kirakira-star-night.riki2riki.com
公式サイトが一時的に不通になっていました。さすがNHK放送ですね。よく考えたら、特定の商品名をNHKで発言して良かったのか?と思いますが……。

一部、流す曲のミス(流れない、被せてしまう、別の曲が流れる)もありますが、生放送ですし、ゲーム音楽は短い曲が多くて回転が早いから大変なのかな、と思います。

第5回は、クラトス・アウリオンから。

【除外ルール】

  • 公式サイトでキャラクターの紹介に使われている台詞は除外。
  • 小説版、漫画版、OVA等の台詞は除外。
  • その他、そのキャラクターを代表すると思われる台詞は除外。

まず除外される台詞は、公式で使用している下記2点。
「なるほど、この少女が今回の神子なのだな」(GC)
「その劣悪種の傷み、存分に味わえ。…地獄の業火でな」(PS2)

私はクラトスファン故に、彼の台詞に対してあまり客観的な評価ができませんが、この他のクラトスの名言としては、下記が良く上げられているようですね。
天使疾患1回目の野営時の「人は…どうしようもなく無力だ…」。
スキット340番「ロイドの両親」の「知らなかったことが罪なのではない。知らなかったことにあぐらをかいて、恥じる心を忘れることが、罪なのだ」

以上を除いた上で、私が選ぶのはこの台詞です。

おまえは疑問を抱いた。思考を停止させなければあるいは何かが変わるかも知れぬ

イズールド付近にある、クラトスのフィールドスキットの台詞です。
世界再生に疑問を抱き始めたロイドへの台詞ですが、クラトスの過去を知っていると、疑問を抱いても思考は停止していたクラトス自身を皮肉っているのかな、とも感じさせます。

クラトスは、近年の作品だと「親バカ」的な扱いが多い気がします。
確かにそういう側面もある人物ですが、ゲーム本編のシルヴァラント編だと、指導者として厳しくロイドに接している局面の方が圧倒的に多いです。例えばシルヴァラント救いの塔行き前日に聞ける会話イベントでの、この台詞。
「一番大切なところで神子の力にたより、すがることが守るということなら、私の知らない間に言葉は随分とさまがわりしたのだな」
かなり手厳しいですね。
今回選んだ台詞も、やや厳しいですが、世界再生の歪みに気付いたロイドを褒める気持ちを抑制し、その先へ更に進んでいくよう期待を込めています。複雑な立場にあるクラトスの、精一杯の言葉なんだと思えました。
……名台詞というには、ちょっと妄想で補い過ぎでしょうか(苦笑)。

次回はしいなです。

東野圭吾著「容疑者Xの献身」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
隣室に住む女性・靖子に密かな想いを寄せる石神は、彼女が前夫を殺してしまったことを知り、偽装工作を行う。無関係のホームレスを前夫になりすませ、その人物を自分が殺して警察に捜査させることで、彼女の完全アリバイを成立させたのだ。だが自身の為に第二の不要な殺人が犯されていたことを知った靖子は、自白して共に罪を償うと。

探偵ガリレオシリーズの長編。直木賞受賞作。

有名な作品ですし、映画にもなっているので「惚れた女性が犯した殺人に対して、偽装工作をして自分が罪を被る」という大筋は知っていましたが、実は叙述トリックの要素も含まれていたのですね。
読んでいる間、「10日」という日にちにすっかり騙されていたので、湯川准教授のネタ晴らしには唸りました。

石神の、可哀想なくらい純情なところと、合理性を追求するが冷酷さのバランスが面白かったです。
完全犯罪が靖子の自白で無に帰してしまったということで、彼の献身は報われなかったとも受け取れるけれど、私自身は、靖子が自白してホッとしました。靖子としては、石神に報いる方法が自白だったんだとも思うのです。石神からしたら、まったく理解不能でしょうけれど、彼女が知的な女でないことは作中からも読み取れますから。
ただ、そういう靖子を石神がどうしてそこまで好きになれたのか、伝わって来なかったのが残念でした。確かに、恋に落ちる切っ掛けなんて、他人から見たらなんてことないかも知れないけれど、物語である以上、説得力が欲しかったです。

140806.png

クリアしました。

これまで戦闘はあまり苦労しなかったのですが、途中から面倒になって「逃走」を多用してレベル上げを怠ったせいか、なんと、マージョリー様の全体魔法「オメガメテオ」で、回復役の人形シャルテが一発昇天してしまいました。
そんな状況なのに、続けて本当のラスボスが登場。
HP・MPの回復ポイントは設けられているものの、一旦破壊された人形は、オレンジ村まで戻らないと復活しないのですよね。さすがに、シャルテ無しで勝つ自信はなく、散々悩んだ末に、ダンジョンから一瞬で脱出するワープアイテムを使って戻ってしまいました!
登場したラスボスを放置できてしまうのも、凄いですね。
結局、2回もビューティーキャッスルを攻略することになったので、マッピングもしてしまいました。

最後は、王子様とコルネットの結婚式という、完全無敵のハッピーエンド。
……ですが、予想通りクルル(母親の魂)とは別れることになりました。涙するコルネットに寄り添う王子様の図は、家族の形「母と子」から「夫妻」に変わったことを示しているのだと思いました。
ちなみに、エンディングで花嫁コルネットを操作できるのは少し嬉しかったです。もっと色々なところに出歩けたらもっと面白かったですね。

というわけで、総評です。

丁寧に作られている割に、作り込みが甘いゲームでした。
評価点として気になったのは、下記の3点です。

  • 時間のかかるヘクス式戦闘でありながら、エンカウント率が高い
  • ライト層向けの易しい難易度でありながら、終盤だけ敵が強くなり難易度バランスが悪い
  • 人形やモンスター集めというやり込み要素に対し、やり込んだ結果をコレクションする機能がない

反面、独自のアピールポイントもあります。
まず、ドット絵技術を生かした愛らしく柔らかいグラフィック。後に日本一ソフトウェアの代名詞ともなった要素だけあって、今遊んでいても、まったく見劣りしません。
そして、物語は一本道で短いながら、旅立ちから最後まで「王子様を救って結ばれる」という目標が変わらないところが新鮮で、正に絵本のような作品に仕上がっていると思いました。
ただ個人的には、重要キャラクターであるクルルの性格や口調が好きになれず、盛り上がりで感情移入できませんでした……。

肝心の、ミュージカルRPGというウリは、「踊らない」「歌が少ない」「歌詞が表示されず聞き取れないことがある」「音量が小さい」等、演出の一つとして観ると不満の方が多いです。
もっともこれらは次作で改善されたらしいので、演出力は「リトルプリンセス」で評価するのが妥当かと考えています。

色々不満を書きましたが、女児に手軽に勧められる入門編RPGとして考えると、良くできています。
勿論大人でも、メルヘンチックな世界観が好きなら十分楽しめるでしょう。
全体的には、私が初めて本作を知った「笛を吹くコルネット」のイメージイラストで抱いた印象を裏切らない、優しい作品でした。