- 分類読書感想
宮木あや子著「校閲ガール」
【あらすじ】
大好きなファッション雑誌の編集者になるべく出版社に就職した河野悦子だったが、文芸作品の校閲担当に回されてしまった。異動を目指して校閲に励む日々に、編集者や作家との様々な事件が巻き起こる。
私は後から知りましたが、ダ・ヴィンチニュースで連載されていたそうです(現在は公開終了)。
http://ddnavi.com/news/serial/kouetsu-girl/
タイトルと装丁通り、非常にライトな作品。
お仕事小説は好きですし、あまり日の目を見ることがない校閲を描くということで読みました。
悦子は、仕事はちゃんとできるらしいし、自分の好きなこととやりたいことを明確に持ち、思ったことを主張するという輪郭線がハッキリしたキャラクターなので、痛快でした。最初は、喋りかたが乱暴で少し嫌だと思いましたが、これもリアルではありますよね。
校閲なのに、ファッションのことにしか興味がない、という彼女の設定の妙が、文芸ネタ一辺倒に陥ることを防いでいて、面白かったと思います。
校閲仕事に関する描写に、ファッション等のガールズトーク、出版業界を垣間見る業界ネタ、作家の失踪した妻を探すミステリー、恋愛といった日常がコミットしていて、1冊で色々な要素を盛り込まれていました。