• 2015年07月登録記事

昨日の「アルスラーン戦記」は総集編だし、「ゴッドイーター」「血界戦線」は放送延期の特番だったし、とんでもない日でした。

もっとも、先週の放送直前特番に比べたら、「ゴッドイーターEXTRA00」は結構楽しい内容でした。5年前から無料公開しているプロモを「地上波初放送」なんて偉そうに放送するのは笑ったけれど、一応15分でも流せるアニメがあるのは良かったですね。

血界戦線」の方は、これまでの蓄積分があって良カットを切り貼りできるし、作中音楽なども色々流せるので普通に見られる特番でした。最終話鋭意作成中にはこれまた笑いましたけれど!

ということで、夏から放送開始した他のTVアニメをつまみ食い。

うしおととら

http://ushitora.tv
原作未読。サンデーの妖怪バトル漫画という以外に予備知識なく観ました。
妖怪ものという時点で好みではないのですが、さすがに面白かったです。
最初は、2015年の新作とは思えない、原作通り90年代の少年漫画そのままの画風に仰け反りましたが、懐かしい気持ちになりました。透けて見える妖怪なんかは、現代だからこそできる演出だと思いますし、昭和感と現代の技術が今後も巧くハマっていくと良いですね。
キャラとしては、「解放されたらまずお前を喰って」と馬鹿正直に答えてしまうとらが可愛いです。同時に「主人公に嫌々使役される悪しき存在」という設定的な部分は「鬼神童子ZENKI」を思い出しました(ZENKIの方が後にできた作品であることはわかっています)。

Charlotte

http://charlotte-anime.jp
凄く面白い1話でした!
展開が早く、Aパートが終わった時点で30分経ったかと思ったくらい。でも早すぎて付いていけないわけでもなく、非常に心地よいテンポでした。
とにかく、主人公・乙坂有宇がどうしようもない屑なのですが、妹には優しいという一面があり、取り繕えなくなるとあっという間にヘタレるので、憎めない奴です。
受験の時にカンニングする相手を選ぶ努力とか、高城のピタリと止まらない「瞬間移動」には笑いました。
PV3弾を見ると、話が進むに連れて怖い雰囲気になるのか?という不安がありますが、なぜタイトルが「シャーロット」なのか気になるので、見続けることになりそうです。

STEINS;GATE(再放送)

http://steinsgate.tv/
まったく、なにがなんだかわからない1話でした。
原作の評判を知っていて、且つ再放送番組であると知らなかったら、録画を消すくらい意味不明。特に序盤は、場面転換が飛んでいるのか、話の繋がりがわかりませんでした。
録画しておいて、後からまとめて見た方が良いタイプの作品みたいですね。
EDで主人公・岡部倫太郎の声が宮野真守だと分かって驚きました。杉田智和かと思った……。

伊達雅彦著「傷だらけの店長 街の本屋24時」(文庫版)

書店の店長の怒りに満ちたレポートでした。
本屋という仕事の苦労と、それが周囲に評価されず、給料にも反映されない苦しみ。壮絶なのは確かですが、ことさらに苛ついたり怒ったりしている姿に、一々卑屈になって生き難い人だな、と思いました。

この作品は、他人に読ませて、どう感じさせたかったのでしょう。
本屋は大変だと知らしめたいならそれは十分伝わりましたが、それで良いのでしょうか。
そんなことを疑問に思いつつ読んだので、後書き以降に収録された、解説(石橋穀史)ないし寄稿文(田口幹人/笈入建志)の方は、これからの本屋への展望を語っていて、少し安心しました。

ところで、私は本屋は大好きですが、書店員とレジ以外で口を聞いた経験がありません。天の邪鬼だから、手書きポップで紹介されている本は「今売れている本だ」と思って避けるようにしています(笑)。
だから、最終的にはAmazonなどのネット通販に行き着いてしまうんですよね。本屋の空気感は好きだけれど、書店員の個性が必要なのかと問われると、それより品揃えに一票入れてしまうかなぁ……。

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Patisserie Francaise Quatreの「うふプリン」
※写真の白い卵は、容器に普通の卵を入れてみただけです。

卵の殻を器にしているプリンは、過去にも見掛けたことがありますが、とても可愛く作っています。ケースも本物の生卵容器そっくりです。
ただし、器である卵の殻は、力を込めて持つと割れてしまうので、少し慎重になりますね。

プレーン

昔ながらの、ぷりっと堅めのプリン。
キャラメルの味は強めですが、プリン生地自体は薄味でした。サイズが小さくて且つ薄い味ということで、少々物足りなかったです。

ショコラ

こちらはもったりした生地。プリンというよりチョコムースの感だし、カカオ分自体は薄めですが、味が濃いので少量でも食べ応えがあって、1個で満足。
普通はプレーンが一番美味しいという結論に至るのですが、今回はショコラが気に入りました。

エリス・ピーターズ著 大出健訳「修道士カドフェル 聖女の遺骨求む」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
イングランドの修道士たちが、ウェールズの寒村にある聖女の遺骨として引き取ろうとして、村人たちの反対に合う。しかし反対派の地主が殺害されたことで、遺骨の発掘が進められることになる。地主の死に不信を持った修道士カドフェルは、地主の娘と共に真相を調べ、遂に犯人に至るが、不幸にも犯人を死に追いやってしまう。カドフェルは聖骨箱の遺骨を遺体とすり替え、ウェールズ人の聖女はウェールズに、イングランド人の犯人はイングランドへ還す。

歴史ミステリー「修道士カドフェルシリーズ」の第一巻。
宗教的な奇跡と、合理的な物の考えが一つに解け合っていたり、イングランドとウェールズの気質差など、英国ならではの世界観が効いています。
なにより、修道士だけれど、神をも恐れぬタフネスで人間臭く聡明なカドフェルという男のキャラクターが立っていて、非常に面白かったです。

殺人事件が起こるまでに作品の半分くらい費やしていますが、そこまででも既に人間ドラマがしっかり折り込まれているので、事件が遅いという印象は感じませんでした。殺人事件無しで、聖遺物獲得にまつわる騒動を描くだけでも楽しめただろうと思います。
とは言え、ひとたび事件が起きれば、一体誰が犯人なのか、消去法で一歩ずつ詰めて行く捜査に、カドフェルと一緒に考えさせられました。
頭脳冴え渡る探偵物ではなく、実直に犯人を追い詰めて行く刑事物ですね。その割に、最後は物証を出せず自白頼りでしたが、時代的に仕方ないのかなと思います。

あと、遺体を運ぶ途中で臭うのでは、と感じたのですが、気候が違うからあまり影響ないのでしょうかね。

残念ながら、訳は少し不安定だった気がしましたが、読むのに支障があるほどではありませんでした。

三島有紀子著「しあわせのパン」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
北海道の月浦で夫婦が営むオーベルジュ「カフェ・マーニ」。様々な問題を抱えた客が、あたたかなパンと手料理、珈琲の力で、前向きに生きる力を取り戻していく。そして夫婦も、客に力を与えることで、自分を肯定できるようになっていく。

表紙を開けて、1枚目のタイトルページをめくると、まず奥付から始まることに驚きました。一瞬、間違ったかと思ったけれど、後ろから開くと、作中のキーアイテムとして登場する絵本「月とマーニ」が収録されているという仕掛けでした。「月とマーニ」の内容はプロローグで詳細に説明されているけれど、実物を見られるというところに楽しさがあります。

りえさんが一体なににそこまで疲れていたのかという物語の根本的なところは描かれていないし、都会で暮らすことは大変で、田舎は休まるというような紋切り型の考え方もどうかと思ったのだけれど、恐らくそういう細かいことを突っ込むよりは、大自然や美味しそうなパンや人の優しさに漂うべき作品なんでしょうね。
実際、1つのパンを分け合う仲間=家族という定義は、素敵だと思いました。

ただ、エピローグの「手紙」には、モヤモヤとしてしまいました。
宛先が、作中に出て来ない人物名なのです。
ネットで調べてみたところ、「りえさんの母親」という説が多く、なるほどと思ったけど、作中に「岸田」という姓が一度も出て来ないのだから、推測できません。
死別または生別した母親への手紙だというなら、それと分かるよう、りえさんの旧姓をどこかに入れておいて欲しかったです。旧姓が出て来ても奇怪しくない箇所で、あえて名前で呼ばせているからには、わざと伏せたのでしょうが……。