• 2015年08月登録記事

3DSの音ゲー「リズム怪盗R 皇帝ナポレオンの遺産」Demo versionを遊んでみました。

体験版では、下記4つのステージが遊べます。

  • R01 SHOW TIME
  • R02 ルーブル美術館侵入
  • R03 パリ市警からの逃走
  • R04 バトル 悪魔の騎士団

まず遊んだ「SHOW TIME」は、リズムに合わせてモーションを決める分かりやすい作り。
最初、3人目が主人公だと気付かず、どのタイミングでタッチするのか戸惑ってミス連発しましたが、仕様が分かるとリズムに乗るのが楽しくなりました。
ただ、動きのパターンが少ないから直ぐ飽きそうだと思ったら、なんと4ステージがすべて違うルールの音ゲーだったので、無用の心配でした。
もちろん、音ゲーなので、リズムに合わせて操作するという基本は変わらないのですが、常に新鮮な気持ちでプレイできるのと、出だしはルールを把握するための緊張感があるのが面白いですね。
私は、石像と同じポーズを取る「ルーブル美術館侵入」が好きです。
キャラクターも可愛い系の造作でキザるのが笑えます。

ステージ中もずっと評価が表示されているので、途中でA(最高評価)に達すると、後はミスらないようにと思って却って緊張するのがニクいところ。
終盤にミスっていきなりCに落ちたりすると、非常に落ち込みます。
逆に、序盤のミスなら割と挽回できるのが易しいなと思いました。

8月20日9:59まで「夏こそゲーム!今こそ買い時!セガ祭り」で、ダウンロード版が1500円(43%OFF)。
1つくらい、気軽に遊べる音ゲーを持っていても良いかな、と思いました。

枡野浩一「ショートソング」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
憧れの先輩に連れられて歌会に参加したことを切っ掛けに、国友克夫は短歌を作り始める。先輩の恋人である歌人・伊賀は国友の才能を認め可愛がるが、同時に才能が枯れつつある自分と比較し国友に嫉妬を感じる。やがて二人は、それぞれ分かれて創作を続け、歌集大賞に応募する歌集を作り始める。

国友や伊賀、あるいは他の歌人の作として、短歌が頻繁に挿入されていますが、これらがすべて既存の歌だということに驚きました。
短歌が最初にあってストーリーが浮かび上がったのか、ストーリーが出来て後から短歌を当てはめたのか、どちらにしても結構大変なことだなと思います。
短歌がテーマの小説というから、もっと格調高いのかと思ったのですが、短歌というものは日常に密着しているものなんですね。もっと有り体に言えば、見たまま、感じたままを五七五七七に当てはめているものがほとんど。作中「一人称の文学」と説明されていることから、私小説みたいなものなんだな、と理解しました。

全編通してエロ(セックスシーン、AV、下ネタ発言)が多いのですが、ここまで明け透けだと、あまりエロさを感じないと思いました。
秘してこそ、エロスは引き立つのですね。
まぁ、人には薦め難い本ですね(苦笑)。加えて擬似BL、なんて思いながら読んでいたら妹のオチに苦笑いしました。

全体的には、短歌というまったく未知の世界に触れられて、予想外に楽しく読めました。
ただ、更紗が突然伊賀をストーカー呼ばわりしてきた件だとか、よくわからないままの要素もあります。恐らくiBookを失くした件と繋がっているのでしょうが、未解決のまま放っておくので、中途半端だな、と思う面もあります。

吉祥寺、池袋、鎌倉と、実際に行ったことがある範囲で、存在する店が出てくるため、なんだかカフェ紹介本でも読んでいるようでした。

TVアニメ「アルスラーン戦記」17話「神前決闘」
http://www.arslan.jp

エンドカードは吉川美希先生。
うーむ。公式が女装させるのは禁じ手だと思う頭の固い人間なので、ちょっと反応に困りました。ナルサスと絵筆を一緒に書いておけば、どんな格好をさせても許されると思うなよ!

冒頭、前回省略されたやりとりが補完されて、ラジェンドラがそんなに出来た人間ではないことを表現していたと思います。今週は割と評価アップ回だと思うけれど、来週ちゃんと評価ダウンするみたいですしね(笑)。
神前決闘は、ダリューンが負けることはないという安心感を、剣を失わせることで掻き消し、ハラハラさせられたのが巧いなと思います。ただ、ナルサスが落ち着き払っていたのは納得いかないなぁ。
一話丸ごと使った割に、尺が足りないんですよね。これは作品のテンポ感の問題かな。
勝った後、エラムとアルフリードが手を取り合って喜んでいたのは可愛かったです。

ところで次回タイトル、「河をこえて」のタイトルがなかったのに「ふたたび」では、意味が通じないのではないでしょうか。

万城目学「悟浄出立」

沙悟浄が主役のお話と思ってウキウキ読み始めたら、中学古典を脇役から語らせる短編集でした。
収録タイトルと、扱っているエピソードは下記の通り。

  • 悟浄出立(西遊記)
  • 趙雲西航(劉備の入蜀)
  • 虞姫寂静(垓下の戦い)
  • 法家孤憤(荊軻の始皇帝暗殺)
  • 父司馬遷(李陵の禍)

原典の知識がなく、分かり難い話もありました。
そういった意味では二次創作的、もっと言えばファンフィクション作品だと言えるかもしれません。

一本の読み物として面白かったのは「法家孤憤」。主人公は、荊軻と同じ読みの京科というしがない官吏。ほんの一瞬だけすれ違い、立場が変わった二人の男のありようが心に残りました。

悟浄出立」は、傍観者に徹する皮肉屋の悟浄が、悟空や八戒に影響を受けて変わるのが前向きで爽やか。ただ、中島敦の「悟浄歎異」の焼き直しという評もあるので、同作を読んでみないといけませんね。
趙雲西航」は、要約すると「五十歳になった趙雲が望郷の念を抱いた」というだけのファンフィクションですが、戦記物の一ページらしい雰囲気があったのと、趙雲が思う張飛や諸葛亮に対する印象だとかが面白かったです。

女性を描いた二作品は私はあまり好みではありませんでした。
虞姫寂静」で描かれる、虞とは会稽で娶り死んだ妻の名であり、咸陽で見出された虞美人は愛を受ける身代わりだった、という設定はなるほどと思ったけれど、虞美人を主人公に据えた作品は他でも読んでいるから、さほど目新しく感じなかったため。
父司馬遷」は、ページ数の割にこれといった展開がないので途中で飽きてしまいました。
これは私に司馬遷と前漢時代に関する知識が不足しているせいだと思いますので、もう少し背景を勉強しないといけません。
でも、エンターテイメントとしては、その1作だけで面白さが伝わって欲しいと思います。